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2章レルス王国編
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俺たちは決闘前と同じ部屋に案内された。そこに行くまでルアとエマは俺の隣に張り付いて離れようとしなかった。
なぜ急に?と聞きたいが今はそれ以上に考えることがあったので聞けなかった。
「さて、簡潔に聞こう。決闘中にファーレン公爵を襲った理由はなんじゃ?」
やはりファーレン公爵が何をしたのか見えていなかったか。
俺はファーレン公爵から奪った手銃を王様の前に置いた。
「これは決闘中にファーレン公爵が俺に向かって使った武器だ。」
王様とエマはそれをマジマジと見ている。まぁ、見ただけではこれが何か分からないだろうな。
「百聞は一見にしかず…だな。実際に使って見るぞ。」
俺は銃を手にして部屋にある高そうな壺を目的にして引き金を引く。すると…
ドォォォン!!!
パッリイイイン!!
先程と同じ銃声音と壺が割れる音が響き渡る。
「なっ!?これは!?」
王様はかなり驚いている様子。
「…ルア、見えるか?」
俺はコソッとルアに耳打ちをする。
「もちろん!あれぐらいなら余裕だよ!音を聞いてからでも避けれると思う!」
その返事を聞いて少し安心する。万が一銃で襲われても対処できるということだからな。
俺も余裕に見ることができていた。あの時は少し驚いただけで避けることも出来た。ただ止めることが出来るか試したかっただけだからな。
「これは…すごいわね。けど、貫通性が高くて速いだけじゃないの?タイチがそこまで危惧する程なの?」
「あぁ。これは銃って言うんだが、俺の元いた世界で使われてた武器だ。確かにエマの言う通り速くて貫通性の高いだけの武器かもな。」
多分銃の脅威がこの世界ではあまり伝わりにくいんだろうな。素人目から見たらもっと派手な魔法の方が強いと感じてしまう。
しかし、これが歴戦の兵士から見たら脅威が伝わるだろう。
「エマには今の弾が見えたか?」
「いいえ。見えなかったわ。」
まぁ、当然だろうな。騎士団長ですら見ることは出来ないだろう。勘で捌くことは出来るかもしれないが。
「見ることも出来ないんなら避けることも出来ない。その上に貫通性が高いときた。しかも射程はかなり長い。これが量産されて敵も使った戦場をイメージして見てくれ。」
言われてた通りエマとルアは目を閉じてその状況を思い浮かべているのだろう。
「ゾッとするわ。」
「魔法がつかわれなくなるね。」
…魔法は使われると思う。でもこれを言えばルアの過去の地雷を踏みそうで怖いから言わない。
「そうだろ?しかもそれだけじゃない。」
「?」
「まだあるの?」
「あぁ。これは訓練を受けてない人間でも簡単に使うことが出来る。」
「??」「っ!!」「!!!」
ルアはピンと来てない様だったがエマと王様は目を見開いていた。さすが王族だ。
「そんなことになったら…」
「あぁ。事件が増えるだけじゃないだろうな。戦争になっても訓練を受けてない人間でも戦場に送り込まれるだろうな。それが女でも。子供でも。」
地球でも銃火器が登場してから戦争が全く違うものになった。戦争での死人も沢山増えるだろうな。
「いや、しかし御使い様方が作られたということは魔人達に対抗するためのもののはずだ!ならばその武器に対する条約も決められるはずだ。ならばこの武器は人間にとって害をもたらすものでは無いでは無いか!それに魔人を根絶やしにすることも不可能ではないのでは無いか!?」
確かに王様の意見は正しい。現状を理解していない人からすれば…だがな。
「それはないだろうな。間違いなく。」
「何故だ!?」
王様はそう言うが、王様が分かってないことがいくつかある。だからさっきのような結論に至ったのだ。
「はぁ。もう誤魔化しても無駄だろうから正直に言うぞ?俺はその御使いだった。今はもう違う。」
銃を知っている状態で確信に至るだろう。これは御使い…、俺の世界の武器なのだから。それをおれが知っているということを考えたらすぐにこの結論に至る。
「うぅむ。やはりそうであったか…。何故ここに…ということは聞くまい。」
「俺も言うつもりは無いからな。続けるぞ?まず王様には誤解が3つある。」
「3つ…。そんなにか。」
この世界に来てからそんなに時が経ってないというのに自分よりこの世界のことを知っているということに驚いているんだろうな。
「1つ目。魔人にこの武器が伝わらないということ。これは間違いだ。魔人共には間違いなくこの武器が伝わるだろうな。」
量産できるかは別としてこの武器の情報が伝わるのは間違いない。それならば作ることも難しくないだろう。
「何か確信があるのかしら?」
「ある。」
「どうしてよ?魔人と人間は見た目が違うのよ?それなのにどうして人間の国の情報を知ってるのよ?まさか人間の中に魔人に従う者がいるとでも言うのかしら?」
エマも興味津々だな。そんなに質問をしてくるとは。
エマの言う通り魔人と人間では少し違う。目の色が真っ赤だったり魔物と同じように魔石があったりする。
「あぁ!!わかった!!!」
これにルアが閃いたようだ。ルアならすぐ分かるだろうと思った。エマもすぐにわかると思ったんだけどな。
「変身魔法だ!!」
「正解!偉いぞー、ルア!」
「えへへー」
俺はルアの頭を撫でてやるとすぐに俺の腕に抱きついて来て密着する。
最近頭を撫でてあげてなかったから余程嬉しいようだ。
ルアの回答にエマもピンっと来た様子。王様はいまいちわかってなさそう。
「変身魔法で人間の姿になる。その姿で忍び込めば問題無し。そうなったら情報を盗み放題だ。」
「しかし、魔人だと分からないのか?今までそう言う報告は聞いたことがないぞ?」
「だろうな。」
ルアは天使族なので常に変身魔法で羽を消して人間の姿にしているのに誰一人として、変身魔法を使ってるということに気づいてない。
エマだってルアが変身魔法を解いた時には驚いていたし。エマはルアの変身魔法を実際に見ているからルアの答えを聞いてピンっと来たのだろう。
実際に魔人はこの王都にもいた。俺は正直気づかなかった。ある日ルアが
『うぅ~ん。うぅーん。タイチ、何となくあの人…違う気がする…。魔法を使ってる感じかもするし…。なんとなくだけど…。』
と急に言ってきたのだ。俺はその人を見ても気づかなかった。変身魔法は物理眼でも空間感知でも反応出来ない。ならばとおもって鑑定を使ってみると本当に魔人だったのだ。
名前をさらに鑑定すると種族が見えるのだ。
「何でルアは気づいたんだ」って聞いてみたら
『何となく…かな?タイチでも分からなかったって事は反魔法が関係してるのかもしれないね?』
と言っていた。ルアは俺に役立てたことと俺の空間魔法では出来ないことができて嬉しがっていた。
その魔人に関しては放置した。あまり変なことをしたら何が起こるか分からないからな。それに俺の敵は魔人ではない。
まぁ、そんなことを王様に言う訳にはいかないが。
「魔人だってそんなに生易しい連中じゃないだろう。あっちも人間を滅ぼすために色々やってるんだろうし。それで2つ目だ。」
「…あ、あぁ。」
どうやら1つ目の問題で少し頭がいっぱいいっぱいのようだな。
「2つ目はそもそもの帝国の認識が違うということ。」
これには王様はよく分からないような顔をするが逆にルアとエマは顔をしかめる。エマも俺が帝国に裏切られたことは知っているので、俺の言うことに思うところがあるのだろう。
「帝国はそんなに優しい国じゃねぇぞ?アイツらならこの武器についての条約を作るのもこの武器を他の国に広めるのも自分達が有利になるようにするだろうな。」
条約なら作るだけつくって破るかもしれない。実際に俺は約束を破られたし。銃だって他の国に広めない可能性すらある。もしくは自分達だけ量産体制に入ってから広めることで立場上上に立とうとするだろう。
魔人を根絶やしにする時にこの武器使った!と勇者が全て片付いた後に発表させる可能性が俺の中では1番高いけど。そうしたら銃の価値は跳ね上がるしその頃には帝国は既にガトリングガンの量産ぐらい行っているだろう。
「何故そんなことが分かる?お主が帝国にやられたことを抜いてもそう言える根拠があるのか?」
確かに俺の独断だと考えることもできるな。俺が帝国に裏切られたから勝手に悪者認定してる可能性の方が王様の中では高いのかもしれん。
「理由は2つ。まず王様も知らなかったこの武器がここにあるということ。ファーレン公爵に聞いた話では帝国から密入したらしい。既に十分な兵器だと言うのに王様は聞いてないんだろ?なら帝国には秘密する理由があるわけだ。もう1つは国境の壁だな。」
「壁…??」
ルアはピンっと来てない様子。実際に俺とルアが競争した時に最後に超えた壁のことだ。雷霆食らった時のあの壁ね。
王様とエマは既にわかった様子。
「あの壁って昔、王国と帝国が作ったものなんだよ。魔物や魔人が攻めてきても侵入を防げるようにってな。」
現実は魔人は王国に侵入できてしまっているけど。
「それは表向きで裏向きは違う。」
「本当は…帝国からの攻撃を防ぐ為のものって言われてるわ。」
昔は帝国は王国ともバチバチ争っていた。今では魔人のために団結してるけど。さながらベルリンの壁だな。違うところは壊されていない所だけだ。
「正解。よく知ってるな。」
「当然よ。」
俺はルアと同じ感覚でエマの頭も撫でてみた。
「ひゃう!な、何するの!」
「あぁ、ごめん。ついな。」
俺はエマの頭から手を離すと…
「ま、待ちなさい!嫌だなんて言ってないわ!それにタイチがしたかったら私の頭を撫でてもいいのよ!」
これで確信に至った。エマはツンデレであると。
俺はエマの頭を撫でながらルアに説明を続ける。
「昔から帝国は他の国を攻めるって言うDNAが王族には刻まれてるんだよ。」
流石はクソ帝国のくそ王族共だ。昔から変わらずクソ野郎共って言うことだ。
「その壁に最近兵士が増えているらしい。何か王国には見せたくないものがあるのかもしれないな。」
壁のおかげで帝国民が王国に入る方法は限られていて密入国、密輸はほぼ不可能だ。
俺たちは堂々と入ったから密入国じゃないだろう?秘「密」じゃないからな。
「おぉー、なるほどぉ。」
ルアも納得したようだ。
「それで3つ目は?」
「あぁ、それはな御使い様は良い連中じゃなくて平気で人を殺すやつがリーダーやってる悪い奴らだってことだな。」
こちらに至っては理由はないが俺がここにいることが証拠だな。どうせ勇者王角も俺の暗殺に関わっていたんだから帝国とは仲良しなんだろうな。
俺の意見にルアとエマは首を縦に振っている。俺の意見に間違いないということだろう!その通りだ!
「なるほどのぉ。しかし、こんなものが使われたのであれば魔人との戦争は白熱するだろう。それにこれを使って王国に責められれば対抗手段はないだろうのぉ。」
「魔人の方は知らんが王国の安全の方は任せろ。アイツらが攻めてくるようであれば俺がぶっ潰すから。いいだろ?ルア」
「そうだね…。」
ルアが少し悲しそうな表情でそう言った。
「アイツらを許すつもりはないが復讐するつもりは無いぞ?」
「うん…。そうなんだけどね…。」
うん?俺が復讐すると思ったから悲しそうな表情をしたのでは無いのか?
「ほら、復讐を忘れさせてあげるって言ったのになぁ…ってちょっと思っただけ。」
なるほど。ルアは力不足だと嘆いているんだろうな。
「充分だ。最近は思い出すことは減ったぞ?」
「そっか…。それなら良かった。」
ルアが笑顔でそう言ったので良かった。
本当に最近は思い出すことが減った。昔は心のどこかで復讐してやりたいと思っていたし寝てもずっとあの時のことが頭の中にあったが、今はそれ以上にやりたいことが沢山ある。俺は復讐すること以上に強くなって大事なものを守れるようになりたい。
「ふむ。タイチ殿の意見感謝する。それでは定期的に御使い様方の情報を送る時に帝国についてどうするかの判断を聞こう。」
とりあえず帝国はどうするかは保留だな。
この後、俺たちはもう一度謁見しなくてはならない。宣誓を行うためだ。俺とルアは立ち上がってこの部屋から出ていこうとする。
「先に行ってる。」
「待って!私も行くわ!」
エマはそういうが…、
「…俺たちについてくるなら父親と会えるのは今日がさいごかもしれない…。なら、悔いが残らないようにしとけ。姉兄ともな。」
俺たちは謁見が終わったらすぐにここを出ていくつもりだ。もう一度ここに戻ってくることはない。俺たちについてくる以上いつ死ぬかわかったもんじゃない。ならばこの瞬間が最後に親と会う時間かもしれないのだ。ならば後悔の残らないようにしてあげないとな。
……皆の前では言わなかったがひとつ気になることがある。それはあのバカ共が銃を開発した理由だ。
あのバカどもも少しは俺が考えたような未来になる可能性はわかっていると思う。勇者と筋肉バカはともかくそれ以外の奴らは何故作ることに至ったんだ?
それにあの銃は少し再現が正確すぎるような…。気の所為か?
何か嫌な予感がするな。
なぜ急に?と聞きたいが今はそれ以上に考えることがあったので聞けなかった。
「さて、簡潔に聞こう。決闘中にファーレン公爵を襲った理由はなんじゃ?」
やはりファーレン公爵が何をしたのか見えていなかったか。
俺はファーレン公爵から奪った手銃を王様の前に置いた。
「これは決闘中にファーレン公爵が俺に向かって使った武器だ。」
王様とエマはそれをマジマジと見ている。まぁ、見ただけではこれが何か分からないだろうな。
「百聞は一見にしかず…だな。実際に使って見るぞ。」
俺は銃を手にして部屋にある高そうな壺を目的にして引き金を引く。すると…
ドォォォン!!!
パッリイイイン!!
先程と同じ銃声音と壺が割れる音が響き渡る。
「なっ!?これは!?」
王様はかなり驚いている様子。
「…ルア、見えるか?」
俺はコソッとルアに耳打ちをする。
「もちろん!あれぐらいなら余裕だよ!音を聞いてからでも避けれると思う!」
その返事を聞いて少し安心する。万が一銃で襲われても対処できるということだからな。
俺も余裕に見ることができていた。あの時は少し驚いただけで避けることも出来た。ただ止めることが出来るか試したかっただけだからな。
「これは…すごいわね。けど、貫通性が高くて速いだけじゃないの?タイチがそこまで危惧する程なの?」
「あぁ。これは銃って言うんだが、俺の元いた世界で使われてた武器だ。確かにエマの言う通り速くて貫通性の高いだけの武器かもな。」
多分銃の脅威がこの世界ではあまり伝わりにくいんだろうな。素人目から見たらもっと派手な魔法の方が強いと感じてしまう。
しかし、これが歴戦の兵士から見たら脅威が伝わるだろう。
「エマには今の弾が見えたか?」
「いいえ。見えなかったわ。」
まぁ、当然だろうな。騎士団長ですら見ることは出来ないだろう。勘で捌くことは出来るかもしれないが。
「見ることも出来ないんなら避けることも出来ない。その上に貫通性が高いときた。しかも射程はかなり長い。これが量産されて敵も使った戦場をイメージして見てくれ。」
言われてた通りエマとルアは目を閉じてその状況を思い浮かべているのだろう。
「ゾッとするわ。」
「魔法がつかわれなくなるね。」
…魔法は使われると思う。でもこれを言えばルアの過去の地雷を踏みそうで怖いから言わない。
「そうだろ?しかもそれだけじゃない。」
「?」
「まだあるの?」
「あぁ。これは訓練を受けてない人間でも簡単に使うことが出来る。」
「??」「っ!!」「!!!」
ルアはピンと来てない様だったがエマと王様は目を見開いていた。さすが王族だ。
「そんなことになったら…」
「あぁ。事件が増えるだけじゃないだろうな。戦争になっても訓練を受けてない人間でも戦場に送り込まれるだろうな。それが女でも。子供でも。」
地球でも銃火器が登場してから戦争が全く違うものになった。戦争での死人も沢山増えるだろうな。
「いや、しかし御使い様方が作られたということは魔人達に対抗するためのもののはずだ!ならばその武器に対する条約も決められるはずだ。ならばこの武器は人間にとって害をもたらすものでは無いでは無いか!それに魔人を根絶やしにすることも不可能ではないのでは無いか!?」
確かに王様の意見は正しい。現状を理解していない人からすれば…だがな。
「それはないだろうな。間違いなく。」
「何故だ!?」
王様はそう言うが、王様が分かってないことがいくつかある。だからさっきのような結論に至ったのだ。
「はぁ。もう誤魔化しても無駄だろうから正直に言うぞ?俺はその御使いだった。今はもう違う。」
銃を知っている状態で確信に至るだろう。これは御使い…、俺の世界の武器なのだから。それをおれが知っているということを考えたらすぐにこの結論に至る。
「うぅむ。やはりそうであったか…。何故ここに…ということは聞くまい。」
「俺も言うつもりは無いからな。続けるぞ?まず王様には誤解が3つある。」
「3つ…。そんなにか。」
この世界に来てからそんなに時が経ってないというのに自分よりこの世界のことを知っているということに驚いているんだろうな。
「1つ目。魔人にこの武器が伝わらないということ。これは間違いだ。魔人共には間違いなくこの武器が伝わるだろうな。」
量産できるかは別としてこの武器の情報が伝わるのは間違いない。それならば作ることも難しくないだろう。
「何か確信があるのかしら?」
「ある。」
「どうしてよ?魔人と人間は見た目が違うのよ?それなのにどうして人間の国の情報を知ってるのよ?まさか人間の中に魔人に従う者がいるとでも言うのかしら?」
エマも興味津々だな。そんなに質問をしてくるとは。
エマの言う通り魔人と人間では少し違う。目の色が真っ赤だったり魔物と同じように魔石があったりする。
「あぁ!!わかった!!!」
これにルアが閃いたようだ。ルアならすぐ分かるだろうと思った。エマもすぐにわかると思ったんだけどな。
「変身魔法だ!!」
「正解!偉いぞー、ルア!」
「えへへー」
俺はルアの頭を撫でてやるとすぐに俺の腕に抱きついて来て密着する。
最近頭を撫でてあげてなかったから余程嬉しいようだ。
ルアの回答にエマもピンっと来た様子。王様はいまいちわかってなさそう。
「変身魔法で人間の姿になる。その姿で忍び込めば問題無し。そうなったら情報を盗み放題だ。」
「しかし、魔人だと分からないのか?今までそう言う報告は聞いたことがないぞ?」
「だろうな。」
ルアは天使族なので常に変身魔法で羽を消して人間の姿にしているのに誰一人として、変身魔法を使ってるということに気づいてない。
エマだってルアが変身魔法を解いた時には驚いていたし。エマはルアの変身魔法を実際に見ているからルアの答えを聞いてピンっと来たのだろう。
実際に魔人はこの王都にもいた。俺は正直気づかなかった。ある日ルアが
『うぅ~ん。うぅーん。タイチ、何となくあの人…違う気がする…。魔法を使ってる感じかもするし…。なんとなくだけど…。』
と急に言ってきたのだ。俺はその人を見ても気づかなかった。変身魔法は物理眼でも空間感知でも反応出来ない。ならばとおもって鑑定を使ってみると本当に魔人だったのだ。
名前をさらに鑑定すると種族が見えるのだ。
「何でルアは気づいたんだ」って聞いてみたら
『何となく…かな?タイチでも分からなかったって事は反魔法が関係してるのかもしれないね?』
と言っていた。ルアは俺に役立てたことと俺の空間魔法では出来ないことができて嬉しがっていた。
その魔人に関しては放置した。あまり変なことをしたら何が起こるか分からないからな。それに俺の敵は魔人ではない。
まぁ、そんなことを王様に言う訳にはいかないが。
「魔人だってそんなに生易しい連中じゃないだろう。あっちも人間を滅ぼすために色々やってるんだろうし。それで2つ目だ。」
「…あ、あぁ。」
どうやら1つ目の問題で少し頭がいっぱいいっぱいのようだな。
「2つ目はそもそもの帝国の認識が違うということ。」
これには王様はよく分からないような顔をするが逆にルアとエマは顔をしかめる。エマも俺が帝国に裏切られたことは知っているので、俺の言うことに思うところがあるのだろう。
「帝国はそんなに優しい国じゃねぇぞ?アイツらならこの武器についての条約を作るのもこの武器を他の国に広めるのも自分達が有利になるようにするだろうな。」
条約なら作るだけつくって破るかもしれない。実際に俺は約束を破られたし。銃だって他の国に広めない可能性すらある。もしくは自分達だけ量産体制に入ってから広めることで立場上上に立とうとするだろう。
魔人を根絶やしにする時にこの武器使った!と勇者が全て片付いた後に発表させる可能性が俺の中では1番高いけど。そうしたら銃の価値は跳ね上がるしその頃には帝国は既にガトリングガンの量産ぐらい行っているだろう。
「何故そんなことが分かる?お主が帝国にやられたことを抜いてもそう言える根拠があるのか?」
確かに俺の独断だと考えることもできるな。俺が帝国に裏切られたから勝手に悪者認定してる可能性の方が王様の中では高いのかもしれん。
「理由は2つ。まず王様も知らなかったこの武器がここにあるということ。ファーレン公爵に聞いた話では帝国から密入したらしい。既に十分な兵器だと言うのに王様は聞いてないんだろ?なら帝国には秘密する理由があるわけだ。もう1つは国境の壁だな。」
「壁…??」
ルアはピンっと来てない様子。実際に俺とルアが競争した時に最後に超えた壁のことだ。雷霆食らった時のあの壁ね。
王様とエマは既にわかった様子。
「あの壁って昔、王国と帝国が作ったものなんだよ。魔物や魔人が攻めてきても侵入を防げるようにってな。」
現実は魔人は王国に侵入できてしまっているけど。
「それは表向きで裏向きは違う。」
「本当は…帝国からの攻撃を防ぐ為のものって言われてるわ。」
昔は帝国は王国ともバチバチ争っていた。今では魔人のために団結してるけど。さながらベルリンの壁だな。違うところは壊されていない所だけだ。
「正解。よく知ってるな。」
「当然よ。」
俺はルアと同じ感覚でエマの頭も撫でてみた。
「ひゃう!な、何するの!」
「あぁ、ごめん。ついな。」
俺はエマの頭から手を離すと…
「ま、待ちなさい!嫌だなんて言ってないわ!それにタイチがしたかったら私の頭を撫でてもいいのよ!」
これで確信に至った。エマはツンデレであると。
俺はエマの頭を撫でながらルアに説明を続ける。
「昔から帝国は他の国を攻めるって言うDNAが王族には刻まれてるんだよ。」
流石はクソ帝国のくそ王族共だ。昔から変わらずクソ野郎共って言うことだ。
「その壁に最近兵士が増えているらしい。何か王国には見せたくないものがあるのかもしれないな。」
壁のおかげで帝国民が王国に入る方法は限られていて密入国、密輸はほぼ不可能だ。
俺たちは堂々と入ったから密入国じゃないだろう?秘「密」じゃないからな。
「おぉー、なるほどぉ。」
ルアも納得したようだ。
「それで3つ目は?」
「あぁ、それはな御使い様は良い連中じゃなくて平気で人を殺すやつがリーダーやってる悪い奴らだってことだな。」
こちらに至っては理由はないが俺がここにいることが証拠だな。どうせ勇者王角も俺の暗殺に関わっていたんだから帝国とは仲良しなんだろうな。
俺の意見にルアとエマは首を縦に振っている。俺の意見に間違いないということだろう!その通りだ!
「なるほどのぉ。しかし、こんなものが使われたのであれば魔人との戦争は白熱するだろう。それにこれを使って王国に責められれば対抗手段はないだろうのぉ。」
「魔人の方は知らんが王国の安全の方は任せろ。アイツらが攻めてくるようであれば俺がぶっ潰すから。いいだろ?ルア」
「そうだね…。」
ルアが少し悲しそうな表情でそう言った。
「アイツらを許すつもりはないが復讐するつもりは無いぞ?」
「うん…。そうなんだけどね…。」
うん?俺が復讐すると思ったから悲しそうな表情をしたのでは無いのか?
「ほら、復讐を忘れさせてあげるって言ったのになぁ…ってちょっと思っただけ。」
なるほど。ルアは力不足だと嘆いているんだろうな。
「充分だ。最近は思い出すことは減ったぞ?」
「そっか…。それなら良かった。」
ルアが笑顔でそう言ったので良かった。
本当に最近は思い出すことが減った。昔は心のどこかで復讐してやりたいと思っていたし寝てもずっとあの時のことが頭の中にあったが、今はそれ以上にやりたいことが沢山ある。俺は復讐すること以上に強くなって大事なものを守れるようになりたい。
「ふむ。タイチ殿の意見感謝する。それでは定期的に御使い様方の情報を送る時に帝国についてどうするかの判断を聞こう。」
とりあえず帝国はどうするかは保留だな。
この後、俺たちはもう一度謁見しなくてはならない。宣誓を行うためだ。俺とルアは立ち上がってこの部屋から出ていこうとする。
「先に行ってる。」
「待って!私も行くわ!」
エマはそういうが…、
「…俺たちについてくるなら父親と会えるのは今日がさいごかもしれない…。なら、悔いが残らないようにしとけ。姉兄ともな。」
俺たちは謁見が終わったらすぐにここを出ていくつもりだ。もう一度ここに戻ってくることはない。俺たちについてくる以上いつ死ぬかわかったもんじゃない。ならばこの瞬間が最後に親と会う時間かもしれないのだ。ならば後悔の残らないようにしてあげないとな。
……皆の前では言わなかったがひとつ気になることがある。それはあのバカ共が銃を開発した理由だ。
あのバカどもも少しは俺が考えたような未来になる可能性はわかっていると思う。勇者と筋肉バカはともかくそれ以外の奴らは何故作ることに至ったんだ?
それにあの銃は少し再現が正確すぎるような…。気の所為か?
何か嫌な予感がするな。
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いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
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