防御特化変身スーツを着た正義のヒロインが残念硬い特殊性能でリョナられまくる!

濡れ雑巾と絞りカス

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第1章-出撃編-

撤退、四天王の脅威

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「俺サマはなぁ、怪人王直属の衛士が一人、怪人四天王の一角、イービルガイ様よォ!」

「怪人…四天王っ!?」

(なにその小学生が好きそうなの!それに俺サマって…うわぁ……)

《データが不足。怪人上位種と推定。危険です、速やかに撤退してください》

 驚く…よりは引いている叶海。そんな彼女にAIの警告はガンガン響いて危険を知らせる。

 後方への撤退ルートがナビゲートされるが、イービルガイがゆらゆらと身体を揺らし、重心がずれるだけでコロコロとルートが変わる。

「そおよ!その中でもナンバー2、閃光のイービルガイサマたぁ俺サマのことよ!!」

(めちゃくちゃ強い奴なんじゃないの!?逃走ルートもフラフラ点滅してるし…逃げられる気がしないんだけど……)

《現状での逃走成功率は推定8.6%です》

(それって、10回に1回以上失敗するじゃない…。ダメ元で聞くけど、倒す方法は何か無いの?)

《空自、陸自の2個大隊の支援を受け、汎用スーツ装着者30名以上で挑めば撃破可能と推測されます》

(この新型スーツが汎用スーツ何人分なのかわからないんだけど、絶対に一人じゃ無理だってことはわかったわ)

 叶海の頬を冷や汗が伝う。

《なお、その構成でも損害率は70%を超えると想定されます。また、防御型スーツでは火力が足りません。本スーツ装着者でも撃破には同人数は必要と推測されます。ただしその場合の損害率は3%以下と推測されます》

(どっちにしろ無理じゃん!!)

 分かってはいたが、逃げ以外の選択肢が完全に消え去った。
 どうしたものかと必死に考えを巡らせながら、叶海はジリジリと後ろへ下がっていく。

《開発中の攻撃型スーツであれば単騎での撃破が見込めます。その場合の勝率は38%、うち相打ちになる可能性が67%です》

 今は無い型のスーツを持ち出されてもどうしようもない。
 イービルガイがニヤつきながら近づいてくる。

《なお、新型の防御型スーツ装着者2名、新型の攻撃型スーツ装着者3名で挑めばほぼ100%の確率で、損害0での撃破が可能と推測されます》

(もういいよ、そんなの無理だから、逃げる方法教えてよぉ!!)

 半泣きでAIに懇願する叶海。

(そうだ、テレポートで逃げればいいじゃない!!)

《テレポートの発動には一定の準備時間と膨大な計算リソース、大量のエネルギーが必要になります。発動まで完全に無防備になるため、現状での使用は推奨されません。敵性体と一定距離を保ってから使用してください》

 無情なAIの説明。
 逃げようにも、イービルガイが動くたびにナビゲーションルートが変わり、動くに動けない。

《標準装備、閃光弾の使用を推奨します。発動タイミングをナビゲーションに合わせてください》

 イービルガイとの距離が近づき、逃走ルートが消え別のナビゲーションが響いた。

「さて、お前が何者でもまぁ構いやしねぇ。俺サマの一撃に耐えて原型保ってる人間ってぇのは珍しいからなぁ、遊びがいがありそうだ。怪人王サマの手土産に拾っていくとするぜっ!」

 言葉の終わりと共に、高速接近するイービルガイ。
 それと同時に、AIのナビゲーションが激しく点滅する。

 叶海はナビに合わせて閃光弾を召喚し投擲。
 眼前で激しい閃光と耳をつんざく爆音が弾ける。
 変身スーツに守られた叶海は閃光弾の影響を受けず、示された逃走ルートに従って逃げ出す。

 だが、怪人イービルガイは変身スーツの予測の上を行く。
 閃光弾に一切怯むこと無く叶海に接近。
 叶海の下に潜り込むように身体を屈ませ、アッパーを放つ。

 芯を捉える直撃は避けたにも関わらず、叶海の身体が垂直に吹き飛んだ。
 それを追って跳躍したイービルガイは、∩字に折れ曲がった叶海の背中に握った両手を勢いよく振り下ろす。

「――――がはっ!!?」

 ――ドーーーーーーーーン!!

 勢いよく公園の大地に衝突する叶海。
 土埃を撒き散らし、大きな穴を開けて大地にめり込む。

「あぐっ、げふっ…はぁ、はぁッ!」

(い…たい、お腹が痛いよぉ…!!)

 スーツを着用して、初めて痛みを感じる。
 軽く殴られた程度だが、じわじわと体内に広がるような痛みだ。
 スーツは至るところがボロボロに破けていたが、叶海の身体はほぼ無傷。
 地球上のあらゆる生物が即死するほどの高威力攻撃を受け、この程度で済んでいるのだから変身スーツの性能も相当なもの。だが、それも限界が近づいてくる。

《一部の衝撃緩和に失敗。スーツ破損率82%。修復まで約880秒。装着者の苦痛を感知。これ以上の被弾は苦痛緩和システムが発動する恐れがあります。危険です、速やかに撤退してください》

「……ぅ…ぐうぅ!」

 呻きながら、叶海はよろよろと立ち上がる。
 本人に傷はないが、スーツは満身創痍。いろいろなところが破け、ただでさえ扇情的な衣装がさらに卑猥に。腹部はまだ比較的無事だったが、そのすぐ上、両胸の部分は破れ去り乳房が丸出しになっていた。

「おぉっ、すっげぇなぁ!砕け散らないどころか、死なねぇし気絶すらしねぇのか」

 悠然とイービルガイが叶海に近づく。
 スーツのAIが警告を発し続け、脳みそに直接危険を訴えてくる。
 視界中に赤色の警告が溢れ、逃走ルートのナビゲートが消えた。

《警告!推奨できる逃走ルートが無くなりました。敵性体との戦闘を回避できません。逃走を目的とした牽制的な戦闘行動を推奨します》

「そんな…もう戦うしか、ない!!」
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