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第二十九話 押しかけて来た愛妾
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あり得ない、あり得ない、あり得ない……何でこんなことに。
目の前には、アストル様の蕩けるような優しい笑顔。
そして私の頭の下には、アストル様の逞しい腕。
私は、私は『夫婦の会話』をする為に今日は早起きしたのであって、朝っぱらからこんな破廉恥なことをする為に早起きしたわけではありません!
と声を大にして言いたいのに、幸せそうなアストル様の表情と、最中喘ぎまくってしまった自分の痴態を思い出すと、なんにも言えず。
「まさかクロディーヌの方から誘ってくれるなんて思ってもいなかったけど……嬉しかった、ありがとう」
などと言われてしまえば「お礼を言われるようなことでは……」と返すだけで精一杯。
一体私の何がいけなかったの?
朝食を一緒に摂る流れから、何がどうしてこうなってしまったの!?
身体の痛みは──二回目だからか、余計なことを考える余裕がなかったからか、痛みに怯えていたのが嘘みたいに大丈夫だったけれど。
代わりに腰が……腰が砕けるかと思うほどの激痛を訴えている。
因みに今は、多分お昼過ぎ。
多分というのは、カーテンの隙間から差し込む光の加減で判断しているからで、きちんと時計を見たわけではないから。
というかお昼過ぎって……私は何時に此処へ来たのだったかしら?
それなりに早い時間だったと思うのだけれど……思い出せない。思い出したら何時間此処にいたかも否応なく分かってしまうから、そう思うと思い出したくもない。
「あの、アストル様……」
「ん?」
声を掛けると、もの凄く素敵な笑顔で返事をしてくれるアストル様。
ダメだ、言えない。
初志貫徹で愛妾の方のことを尋ねようとしたけれど、折しも夫婦の営みをした直後、しかもこんなに素敵な笑顔を向けてくる夫に振っていい話題じゃない。
今日はアストル様にその話をするつもりで早起きしたのに、私は何をやっているのか。
アストル様も、愛妾を迎えると言っていたくせに、私のことは妻として大切にするだけだと仰っていたのに、どうしてこんなにも積極的に夫婦の営みをしようとするの?
私も嫌なら断れば良いと分かってはいるのだけれど……本音を言うと嫌じゃないというか、結局はアストル様のことが好きだから拒みきれないのよね。
変に拒んで二度と手を出してもらえなかったら、それこそ子を孕むこともできなくなってしまうし。
ましてや自分からアストル様を誘うだなんて、天地がひっくり返ってもできる気がしない。恥ずかし過ぎる!
とにかく話……何としてもアストル様と普通に話をしなくては!
取り敢えず閨事から離れよう……と私が気持ちを切り替えていると、不意に玄関の方から、誰かの叫ぶような声が聞こえてきた。
「……様! アストル様ぁ! 出て来てください、アストル様ぁ!」
「なっ……こ、この声は! エイミー!?」
当然ながら私の隣にいるアストル様にも声は聞こえたようで、彼は焦ったように身体を起こす。
「エイミー?」
もしかしてそれがアストル様の愛妾の方の名前なのかしら?
初めて耳にした名前を私が思わず口にのせると、彼は面白いぐらいに顔色を変化させた。
「違うんだ! エイミーっていうのは、公爵家によく出入りしてた商人の娘のことで──」
「あなたの愛妾となられる方ですか?」
真っ青な顔で説明しようとする彼の言葉をぶった切る。
何が違うのか分からないけれど、あの声の主がアストル様の愛妾の方だというのは間違いないだろう。
何故なら、今も聞こえてくる甘ったるい響きを持つ可愛らしい声は、この前門の前で見かけた女性の姿にピッタリと一致するから。
見た目可愛く体型は魅惑的で、その上声まで可愛いなんて、天は二物どころか三物まで与えちゃってるじゃない。
一人の人に与え過ぎでは?
とつい恨めしく思ってしまうのは、彼女が私の恋敵というか、アストル様の愛妾になる方だからだろうか。
「いや、だから、その……」
私に愛妾のことを尋ねられ、ベッドの上で視線を彷徨わせ出すアストル様。
彼の動きを止めてしまった私が言うべきことではないかもしれないけれど、動き……止まってますよ?
邸に押しかけて来た愛妾の方を止めに行かなければいけないのでは?
玄関からは相変わらず騒がしい声が聞こえてくるけれど、使用人達が頑張っているようで、邸内にはまだ侵入されていないようだ。
とはいえ、このまま放っておいても使用人達が可哀想だから、対応しなければいけないわよね。
私が直接赴いても良いけれど、ここは次期侯爵の婿として、きちんとアストル様に始末をつけてもらいましょうか。
「ク、クロディーヌ、あの、俺は……」
未だ言い訳を懸命に考えているであろうアストル様の身支度を簡単に済ませ、私は彼をベッドから押し出す。
アストル様のせいで私は死にそうなほど腰が痛いのに、どうしてこんなことまでやってあげなきゃいけないの? 私はあなたのお母様じゃないんですからね!
本当にしっかりして欲しい。
「さぁアストル様、玄関に来ている方を愛妾として迎え入れるも入れないも、あなたの采配次第です。私としては……お子さえできれば文句は御座いませんので、後はお好きなようになさって下さいまし」
そんな心にもない言葉を言い放ち、寝室の扉を開くと、彼を廊下へと送り出す。
「クロディーヌ! 俺は……」
寝室の扉を閉めようとした瞬間、振り返って何かを言いかけたアストル様に無言で首を横に振ると、私は精一杯の微笑みを浮かべた。
彼が愛妾を迎えることに、罪悪感を抱くことがないように。
私が彼を好きな気持ちを悟られないように。
これ以上、彼が何も負担に感じることのないように。
微笑んで──そして、今度こそ扉を閉めようとしたのだけれど。
「やっぱり嫌だ……!」
そう言ったアストル様の言葉が耳に届くと共に、私は彼の腕の中にいたのだった──。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
タイトルの話数を漢字表記にするのが辛くなって来たので……次回から数字にします(^^;;
お気に入り登録や『いいね』、ありがとうございます!
毎日書き続けられるのは、一重に読者様の応援のおかげです!!
最終話までもう暫くお付き合いいただければと思いますm(_ _)m
目の前には、アストル様の蕩けるような優しい笑顔。
そして私の頭の下には、アストル様の逞しい腕。
私は、私は『夫婦の会話』をする為に今日は早起きしたのであって、朝っぱらからこんな破廉恥なことをする為に早起きしたわけではありません!
と声を大にして言いたいのに、幸せそうなアストル様の表情と、最中喘ぎまくってしまった自分の痴態を思い出すと、なんにも言えず。
「まさかクロディーヌの方から誘ってくれるなんて思ってもいなかったけど……嬉しかった、ありがとう」
などと言われてしまえば「お礼を言われるようなことでは……」と返すだけで精一杯。
一体私の何がいけなかったの?
朝食を一緒に摂る流れから、何がどうしてこうなってしまったの!?
身体の痛みは──二回目だからか、余計なことを考える余裕がなかったからか、痛みに怯えていたのが嘘みたいに大丈夫だったけれど。
代わりに腰が……腰が砕けるかと思うほどの激痛を訴えている。
因みに今は、多分お昼過ぎ。
多分というのは、カーテンの隙間から差し込む光の加減で判断しているからで、きちんと時計を見たわけではないから。
というかお昼過ぎって……私は何時に此処へ来たのだったかしら?
それなりに早い時間だったと思うのだけれど……思い出せない。思い出したら何時間此処にいたかも否応なく分かってしまうから、そう思うと思い出したくもない。
「あの、アストル様……」
「ん?」
声を掛けると、もの凄く素敵な笑顔で返事をしてくれるアストル様。
ダメだ、言えない。
初志貫徹で愛妾の方のことを尋ねようとしたけれど、折しも夫婦の営みをした直後、しかもこんなに素敵な笑顔を向けてくる夫に振っていい話題じゃない。
今日はアストル様にその話をするつもりで早起きしたのに、私は何をやっているのか。
アストル様も、愛妾を迎えると言っていたくせに、私のことは妻として大切にするだけだと仰っていたのに、どうしてこんなにも積極的に夫婦の営みをしようとするの?
私も嫌なら断れば良いと分かってはいるのだけれど……本音を言うと嫌じゃないというか、結局はアストル様のことが好きだから拒みきれないのよね。
変に拒んで二度と手を出してもらえなかったら、それこそ子を孕むこともできなくなってしまうし。
ましてや自分からアストル様を誘うだなんて、天地がひっくり返ってもできる気がしない。恥ずかし過ぎる!
とにかく話……何としてもアストル様と普通に話をしなくては!
取り敢えず閨事から離れよう……と私が気持ちを切り替えていると、不意に玄関の方から、誰かの叫ぶような声が聞こえてきた。
「……様! アストル様ぁ! 出て来てください、アストル様ぁ!」
「なっ……こ、この声は! エイミー!?」
当然ながら私の隣にいるアストル様にも声は聞こえたようで、彼は焦ったように身体を起こす。
「エイミー?」
もしかしてそれがアストル様の愛妾の方の名前なのかしら?
初めて耳にした名前を私が思わず口にのせると、彼は面白いぐらいに顔色を変化させた。
「違うんだ! エイミーっていうのは、公爵家によく出入りしてた商人の娘のことで──」
「あなたの愛妾となられる方ですか?」
真っ青な顔で説明しようとする彼の言葉をぶった切る。
何が違うのか分からないけれど、あの声の主がアストル様の愛妾の方だというのは間違いないだろう。
何故なら、今も聞こえてくる甘ったるい響きを持つ可愛らしい声は、この前門の前で見かけた女性の姿にピッタリと一致するから。
見た目可愛く体型は魅惑的で、その上声まで可愛いなんて、天は二物どころか三物まで与えちゃってるじゃない。
一人の人に与え過ぎでは?
とつい恨めしく思ってしまうのは、彼女が私の恋敵というか、アストル様の愛妾になる方だからだろうか。
「いや、だから、その……」
私に愛妾のことを尋ねられ、ベッドの上で視線を彷徨わせ出すアストル様。
彼の動きを止めてしまった私が言うべきことではないかもしれないけれど、動き……止まってますよ?
邸に押しかけて来た愛妾の方を止めに行かなければいけないのでは?
玄関からは相変わらず騒がしい声が聞こえてくるけれど、使用人達が頑張っているようで、邸内にはまだ侵入されていないようだ。
とはいえ、このまま放っておいても使用人達が可哀想だから、対応しなければいけないわよね。
私が直接赴いても良いけれど、ここは次期侯爵の婿として、きちんとアストル様に始末をつけてもらいましょうか。
「ク、クロディーヌ、あの、俺は……」
未だ言い訳を懸命に考えているであろうアストル様の身支度を簡単に済ませ、私は彼をベッドから押し出す。
アストル様のせいで私は死にそうなほど腰が痛いのに、どうしてこんなことまでやってあげなきゃいけないの? 私はあなたのお母様じゃないんですからね!
本当にしっかりして欲しい。
「さぁアストル様、玄関に来ている方を愛妾として迎え入れるも入れないも、あなたの采配次第です。私としては……お子さえできれば文句は御座いませんので、後はお好きなようになさって下さいまし」
そんな心にもない言葉を言い放ち、寝室の扉を開くと、彼を廊下へと送り出す。
「クロディーヌ! 俺は……」
寝室の扉を閉めようとした瞬間、振り返って何かを言いかけたアストル様に無言で首を横に振ると、私は精一杯の微笑みを浮かべた。
彼が愛妾を迎えることに、罪悪感を抱くことがないように。
私が彼を好きな気持ちを悟られないように。
これ以上、彼が何も負担に感じることのないように。
微笑んで──そして、今度こそ扉を閉めようとしたのだけれど。
「やっぱり嫌だ……!」
そう言ったアストル様の言葉が耳に届くと共に、私は彼の腕の中にいたのだった──。
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