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ゴミ掃除
「さっきのは何の音だ!」
そう先頭に立った騎士が、声を張り上げながら階段を降りてきた。
男の人の大きな声に思わず体がビクッとしてしまう。
その瞬間をさっき私が作った子に見られたけど、今の私に恥ずかしがる余裕なんてない。
……ただ、私のそんな姿を見たその子の様子が少し変わった気がした。
「――しますよ」
「ん? ……なんだお前は。どこから入ってきた」
「――ろす、殺す、コロスコロスコロスコロス」
その子は突然何かをブツブツ言い出したと思ったら、そんな物騒な言葉を何度も何度も繰り返していた。
多分、私の為に怒ってくれてるんだろうけど……なんか、言っちゃ悪いけど、怖い。
いや、なんかもうさっき降りてきた騎士なんかより、よっぽどこの子の方が怖く見えてきたよ。……なんなら、あの騎士達もあの子のただならぬ雰囲気を感じてちょっとビビってるし。
「だ、大丈夫?」
割とほんとに怖かったから、私は小さい声でそう聞いた。
「ッ、はい! 大丈夫です! 今、このゴミを掃除しますね」
するとその子は我に返った様子で、そう言った。
そしてその子の言葉を聞いた騎士たちも我に返ったようで、こんな少女に怯えていたことが恥ずかしいのか顔を真っ赤にしながら持っていた剣を抜き、先頭に立っていたやつが他のやつに何かを言うとほかの騎士たちも剣を抜き、その子に向かって振り下ろそうとした。
「騎士を舐めた事をこ――」
「黙れ。マスターの耳を汚すな」
その際何かを叫んでいるように口を開けていたけど、何故か途中までしか聞き取れなかった。
あの子も何か言ってた気がするけど、背中を向けられてるし、それは気の所為かもしれない。
私がそう不思議に思っていると、騎士達が剣を振り上げたまま一瞬だけ固まり、すぐにその場に倒れた。
「え……うわっ」
私が疑問の言葉をぶつけようとしたところで、その子が私に向かって可愛らしい笑顔で抱きついてきた。
私はびっくりして思わず一歩下がった。
「……嫌、ですか?」
私が一歩下がったのを嫌だったからと思ったのか、悲しそうにそう聞いてきた。
「びっくりしただけで、嫌な訳じゃないよ」
うん。ほんとにびっくりしただけだ。……だっていきなり騎士の人達が倒れたし。
「これ、あなたがやったの?」
私は抱きつかれながら、そう聞いた。
「はい! マスターの為ですから!」
「……死んでるの?」
「マスターが怯えていたので、殺しました。……少しだけ、ほんとに少しだけですが、私情も挟みました。……だめ、でしたか?」
さっきまで笑顔で私に抱きついてきてたのに、急にしょんぼりとして、叱られるのを怯えるかのように最後の方の声が震えていた。
……死んだ。……人が目の前で死んだ。
……ほんとに、死んでるのかな? 実感が湧かない。だって、倒れた騎士達からは血の一滴すらも流れてないんだから。
「マスター……?」
その子は私の様子が変なことに気がついたのか、私を心配するように声をかけてくれた。
「ふふっ」
私は思わず笑ってしまった。……その子はなんで私が笑ったのか分からないみたいで、首を傾げていたが、私が楽しそうだからか、その子も笑顔になった。
いや、笑うのはしょうがないよ。……だって、さっきまで私に怒られるかもって怖がってたのに、ちゃんと私のことを見てて、心配してくれたんだから……嬉しくないわけがないよ。
「さっきの話だけど、だめじゃないよ。……むしろ私のためにありがとうね」
「は、はい! 私はマスターの為に生まれてきたので、マスターの役に立つことをするのは当然です!」
そう笑顔で言ってくれた。
そう先頭に立った騎士が、声を張り上げながら階段を降りてきた。
男の人の大きな声に思わず体がビクッとしてしまう。
その瞬間をさっき私が作った子に見られたけど、今の私に恥ずかしがる余裕なんてない。
……ただ、私のそんな姿を見たその子の様子が少し変わった気がした。
「――しますよ」
「ん? ……なんだお前は。どこから入ってきた」
「――ろす、殺す、コロスコロスコロスコロス」
その子は突然何かをブツブツ言い出したと思ったら、そんな物騒な言葉を何度も何度も繰り返していた。
多分、私の為に怒ってくれてるんだろうけど……なんか、言っちゃ悪いけど、怖い。
いや、なんかもうさっき降りてきた騎士なんかより、よっぽどこの子の方が怖く見えてきたよ。……なんなら、あの騎士達もあの子のただならぬ雰囲気を感じてちょっとビビってるし。
「だ、大丈夫?」
割とほんとに怖かったから、私は小さい声でそう聞いた。
「ッ、はい! 大丈夫です! 今、このゴミを掃除しますね」
するとその子は我に返った様子で、そう言った。
そしてその子の言葉を聞いた騎士たちも我に返ったようで、こんな少女に怯えていたことが恥ずかしいのか顔を真っ赤にしながら持っていた剣を抜き、先頭に立っていたやつが他のやつに何かを言うとほかの騎士たちも剣を抜き、その子に向かって振り下ろそうとした。
「騎士を舐めた事をこ――」
「黙れ。マスターの耳を汚すな」
その際何かを叫んでいるように口を開けていたけど、何故か途中までしか聞き取れなかった。
あの子も何か言ってた気がするけど、背中を向けられてるし、それは気の所為かもしれない。
私がそう不思議に思っていると、騎士達が剣を振り上げたまま一瞬だけ固まり、すぐにその場に倒れた。
「え……うわっ」
私が疑問の言葉をぶつけようとしたところで、その子が私に向かって可愛らしい笑顔で抱きついてきた。
私はびっくりして思わず一歩下がった。
「……嫌、ですか?」
私が一歩下がったのを嫌だったからと思ったのか、悲しそうにそう聞いてきた。
「びっくりしただけで、嫌な訳じゃないよ」
うん。ほんとにびっくりしただけだ。……だっていきなり騎士の人達が倒れたし。
「これ、あなたがやったの?」
私は抱きつかれながら、そう聞いた。
「はい! マスターの為ですから!」
「……死んでるの?」
「マスターが怯えていたので、殺しました。……少しだけ、ほんとに少しだけですが、私情も挟みました。……だめ、でしたか?」
さっきまで笑顔で私に抱きついてきてたのに、急にしょんぼりとして、叱られるのを怯えるかのように最後の方の声が震えていた。
……死んだ。……人が目の前で死んだ。
……ほんとに、死んでるのかな? 実感が湧かない。だって、倒れた騎士達からは血の一滴すらも流れてないんだから。
「マスター……?」
その子は私の様子が変なことに気がついたのか、私を心配するように声をかけてくれた。
「ふふっ」
私は思わず笑ってしまった。……その子はなんで私が笑ったのか分からないみたいで、首を傾げていたが、私が楽しそうだからか、その子も笑顔になった。
いや、笑うのはしょうがないよ。……だって、さっきまで私に怒られるかもって怖がってたのに、ちゃんと私のことを見てて、心配してくれたんだから……嬉しくないわけがないよ。
「さっきの話だけど、だめじゃないよ。……むしろ私のためにありがとうね」
「は、はい! 私はマスターの為に生まれてきたので、マスターの役に立つことをするのは当然です!」
そう笑顔で言ってくれた。
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