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出会い編
第23話
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Side:ナナミ
私は、お母さんとお父さんに売られた。
……物を売るみたいに、簡単に売られた。
なんでなのかなんて分からないし、考えたくもなかった。
だから、馬車の中にも素直に……抵抗する気も何もなく、乗ったのかもしれない。
「……」
馬車に揺られる中、ふと視線を上にあげた。
理由なんて何も無い。ただ、何となく、視線を上にあげた。
すると、そこで私の目に入ってきたのは、色の無くなった世界だった。
なんでこうなったのかが、分からない。
少し前までなら、怖かったかもしれない。
でも、それも、どうでもよかった。
それからどれくらい経ったのかなんて分からない。
突然馬車が止まった。
目的地についたみたいだ。
これからどうなるんだろうという不安が一瞬心の中に渦巻いた気がしたけど、直ぐにどうでも良くなった。
「ついてこい」
大人しく私は一緒に乗っていたらしい人達に混ざってついていく。
もしもこの時、本気で逃げようとしてたのなら、私は獣人だから、逃げられたのかもしれない。
でも、そんな気力は起きなかった。
首輪をつけられ、牢の中に入れられた。
そこで改めて、私は実感してしまった。
お母さんとお父さんに、本当に売られてしまったんだと。
地面にへたり込む。
涙が流れる……というところで、さっき去っていったはずの人間が帰ってきたかと思うと、もう私の買い手が現れたらしいことを伝えてきた。
大人しくその人間の後を追う。
どうでもよかった。
誰に買われようと、私が誰よりも信頼していたお母さんとお父さんに売られたという事実は変わらないから。
そして、あっという間に私は誰かの奴隷になった。
その人の姿なんて分からない。見てないから。
誰の物になったとしても、同じだから。どうでもいいから。
「────────────」
その人が……私のことを買った人が何かを言ってきてる気がする。
でも、私の耳には何も入ってこなかった。
……そのはず、なのに、何か、暖かい気がした。まるで、私がまだ幸せだった時、いつもお庭で日向ぼっこをしていた時のような──
「……君を買った理由は……家族が欲しかったから、かな。……居ない訳じゃないんだけど、つい最近、亡くなっちゃってさ」
今度はちゃんと言葉が聞こえてきた。
「……勝手に金で買っておいて、こんなこと言ってごめんね。……その、変なことは何もしないし、君は自由にしてくれてたらいいよ。ちゃんと食料とか、寝る場所とか、そういうのは君が独り立ち出来るようになるまで、面倒見るからさ」
そこで初めて、私はその人に視線を向けた。
色は見えない……何も無い。
でも、分かることはある。
その人は……私と同じでまだ子供だった。
そして、悲しそうな顔をしていることも分かった。
「……」
「取り敢えず、食事、にでも行こうか? 君もまだ食べてない、よね?」
私とは、違う。
全然、違う。
でも、この人は──
私はその言葉にこくりと頷いた。
私は、お母さんとお父さんに売られた。
……物を売るみたいに、簡単に売られた。
なんでなのかなんて分からないし、考えたくもなかった。
だから、馬車の中にも素直に……抵抗する気も何もなく、乗ったのかもしれない。
「……」
馬車に揺られる中、ふと視線を上にあげた。
理由なんて何も無い。ただ、何となく、視線を上にあげた。
すると、そこで私の目に入ってきたのは、色の無くなった世界だった。
なんでこうなったのかが、分からない。
少し前までなら、怖かったかもしれない。
でも、それも、どうでもよかった。
それからどれくらい経ったのかなんて分からない。
突然馬車が止まった。
目的地についたみたいだ。
これからどうなるんだろうという不安が一瞬心の中に渦巻いた気がしたけど、直ぐにどうでも良くなった。
「ついてこい」
大人しく私は一緒に乗っていたらしい人達に混ざってついていく。
もしもこの時、本気で逃げようとしてたのなら、私は獣人だから、逃げられたのかもしれない。
でも、そんな気力は起きなかった。
首輪をつけられ、牢の中に入れられた。
そこで改めて、私は実感してしまった。
お母さんとお父さんに、本当に売られてしまったんだと。
地面にへたり込む。
涙が流れる……というところで、さっき去っていったはずの人間が帰ってきたかと思うと、もう私の買い手が現れたらしいことを伝えてきた。
大人しくその人間の後を追う。
どうでもよかった。
誰に買われようと、私が誰よりも信頼していたお母さんとお父さんに売られたという事実は変わらないから。
そして、あっという間に私は誰かの奴隷になった。
その人の姿なんて分からない。見てないから。
誰の物になったとしても、同じだから。どうでもいいから。
「────────────」
その人が……私のことを買った人が何かを言ってきてる気がする。
でも、私の耳には何も入ってこなかった。
……そのはず、なのに、何か、暖かい気がした。まるで、私がまだ幸せだった時、いつもお庭で日向ぼっこをしていた時のような──
「……君を買った理由は……家族が欲しかったから、かな。……居ない訳じゃないんだけど、つい最近、亡くなっちゃってさ」
今度はちゃんと言葉が聞こえてきた。
「……勝手に金で買っておいて、こんなこと言ってごめんね。……その、変なことは何もしないし、君は自由にしてくれてたらいいよ。ちゃんと食料とか、寝る場所とか、そういうのは君が独り立ち出来るようになるまで、面倒見るからさ」
そこで初めて、私はその人に視線を向けた。
色は見えない……何も無い。
でも、分かることはある。
その人は……私と同じでまだ子供だった。
そして、悲しそうな顔をしていることも分かった。
「……」
「取り敢えず、食事、にでも行こうか? 君もまだ食べてない、よね?」
私とは、違う。
全然、違う。
でも、この人は──
私はその言葉にこくりと頷いた。
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