俺の好きだった姉ちゃんのような幼馴染と俺のことを好きだと言っていた妹みたいな幼馴染の体が入れ替わってから始まるラブコメ

シュウ

文字の大きさ
11 / 59
1.再会と2人の初恋編

10.約束の日①

しおりを挟む
私がおばあちゃんの畑の手伝いを終えて、家に帰ってから時計を見ると、時刻は4時半。

約束の時間まで、もう少しだった。

私は慌てて着替えて、有里ねぇの待っているという神社の方へと向かう。

言い忘れていたかもしれないので……一応、今日は有里ねぇとの約束の日なのだ。

有里ねぇが私に大切な話ってなんだろう?

なんて思うほど私も野暮じゃない。

きっと、彼 優太のことに違いない。
 
この際、ハッキリ言っておくと私、美鈴凛津は彼のことが……好きだ。

そして、私の他にもう1人彼のことを強く想っている人がいる。

それが、有里ねぇ、椿有里香だ。

彼女も優太のことを好きだと知ったのは、優太が島から出て行ってすぐのことだった。
―――――――――――――――――――――――

『優太……行っちゃったね』

『……うん』

私はどんどん離れていく船を見ながらそう言った。

『あのさ……凛津』

『なに?』

『凛津って優太のこと好き?』

『……うん。大好き。友達じゃなくて……男の子として……』

私がそう言ってからしばらくして有里ねぇは口を開いた。

『凛津……実はね……私も好きな人出来たんだ』

その言葉に私はドキッとした。

私もその人に心当たりがあったから……

『私も……』

『優太が好きなんでしょ?』

私は有里ねぇが全て話す前にそう言った。

有里ねぇは気づかれていないと思っていたからか、私がそう口にすると、

『なっ……な、な、な、なんでわかったの!?』

なんて言いながらとても狼狽していた。

何でわかったかなんてそれは、私が有里ねぇと長い付き合いだからだ……

と言いたいところだけど、正直、誰が見てもそうだと分かったと思う。

もっとも、その相手の優太は全く気が付いていなかったっぽいけれど……。

『あのさ……有里ねぇ』

私はまだ顔を真っ赤にして「なんで分かったの!?」を連呼している有里ねぇに呼びかけた。

『なっ、何かな? 凛津?』

『私……渡さないから』

有里ねぇは、私が何を言っているのかすぐに分かったのだろう。

しばらくジタバタしていた有里ねぇは私の顔を一度見てから

『そうだね……。 私は凛津の嫌がる事はしたくない……な』

真剣な顔でそう言った。

『じゃあ、有里ねぇは諦めるの?』

私がそう言おうとした時に

『でも……』

と有里ねぇは口にした。

『でも……私も……優太が……好きで……だから。ごめん。私、今回は、お姉ちゃんとして凛津のこと応援できないや……』

『そう……だよね』

有里ねぇとこんなに真剣に話したのは初めてかもしれない。

きっと、有里ねぇも本当に優太のことが好きなんだ。

私がそう思っていると

『だからさ』

と有里ねぇが口を開いた。

『勝負……しない? 私と……凛津で』

『勝負?』

私は急に勝負と言われても何の勝負なのか分からなかったので聞き返した。

すると、有里ねぇは

『そう。勝負。私と凛津の優太をかけた勝負』

と口にした。

けど……もう、優太はここにはいないわけで……

そんな私の考えを見透かしたように有里ねぇは続けた。

『別に、今ってわけじゃないんだ。勝負するのは……そう。優太がこの島にもう一度戻ってきた時』

そんなのいつになるか分からないじゃん!それに……優太が帰ってくる確証は……

『帰ってくるよ。優太は……だって、ここには私達との思い出がたくさん詰まってるだもん』

再び有里ねぇは私の考えていることを見透かしたように言った。

『だからさ……』

『それまで待とう。ってことか……。うん、いいよ』

今度は私が、有里ねぇが全て言い終わる前にそう口にした。

それから有里ねぇは頷いて

『だから……』

それから有里ねぇはまたいつものように明るい口調に戻って、ニコッとしながら

『それまでは、いつものように私がお姉ちゃんで凛津は妹だからね!!』

そう言ったのだった。

―――――――――――――――――――――――

私が神社に着くと、有里ねぇは少し前に着いていたらしくニコニコしながら、私に手を振った。

「おーい! 凛津!」

「……」

なんというか……私は少し拍子抜けしてしまった。

昨日のメールを見た限りでは、今日はとても真剣な雰囲気で話すと思っていたのだが……

「ほらほら~! はやく!」

どうやら違っていたらしい。

私は渋々有里ねぇのいる方へと向かった。

そして、

「今も優太の事好き?」

私が有里ねぇのすぐ近くまでくるやいなや、突然そんなことを尋ねてきた。

「うん」

少々突然のことで驚いたけれど、私は有里ねぇの質問に淀みなく答えた。

それから、有里ねぇは「そっかそっか~!」なんて言いながら私の方を見て

「私も、今も好き」

と言った。

分かっていたけれど、やっぱり有里ねぇはまだ優太の事好きなんだ……

私がそう思っていると、有里ねぇは続けて

「だから……ここからは、勝負……だね」

とさっきのおちゃらけた様子から一転、静かにそう言った。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい

沢尻夏芽
恋愛
 自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。  それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。 『様子がおかしい』 ※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。  現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。  他サイトでも掲載中。

迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる

九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。 ※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

元暗殺者の俺だけが、クラスの地味系美少女が地下アイドルなことを知っている

甘酢ニノ
恋愛
クラス一の美少女・強羅ひまりには、誰にも言えない秘密がある。 実は“売れない地下アイドル”として活動しているのだ。 偶然その正体を知ってしまったのは、無愛想で怖がられがちな同級生・兎山類。 けれど彼は、泣いていたひまりをそっと励ましたことも忘れていて……。 不器用な彼女の願いを胸に、類はひまりの“支え役”になっていく。 真面目で不器用なアイドルと、寡黙だけど優しい少年が紡ぐ、 少し切なくて甘い青春ラブコメ。

陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!

みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!  杉藤千夏はツンデレ少女である。  そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。  千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。  徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い! ※他サイトにも投稿しています。 ※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。

処理中です...