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4.凛津を取り戻せ!編
37.あの時言えなかった事!?②
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「俺が好きなのはお前なんだ」
俺は一息に、そう言い切った。
静まり返った部屋の中で、俺は自分の心臓の鼓動の音がより一層早くなっていくのを感じた。
思えばこれは、俺にとって人生で初めての告白だった。
俺はチラッと凛津の方を見る。
が、依然として凛津は顔を俯けたままだった。
やっぱり……そうなるよな。
俺は一体何をやってんだろう。
そう思った時だった。
「……で」
凛津の口が少し動いた。
「え? 凛津、今なんて」
「……なんで」
そう言って凛津は顔を上げた……かと思うと
「なんで……私なの。優太は……。優太は、有里ねぇが好きなんでしょ!」
そう言いながら、俺の顔を見て声を上げた。
「……凛津、俺が好きなのは有里ねぇじゃない。お前だ」
「嘘だよ……だって、あの日の夜……」
「それは……」
一体なんて言えばいいんだ……。
俺が言い淀んでいると、凛津は再び顔を俯けた。
「やっぱり……私を慰める為の嘘なんでしょ……」
「違う……」
この質問は、答え方によっては有里ねぇを傷つけてしまうことになる。
だからこそ、慎重に言葉を選ぼうとした。
俺が凛津を傷つけてしまった事は事実だ。
でも、今ここで凛津の誤解を解くために有里ねぇまでも傷つけるのは見当違いだと思うから。
でも、一体どういう風に説明すれば……
俺が考えていると
「やっぱり……聞くんじゃなかった」
そう言いながら凛津は立ち上がった。
「まっ、待て……」
凛津はそのまま扉の方まで歩いていく。
それから
ガチャ
と音がして扉が開くと
「有里ねぇ……まだそこに居たんだ……」
「凛津……優太の言ってる事は本当だよ」
有里ねぇが扉の向こうに立っていた。
「優太が凛津を好きっていうのは本当なんだよ」
「有里ねぇまでそんな事……」
「本当なんだよ……」
そう言って、有里ねぇは凛津の目をまっすぐに捉えた。
「あの日の夜、優太はいなくなった私を探しにあの山まで来たの。その時、私は泣いてて……そんな私を優太は慰めてくれた。ただ、それだけだよ」
「そんなの……嘘だよ」
「凛津……私ね、高校卒業したらアメリカに行くんだ」
有里ねぇがそう言った直後、さっきまで俯いて有里ねぇの前に立っていた凛津の目が大きく見開かれたのが分かった。
「だから……私はそれを言い訳にして、優太に『最後の思い出を作らせて』って……それで、私からキスしたの……だから全部私が悪いの」
有里ねぇがそう言ってから、しばらく凛津は黙っていた。
それから数分が経っただろうか……
「有里ねぇ……」
初めに沈黙を破ったのは凛津だった。
「本当に……アメリカに行くの?」
「……うん」
「……どのくらい?」
「向こうで学校卒業して、それから就職とかも向こうでしようと思ってる……だから」
「帰って……来ないの?」
「しばらく帰らない……かな」
「だからさ……ごめんね凛津。変な勘違いさせちゃって……心配しなくても、私は優太の事を取ったりしないから……っ?」
そこまで言うと突然、有里ねぇが素っ頓狂な声を上げた。
無理もない。
そう言った直後、凛津が有里ねぇに抱きついたのだから。
「有里ねぇ……行かないでよ」
そう言われた有里ねぇはひどく寂しそうな顔をしていた。
「ごめんね……もう決めた事なんだ」
それから
「でも、これで分かったでしょ。優太が好きなのは私じゃなくて……凛津だってこと」
凛津の頭を撫でながら有里ねぇは静かにそう言った。
俺は一息に、そう言い切った。
静まり返った部屋の中で、俺は自分の心臓の鼓動の音がより一層早くなっていくのを感じた。
思えばこれは、俺にとって人生で初めての告白だった。
俺はチラッと凛津の方を見る。
が、依然として凛津は顔を俯けたままだった。
やっぱり……そうなるよな。
俺は一体何をやってんだろう。
そう思った時だった。
「……で」
凛津の口が少し動いた。
「え? 凛津、今なんて」
「……なんで」
そう言って凛津は顔を上げた……かと思うと
「なんで……私なの。優太は……。優太は、有里ねぇが好きなんでしょ!」
そう言いながら、俺の顔を見て声を上げた。
「……凛津、俺が好きなのは有里ねぇじゃない。お前だ」
「嘘だよ……だって、あの日の夜……」
「それは……」
一体なんて言えばいいんだ……。
俺が言い淀んでいると、凛津は再び顔を俯けた。
「やっぱり……私を慰める為の嘘なんでしょ……」
「違う……」
この質問は、答え方によっては有里ねぇを傷つけてしまうことになる。
だからこそ、慎重に言葉を選ぼうとした。
俺が凛津を傷つけてしまった事は事実だ。
でも、今ここで凛津の誤解を解くために有里ねぇまでも傷つけるのは見当違いだと思うから。
でも、一体どういう風に説明すれば……
俺が考えていると
「やっぱり……聞くんじゃなかった」
そう言いながら凛津は立ち上がった。
「まっ、待て……」
凛津はそのまま扉の方まで歩いていく。
それから
ガチャ
と音がして扉が開くと
「有里ねぇ……まだそこに居たんだ……」
「凛津……優太の言ってる事は本当だよ」
有里ねぇが扉の向こうに立っていた。
「優太が凛津を好きっていうのは本当なんだよ」
「有里ねぇまでそんな事……」
「本当なんだよ……」
そう言って、有里ねぇは凛津の目をまっすぐに捉えた。
「あの日の夜、優太はいなくなった私を探しにあの山まで来たの。その時、私は泣いてて……そんな私を優太は慰めてくれた。ただ、それだけだよ」
「そんなの……嘘だよ」
「凛津……私ね、高校卒業したらアメリカに行くんだ」
有里ねぇがそう言った直後、さっきまで俯いて有里ねぇの前に立っていた凛津の目が大きく見開かれたのが分かった。
「だから……私はそれを言い訳にして、優太に『最後の思い出を作らせて』って……それで、私からキスしたの……だから全部私が悪いの」
有里ねぇがそう言ってから、しばらく凛津は黙っていた。
それから数分が経っただろうか……
「有里ねぇ……」
初めに沈黙を破ったのは凛津だった。
「本当に……アメリカに行くの?」
「……うん」
「……どのくらい?」
「向こうで学校卒業して、それから就職とかも向こうでしようと思ってる……だから」
「帰って……来ないの?」
「しばらく帰らない……かな」
「だからさ……ごめんね凛津。変な勘違いさせちゃって……心配しなくても、私は優太の事を取ったりしないから……っ?」
そこまで言うと突然、有里ねぇが素っ頓狂な声を上げた。
無理もない。
そう言った直後、凛津が有里ねぇに抱きついたのだから。
「有里ねぇ……行かないでよ」
そう言われた有里ねぇはひどく寂しそうな顔をしていた。
「ごめんね……もう決めた事なんだ」
それから
「でも、これで分かったでしょ。優太が好きなのは私じゃなくて……凛津だってこと」
凛津の頭を撫でながら有里ねぇは静かにそう言った。
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