【完結・R18】もう、少しだけ…

もえこ

文字の大きさ
3 / 38

きっかけ

しおりを挟む
あれは数年前…
職場で年末最後の日に行われた忘年会。

仕事納めの気の緩みからか、酔っ払いが数人続出する事態となった。

彼女も例外ではなく、店の前で解散した後、彼女は隣の若い男の肩に触れそうになるくらいよろよろと身体を揺らしていた。

「わっ…大丈夫っすか…?…先輩…」
その若い男が、彼女を支える。
あの、やたらデカい男…名前、なんだったかな…そうだ、営業の宮城くんだ。

「は、い…だいじょーぶ… …あ、タクシー乗るんで…私…もう帰ります 皆さん、失礼します~ あっ…」
彼女が、再びその男にしな垂れかかるようによろめく。

もう、見ていられない
どれだけ隙があるんだ…
あんなにふらふらして…男に、襲ってくれと言っているようなものだ…

「あの、俺が一緒にっ…」
宮城が言おうとしたところに、俺が言葉を被せる。
「俺が行く…俺は彼女の家の近所だから、俺が責任をもって送るよ。だから君はもう帰りなさい。お疲れ様」

「…では、…    お願いします…」
頭を軽く下げたものの、男の視線が…少し鋭いような気がしたのは気のせいだろうか… 

だが、こんなケースでは、男が送り狼にならないとも限らない。
俺の判断は正しいはずだ…

俺は自分自身をそんな風に納得させて、彼女と一緒にタクシーに乗り込み、店を後にした。





 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

麗しき未亡人

石田空
現代文学
地方都市の市議の秘書の仕事は慌ただしい。市議の秘書を務めている康隆は、市民の冠婚葬祭をチェックしてはいつも市議代行として出かけている。 そんな中、葬式に参加していて光恵と毎回出会うことに気付く……。 他サイトにも掲載しております。

妻への最後の手紙

中七七三
ライト文芸
生きることに疲れた夫が妻へ送った最後の手紙の話。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...