10 / 38
直美
しおりを挟む
夫が、静かに寝室に消えた。
へー-- … ふー-ーん… …
あなたの演技…随分、マシに…上手に、なったじゃない…
最初の頃はかなり挙動不審だったのに、
今日はなんだか口から出てくる言葉がすらすら…かなり堂々としていて…
とても、自然な態度だったわ。
すごいわ…あなた…あなたもやっと、成長したのね…。
あなたが外で仕事の後に何をしているのか…私にはすべて、お見通し…。
あの女…
あなたの相手はあの女なんでしょう?
随分年若い…
あの…背がやたら小さいくせに…なぜだか胸だけがやたらとボリュームのある、あの若くてしたたかな女…
私とは違う、若い女の弾けんばかりのグラマーな身体…
所詮、そこだけでしょう…?水滴をはじく白肌…まあ…若さの象徴よね…
あなたは馬鹿みたいに若さに…あの小娘の若さ、それだけに惹かれたんでしょう…?
私だって昔はそうだったのに…
ああ…やっぱり、年は取りたくないわ…
寄る年波には勝てないものね…でも、もういいのよ?
私には、彼さえいれば…。
私に事あるごとに物をねだってくる、パート先の可愛い年下男子。
あの子さえいれば、私はまだ、女を頑張れそうな気がするのよ…
これからもっと努力しなきゃ…
だからもう、あなたなんて、いらない。
あなたがいつ、私に隠れて…私に上手に嘘をついて、若い女と会おうが会うまいが…
女を抱こうが囲おうがどうしようが…私にはもう、どうでもいいのよ。
でもその代わりに…私には、考えがある。
あなた…覚悟しておいて。
女は周到なのよ…男みたいに馬鹿じゃない。
もう少し…
もう、少しだけ…
あなたを自由に、私の手のひらの中で泳がせておいてあげるわ…
私は一人笑って、
グラスの中の、血のような色味の赤ワインを飲み干した…。
へー-- … ふー-ーん… …
あなたの演技…随分、マシに…上手に、なったじゃない…
最初の頃はかなり挙動不審だったのに、
今日はなんだか口から出てくる言葉がすらすら…かなり堂々としていて…
とても、自然な態度だったわ。
すごいわ…あなた…あなたもやっと、成長したのね…。
あなたが外で仕事の後に何をしているのか…私にはすべて、お見通し…。
あの女…
あなたの相手はあの女なんでしょう?
随分年若い…
あの…背がやたら小さいくせに…なぜだか胸だけがやたらとボリュームのある、あの若くてしたたかな女…
私とは違う、若い女の弾けんばかりのグラマーな身体…
所詮、そこだけでしょう…?水滴をはじく白肌…まあ…若さの象徴よね…
あなたは馬鹿みたいに若さに…あの小娘の若さ、それだけに惹かれたんでしょう…?
私だって昔はそうだったのに…
ああ…やっぱり、年は取りたくないわ…
寄る年波には勝てないものね…でも、もういいのよ?
私には、彼さえいれば…。
私に事あるごとに物をねだってくる、パート先の可愛い年下男子。
あの子さえいれば、私はまだ、女を頑張れそうな気がするのよ…
これからもっと努力しなきゃ…
だからもう、あなたなんて、いらない。
あなたがいつ、私に隠れて…私に上手に嘘をついて、若い女と会おうが会うまいが…
女を抱こうが囲おうがどうしようが…私にはもう、どうでもいいのよ。
でもその代わりに…私には、考えがある。
あなた…覚悟しておいて。
女は周到なのよ…男みたいに馬鹿じゃない。
もう少し…
もう、少しだけ…
あなたを自由に、私の手のひらの中で泳がせておいてあげるわ…
私は一人笑って、
グラスの中の、血のような色味の赤ワインを飲み干した…。
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
麗しき未亡人
石田空
現代文学
地方都市の市議の秘書の仕事は慌ただしい。市議の秘書を務めている康隆は、市民の冠婚葬祭をチェックしてはいつも市議代行として出かけている。
そんな中、葬式に参加していて光恵と毎回出会うことに気付く……。
他サイトにも掲載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる