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第2章
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お弁当屋さんについた。
時間は12時半過ぎ…
ちょうど昼時で、小さなお弁当屋さんだからと予想もしていなかったけど、まさかの行列だった。
…お腹は空いている…でもざっとみても10人以上人が並んでる…
今から並ぶとしても、20分位はかかりそうだ…
僕は迷った。
店頭を見ると、水無月さんはもちろんいなくて、60代くらいの老夫婦らしき二人が元気に店を切り盛りしていた。
いっそこの前の喫茶店に入って、そこのランチでも食べながらお弁当屋さんを遠目に眺めていようか…。
いや…でもそんなことをしたら本当にストーカーになったような…気がしてくる。
せっかく来たんだし特にやましいこともない…普通に客として並ぶか…。
僕はそう決めて最後の列の人の後ろに並んだ。
お昼にこれだけ行列ができるってことは、きっとなかなかなの味に違いない…
ちょっと店の外観からは想像できなかったけど、…人気の店だということはなんとなくうかがえた。
「唐揚げ弁当2つ!お待たせしました~」僕の2人前の人が弁当を受け取る。
前のカップルの頭を飛び越えてメニューの看板を見る。
唐揚げ、白身フライ、生姜焼き、焼肉、ビビンバ…
他にも、おかずが色々入ったデラックス弁当…とかいうのもあるみたいだ。
なるほど…なかなかバリエーションが豊富でしかも、値段が高くはない。
味にも期待できそうだ…ここから歩いて3分位のところに公園もあったから
そこのベンチで、ゆっくり食べよう…
僕はそう思って、弁当のメニューをぼうっと見つめた。
ついに、前の人が弁当を受け取り、僕の番になった。
メニューを見て、決めていた弁当を注文する。
「あの…えっと、デラックス弁当一つ、お願いします。」
「は~い。お待ちくださーい!」感じの良い、白髪交じりのにこにこした夫人が厨房に注文を伝える。
「はいよ!デラックスね…少しお待ちを~」こちらも白髪交じりのおじさんが準備を始める。
夫婦二人…かと思っていたら、奥の方に、三角巾を被った20代ぐらいのバイトらしき男性も一人いた。
商売が繁盛してるようだし、二人だけでは確かに厳しそうだな…と、中をぼんやり眺めてレジ横で待っていると
不意にすぐそばのドアが開き、中から高い声が聞こえた。
「ね…おばちゃん! あれってどこだっけ…?プリント、見なかった…?そうすけの…ないな~ …」
一人の女性が厨房横のドアからひょっこり顔を出し、その…おばちゃんの方を見た後、ゆっくりとこちらを向く。
………ヤバ………!!…
「……え……?」目を、これ以上ないほどに見開く、美波さん…みたいな女性…
でも、茶髪ロングヘアーで、長い睫毛…やっぱり眼鏡をかけていない…
この前喫茶店で見た時と、似たような身なり…変装…
強いて言えば、前に見かけた時より断然メイクが薄い…ナチュラルメイク…メイクは職場と同じ感じだ…これは間違いなく、美波さん…だ。
「さ…、笹野さ…ん…?ど…どうし…」動揺したのか、彼女の目が泳ぐ…。
「あ…こ…こんにちは、美波さん… すごい、ぐ…偶然だね… あ…はは…」僕の目も泳ぐ…。
「え…あれ…?あんたたち、知り合いなの…?ななみ…」おばちゃんも、遅れて驚く…。
なんの心の準備もなく彼女が中から出てきて、僕は自分の行動を責めた…
いないと思っていたのに… 失敗だ…いきなり、近付き過ぎ…た…
これじゃ、きっと警戒されてしまう…
一体、なんて説明すればいい…誰かうまい回答を教えて……
僕も美波さんも、しばし、言葉を忘れて、お互いを見つめあった…
時間は12時半過ぎ…
ちょうど昼時で、小さなお弁当屋さんだからと予想もしていなかったけど、まさかの行列だった。
…お腹は空いている…でもざっとみても10人以上人が並んでる…
今から並ぶとしても、20分位はかかりそうだ…
僕は迷った。
店頭を見ると、水無月さんはもちろんいなくて、60代くらいの老夫婦らしき二人が元気に店を切り盛りしていた。
いっそこの前の喫茶店に入って、そこのランチでも食べながらお弁当屋さんを遠目に眺めていようか…。
いや…でもそんなことをしたら本当にストーカーになったような…気がしてくる。
せっかく来たんだし特にやましいこともない…普通に客として並ぶか…。
僕はそう決めて最後の列の人の後ろに並んだ。
お昼にこれだけ行列ができるってことは、きっとなかなかなの味に違いない…
ちょっと店の外観からは想像できなかったけど、…人気の店だということはなんとなくうかがえた。
「唐揚げ弁当2つ!お待たせしました~」僕の2人前の人が弁当を受け取る。
前のカップルの頭を飛び越えてメニューの看板を見る。
唐揚げ、白身フライ、生姜焼き、焼肉、ビビンバ…
他にも、おかずが色々入ったデラックス弁当…とかいうのもあるみたいだ。
なるほど…なかなかバリエーションが豊富でしかも、値段が高くはない。
味にも期待できそうだ…ここから歩いて3分位のところに公園もあったから
そこのベンチで、ゆっくり食べよう…
僕はそう思って、弁当のメニューをぼうっと見つめた。
ついに、前の人が弁当を受け取り、僕の番になった。
メニューを見て、決めていた弁当を注文する。
「あの…えっと、デラックス弁当一つ、お願いします。」
「は~い。お待ちくださーい!」感じの良い、白髪交じりのにこにこした夫人が厨房に注文を伝える。
「はいよ!デラックスね…少しお待ちを~」こちらも白髪交じりのおじさんが準備を始める。
夫婦二人…かと思っていたら、奥の方に、三角巾を被った20代ぐらいのバイトらしき男性も一人いた。
商売が繁盛してるようだし、二人だけでは確かに厳しそうだな…と、中をぼんやり眺めてレジ横で待っていると
不意にすぐそばのドアが開き、中から高い声が聞こえた。
「ね…おばちゃん! あれってどこだっけ…?プリント、見なかった…?そうすけの…ないな~ …」
一人の女性が厨房横のドアからひょっこり顔を出し、その…おばちゃんの方を見た後、ゆっくりとこちらを向く。
………ヤバ………!!…
「……え……?」目を、これ以上ないほどに見開く、美波さん…みたいな女性…
でも、茶髪ロングヘアーで、長い睫毛…やっぱり眼鏡をかけていない…
この前喫茶店で見た時と、似たような身なり…変装…
強いて言えば、前に見かけた時より断然メイクが薄い…ナチュラルメイク…メイクは職場と同じ感じだ…これは間違いなく、美波さん…だ。
「さ…、笹野さ…ん…?ど…どうし…」動揺したのか、彼女の目が泳ぐ…。
「あ…こ…こんにちは、美波さん… すごい、ぐ…偶然だね… あ…はは…」僕の目も泳ぐ…。
「え…あれ…?あんたたち、知り合いなの…?ななみ…」おばちゃんも、遅れて驚く…。
なんの心の準備もなく彼女が中から出てきて、僕は自分の行動を責めた…
いないと思っていたのに… 失敗だ…いきなり、近付き過ぎ…た…
これじゃ、きっと警戒されてしまう…
一体、なんて説明すればいい…誰かうまい回答を教えて……
僕も美波さんも、しばし、言葉を忘れて、お互いを見つめあった…
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