輪廻～繰り返される運命

冥界での出来事

私は、暗い道を一人で歩いていた。
でも、不思議と恐怖感はなく、むしろ幸せすら感じ気づけば走り出していた。
その時、どこからか一筋の光が差し込んできた。
その差し込んだ光の下にウェーブがかった長い金髪を背中に長した美しく優しそうな女性が立っていた。
でも、私は、見つかってしまったと思い背を向け逃げようとすると、その女性は私の所を振り向いた。

「待ちなさい、ハデスから逃げられると思うの？彼は、この世界の支配者なのよ‼️」

その言葉に動きを止めて振り替えるとその女性はゆっくり近づいて来た。

「アフロディーテ様……。」

ギリシャ神話に出てくる愛と美の女神である。
ハデス様もギリシャ神話に出てくる冥界の王の名前だ。
私には、愛している人がいるが、ハデス様はその事実を知り激しく怒り私を閉じ込めようとしたため逃げ出してきたのだ。

「凛花……、いいえ、パンドーラこれは、前世からの業、好奇心に負け消して開けてはならない箱を開け世の中に様々な不幸をもたらしてしまった貴女の咎です。」

それを聞いて思い出した何万回もの間生と死を繰り返してきた。生まれ変わる際に、きおくは、消されるがただひとつだけ、消えない…消したくない記憶が私の中にも残っている‼️
この気持ちは、私だけのもの絶対失いたくない‼️
そう思い無意識に胸元を握りしめていた。
その様子を見た後アフロディーテ様が胸元から水晶玉を取り出し私に渡してきた。

「今の貴方なら、もう大丈夫そうね」

そう言ったのを聞いた後水晶玉を覗くと一人の男の人が閉じ込められており、その人の顔を見たとたん涙が止まらなくなり、思わず水晶玉を抱き締めていた。

「やっと‥会え…た、クロス‼️」
「あなた達に機会を与えましょう‼️彼は、その前の前世ではエピメーテウスと言う名前で貴女の夫でした。前世で貴女達夫婦は、誤った選択をしてしまいましたがその後の人生どんなに愛し合っていたとしても決して結ばれることは許されなかったけれど、貴女達は、十分罰を受けてきました、ハデスは、私が足止めしましょう、もし、私の試練を成功したならば二人は結ばれることができますが、もし、失敗すれば貴女は、この世界から消滅します。」
「その場合クロスは、どうなりますか？」

そう聞くと……。

「クロスは、貴女のことを忘れて生きるだけです。」

そう聞いた瞬間迷いはなくなった。

「それなら、その試練を受けます、どんな試練ですか？」

そう聞くと、彼女が指をならすと少し離れたところに穴が空いた。
その穴を指差しながら彼女は、こう言った。

「あの穴に入れば転生することができます、ただ、二人の記憶を消しそれでも愛し合う事ができたならこの苦痛の輪廻の輪から解放してあげるわ。さぁ、ハデスに邪魔されない内に早く‼️」

その言葉を聞くと水晶玉を握りしめて、穴に向かって走りそして飛び込んだその時、アフロディーテ様の声で…幸運を…っと聞こえた気がしたが、その時意識がどこかに引っ張られ、その衝撃で水晶玉から手を離してしまった。再度手を伸ばすも距離は開くばっかりでその時、強い力で意識を引っ張られる感覚がしたと思い目を開けた。