転生悪役魔術師は自堕落に生きたい

白雪慧流

文字の大きさ
9 / 20
本編

しおりを挟む
話数の都合上本日と明日三話公開致します。
九話十二時、十話十五時、十一話十八時の更新です。
明日も同様の時間にて三話、更新となります。
楽しんで頂けましたら幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 あほ面を晒す殿下を一瞥し、モリオンは自らが持つ、陛下に本当に渡された書類・・・・・・・・・・・・を読み上げていく。

「尚、此度の功績により、グラナート魔術師は卒業後王宮専属、魔術研究者となり、主に国の防衛に務めてもらいます」
「なっ、なっ……!」
「それから、聖女が聖女たる所以である治癒魔術ですが、魔力量も魔力コントロールも、グラナート魔術師の方が秀でており、魔法陣さえあれば行えるとのことで、聖女の地位は今までのように高くありません」

 歴代の聖女の地位は王族と同等だったらしい。そもそも治癒魔術は聖女しか扱えないからだ。
 それを、魔法陣として作り上げてしまったがために、魔力量さえあれば誰でも可能となってしまった。

 まぁそれでも、魔法陣は少々小難しい上に、綺麗に描かなければ発動すらしない、描きを間違えれば危険が伴う。
 詠唱だけで治癒魔術を行えるのはやはり聖女だけ。安全面や、魔法陣では魔力量が高くなければ結局扱えないという弊害を考えても、聖女の地位は変わらないはずであった。

 ここで問題となったのが、俺と聖女の関係性……というか、度々起こる冤罪騒ぎである。
 防衛の要である俺と、多くの国民を救える聖女。二人が手を組めれば国として良かったのだろうが、そうは問屋は卸さなかった。

「あー、一応陛下には魔法陣の危険性も、デメリット……使いにくい部分だな、も伝えた。その上で聖女がいた方がいいとは言ったんだがなぁ」
「まぁ、師匠がいれば全て無問題ですよね!」
「……治癒魔術の魔法陣の魔力量考えろ馬鹿。俺以外使えんだろうが」

 結局、治癒魔術に関しては聖女に任せるべしと陛下には進言した。理由としては、今ラドライトに言ったように、魔力量の問題である。
 とにかく高い、現状扱えるのは俺だけであり、一日一回しか使えない上にその日は他の魔術は使えない。

 有り体に言えば、ろくに使えない魔術なのである。それなら、聖女の地位をそのままに、今後は治癒の魔法陣の魔力量を減らす研究をして、聖女が居ない時代でも代わりとなる魔術師を排出できればいい。
 陛下も、その案には乗り気だったのだ、恐らく今日までは。

「魔法陣……? 何よ! 私はそんなもの知らないわっ!」
「そりゃそうでしょう、魔法陣を開発したのは師匠ですよ?」

 そう、今まで魔法陣が無かったのである。まぁ、詠唱すれば魔法が使えるのだから、特に必要なかったのだろう。
 そもそも魔術師の研究職というのは、魔術の歴史を読み解くか、魔道具を開発するかである。魔道具と言われたら魔法陣を使いそうだが、魔力が固まった魔石というモノを使い、魔石を組み合わせることによって効果を変えたものである。
 この組み合わせを研究している者が一番多く、魔術そのものの研究者が少ないのだ。ま、魔法陣というモノが発想としてなかったのだと思われる。

「だから、陛下は師匠を重宝しているのです。実の息子である殿下や、本来なら王族と並ぶ地位のある聖女よりも……ね」

 貴方達は今日、試されていたんですよと、それはもう清々しい声色でラドライトは告げた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました

無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。 前世持ちだが結局役に立たなかった。 そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。 そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。 目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。 …あれ? 僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?

おしまいのそのあとは

makase
BL
悪役令息として転生してしまった神楽坂龍一郎は、心を入れ替え、主人公のよき友人になるよう努力していた。ところがこの選択肢が、神楽坂の大切な人を傷つける可能性が浮上する。困った神楽坂は、自分を犠牲にする道を歩みかけるが……

BLゲームの悪役に転生したら攻略対象者が全員ヒロインに洗脳されてた

BL
主人公のレオンは、幼少期に前世の記憶を思い出し、この世界がBLゲームで、自身は断罪される悪役だと気づく。 断罪を回避するため、極力攻略対象者たちと関わらないように生きてきた。 ーーそれなのに。 婚約者に婚約は破棄され、 気づけば断罪寸前の立場に。 しかも理由もわからないまま、 何もしていないはずの攻略対象者達に嫌悪を向けられてーー。 ※最終的にハッピーエンド ※愛され悪役令息

ヒロインの兄は悪役令嬢推し

西楓
BL
異世界転生し、ここは前世でやっていたゲームの世界だと知る。ヒロインの兄の俺は悪役令嬢推し。妹も可愛いが悪役令嬢と王子が幸せになるようにそっと見守ろうと思っていたのに…どうして?

婚約解消されたネコミミ悪役令息はなぜか王子に溺愛される

日色
BL
大好きな王子に婚約解消されてしまった悪役令息ルジア=アンセルは、ネコミミの呪いをかけられると同時に前世の記憶を思い出した。最後の情けにと両親に与えられた猫カフェで、これからは猫とまったり生きていくことに決めた……はずなのに! なぜか婚約解消したはずの王子レオンが押しかけてきて!? 『悪役令息溺愛アンソロジー』に寄稿したお話です。全11話になる予定です。 *ムーンライトノベルズにも投稿しています。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

だから、悪役令息の腰巾着! 忌み嫌われた悪役は不器用に僕を囲い込み溺愛する

モト
BL
2024.12.11~2巻がアンダルシュノベルズ様より書籍化されます。皆様のおかげです。誠にありがとうございます。 番外編などは書籍に含まれませんので是非、楽しんで頂けますと嬉しいです。 他の番外編も少しずつアップしたいと思っております。 ◇ストーリー◇ 孤高の悪役令息×BL漫画の総受け主人公に転生した美人 姉が書いたBL漫画の総モテ主人公に転生したフランは、総モテフラグを折る為に、悪役令息サモンに取り入ろうとする。しかしサモンは誰にも心を許さない一匹狼。周囲の人から怖がられ悪鬼と呼ばれる存在。 そんなサモンに寄り添い、フランはサモンの悪役フラグも折ろうと決意する──。 互いに信頼関係を築いて、サモンの腰巾着となったフランだが、ある変化が……。どんどんサモンが過保護になって──!? ・書籍化部分では、web未公開その後の番外編*がございます。 総受け設定のキャラだというだけで、総受けではありません。CPは固定。 自分好みに育っちゃった悪役とのラブコメになります。

処理中です...