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本編
九
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話数の都合上本日と明日三話公開致します。
九話十二時、十話十五時、十一話十八時の更新です。
明日も同様の時間にて三話、更新となります。
楽しんで頂けましたら幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あほ面を晒す殿下を一瞥し、モリオンは自らが持つ、陛下に本当に渡された書類を読み上げていく。
「尚、此度の功績により、グラナート魔術師は卒業後王宮専属、魔術研究者となり、主に国の防衛に務めてもらいます」
「なっ、なっ……!」
「それから、聖女が聖女たる所以である治癒魔術ですが、魔力量も魔力コントロールも、グラナート魔術師の方が秀でており、魔法陣さえあれば行えるとのことで、聖女の地位は今までのように高くありません」
歴代の聖女の地位は王族と同等だったらしい。そもそも治癒魔術は聖女しか扱えないからだ。
それを、魔法陣として作り上げてしまったがために、魔力量さえあれば誰でも可能となってしまった。
まぁそれでも、魔法陣は少々小難しい上に、綺麗に描かなければ発動すらしない、描きを間違えれば危険が伴う。
詠唱だけで治癒魔術を行えるのはやはり聖女だけ。安全面や、魔法陣では魔力量が高くなければ結局扱えないという弊害を考えても、聖女の地位は変わらないはずであった。
ここで問題となったのが、俺と聖女の関係性……というか、度々起こる冤罪騒ぎである。
防衛の要である俺と、多くの国民を救える聖女。二人が手を組めれば国として良かったのだろうが、そうは問屋は卸さなかった。
「あー、一応陛下には魔法陣の危険性も、デメリット……使いにくい部分だな、も伝えた。その上で聖女がいた方がいいとは言ったんだがなぁ」
「まぁ、師匠がいれば全て無問題ですよね!」
「……治癒魔術の魔法陣の魔力量考えろ馬鹿。俺以外使えんだろうが」
結局、治癒魔術に関しては聖女に任せるべしと陛下には進言した。理由としては、今ラドライトに言ったように、魔力量の問題である。
とにかく高い、現状扱えるのは俺だけであり、一日一回しか使えない上にその日は他の魔術は使えない。
有り体に言えば、ろくに使えない魔術なのである。それなら、聖女の地位をそのままに、今後は治癒の魔法陣の魔力量を減らす研究をして、聖女が居ない時代でも代わりとなる魔術師を排出できればいい。
陛下も、その案には乗り気だったのだ、恐らく今日までは。
「魔法陣……? 何よ! 私はそんなもの知らないわっ!」
「そりゃそうでしょう、魔法陣を開発したのは師匠ですよ?」
そう、今まで魔法陣が無かったのである。まぁ、詠唱すれば魔法が使えるのだから、特に必要なかったのだろう。
そもそも魔術師の研究職というのは、魔術の歴史を読み解くか、魔道具を開発するかである。魔道具と言われたら魔法陣を使いそうだが、魔力が固まった魔石というモノを使い、魔石を組み合わせることによって効果を変えたものである。
この組み合わせを研究している者が一番多く、魔術そのものの研究者が少ないのだ。ま、魔法陣というモノが発想としてなかったのだと思われる。
「だから、陛下は師匠を重宝しているのです。実の息子である殿下や、本来なら王族と並ぶ地位のある聖女よりも……ね」
貴方達は今日、試されていたんですよと、それはもう清々しい声色でラドライトは告げた。
九話十二時、十話十五時、十一話十八時の更新です。
明日も同様の時間にて三話、更新となります。
楽しんで頂けましたら幸いです。
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あほ面を晒す殿下を一瞥し、モリオンは自らが持つ、陛下に本当に渡された書類を読み上げていく。
「尚、此度の功績により、グラナート魔術師は卒業後王宮専属、魔術研究者となり、主に国の防衛に務めてもらいます」
「なっ、なっ……!」
「それから、聖女が聖女たる所以である治癒魔術ですが、魔力量も魔力コントロールも、グラナート魔術師の方が秀でており、魔法陣さえあれば行えるとのことで、聖女の地位は今までのように高くありません」
歴代の聖女の地位は王族と同等だったらしい。そもそも治癒魔術は聖女しか扱えないからだ。
それを、魔法陣として作り上げてしまったがために、魔力量さえあれば誰でも可能となってしまった。
まぁそれでも、魔法陣は少々小難しい上に、綺麗に描かなければ発動すらしない、描きを間違えれば危険が伴う。
詠唱だけで治癒魔術を行えるのはやはり聖女だけ。安全面や、魔法陣では魔力量が高くなければ結局扱えないという弊害を考えても、聖女の地位は変わらないはずであった。
ここで問題となったのが、俺と聖女の関係性……というか、度々起こる冤罪騒ぎである。
防衛の要である俺と、多くの国民を救える聖女。二人が手を組めれば国として良かったのだろうが、そうは問屋は卸さなかった。
「あー、一応陛下には魔法陣の危険性も、デメリット……使いにくい部分だな、も伝えた。その上で聖女がいた方がいいとは言ったんだがなぁ」
「まぁ、師匠がいれば全て無問題ですよね!」
「……治癒魔術の魔法陣の魔力量考えろ馬鹿。俺以外使えんだろうが」
結局、治癒魔術に関しては聖女に任せるべしと陛下には進言した。理由としては、今ラドライトに言ったように、魔力量の問題である。
とにかく高い、現状扱えるのは俺だけであり、一日一回しか使えない上にその日は他の魔術は使えない。
有り体に言えば、ろくに使えない魔術なのである。それなら、聖女の地位をそのままに、今後は治癒の魔法陣の魔力量を減らす研究をして、聖女が居ない時代でも代わりとなる魔術師を排出できればいい。
陛下も、その案には乗り気だったのだ、恐らく今日までは。
「魔法陣……? 何よ! 私はそんなもの知らないわっ!」
「そりゃそうでしょう、魔法陣を開発したのは師匠ですよ?」
そう、今まで魔法陣が無かったのである。まぁ、詠唱すれば魔法が使えるのだから、特に必要なかったのだろう。
そもそも魔術師の研究職というのは、魔術の歴史を読み解くか、魔道具を開発するかである。魔道具と言われたら魔法陣を使いそうだが、魔力が固まった魔石というモノを使い、魔石を組み合わせることによって効果を変えたものである。
この組み合わせを研究している者が一番多く、魔術そのものの研究者が少ないのだ。ま、魔法陣というモノが発想としてなかったのだと思われる。
「だから、陛下は師匠を重宝しているのです。実の息子である殿下や、本来なら王族と並ぶ地位のある聖女よりも……ね」
貴方達は今日、試されていたんですよと、それはもう清々しい声色でラドライトは告げた。
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