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虚しさと焦燥感
____
婚約者のマリーベルが俺の前から姿を消した。
いきなり彼女の父親から婚約を白紙に戻したと通知があった。俺がどんなにマリーベルの事を聞いても彼女の父親は何も教えてくれなかった。
「君には娘よりも大切な女性が居るそうだね。たいそうご執心だとか。足枷の娘はもう居なくなった事だし君の好きなようにすれば良い。私達の事は今後一切君には関係無いし関わる事は無いだろう」
軽蔑の混じった冷たい瞳で俺に言い捨てたマリーベルの父親。今まで見たこともない程に辛辣な態度だった。
もの静かで穏やかでいつも俺の後ろを着いてきたマリーベル。初めて彼女と会った日の事を俺は忘れない。
『はじめましてフィリップ様わたくしはマリーベルです。これから末永く宜しくお願い申し上げます』
艷のある綺麗な長い黒髪に触れたいと思っていた。彼女の黒曜石のような神秘的な瞳に見つめられると俺は緊張して上手く話せなくなる。
そっけない態度をとる俺に優しく微笑むマリーベル。疲れていても彼女の姿を目にすれば不思議と心が癒やされた。
ああそうだ…彼女は俺の大切な女性だったんだ。
アレはほんの出来心だった。もの静かに微笑むマリーベルに物足りなさを感じた俺は元平民の男爵令嬢に興味を持った。
砕けた話し方や周りを気にしない振る舞い、感情を身体全体で表現する無邪気な可愛さ。生粋の貴族令嬢とは全く違う天真爛漫な男爵令嬢に俺はハマっていった。
「フィリップ様っ!もぉっ!ボーッとしてっ!モモの話聞いてますかぁ?」
「えっと?……ごめん。何だっけ?」
「だーかーらー!今度のお城のパーティーの事ですよっ!フィリップ様がドレスとアクセサリーと靴をプレゼントしてくれるんですよねっ!嬉しいなぁ。モモすっごく楽しみっ!」
「……パーティー」
婚約者のマリーベルが俺の前から姿を消した。
いきなり彼女の父親から婚約を白紙に戻したと通知があった。俺がどんなにマリーベルの事を聞いても彼女の父親は何も教えてくれなかった。
「君には娘よりも大切な女性が居るそうだね。たいそうご執心だとか。足枷の娘はもう居なくなった事だし君の好きなようにすれば良い。私達の事は今後一切君には関係無いし関わる事は無いだろう」
軽蔑の混じった冷たい瞳で俺に言い捨てたマリーベルの父親。今まで見たこともない程に辛辣な態度だった。
もの静かで穏やかでいつも俺の後ろを着いてきたマリーベル。初めて彼女と会った日の事を俺は忘れない。
『はじめましてフィリップ様わたくしはマリーベルです。これから末永く宜しくお願い申し上げます』
艷のある綺麗な長い黒髪に触れたいと思っていた。彼女の黒曜石のような神秘的な瞳に見つめられると俺は緊張して上手く話せなくなる。
そっけない態度をとる俺に優しく微笑むマリーベル。疲れていても彼女の姿を目にすれば不思議と心が癒やされた。
ああそうだ…彼女は俺の大切な女性だったんだ。
アレはほんの出来心だった。もの静かに微笑むマリーベルに物足りなさを感じた俺は元平民の男爵令嬢に興味を持った。
砕けた話し方や周りを気にしない振る舞い、感情を身体全体で表現する無邪気な可愛さ。生粋の貴族令嬢とは全く違う天真爛漫な男爵令嬢に俺はハマっていった。
「フィリップ様っ!もぉっ!ボーッとしてっ!モモの話聞いてますかぁ?」
「えっと?……ごめん。何だっけ?」
「だーかーらー!今度のお城のパーティーの事ですよっ!フィリップ様がドレスとアクセサリーと靴をプレゼントしてくれるんですよねっ!嬉しいなぁ。モモすっごく楽しみっ!」
「……パーティー」
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