雨実 和兎の詩集

雨実 和兎

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僕の目・エスケープ・オセロ・檻

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  僕の目



悲しい目に見えるのは

悲しいことをよく見るからだよ

よく遠くを見るのは

どこかにある平和を探しているからだよ

左右で目の形が違うのは

この世の矛盾を見ているからだよ





  エスケープ



母親は男を作って逃げた

息子は一人で育ててくれた父親から逃げた

その話を聞いて僕は君から逃げた





  オセロ



流される弱さ 耐え切り開く強さ

揺れ動く気持ちの中で絶え間なく続くゲーム

同色の裏表は無く 黒と白を裏返して

広がっていく世界 「対戦相手は誰か」って

少し厳しめな神様さ





   檻



自由を求めて家出して

其の果て男に監禁されてた

無知が罪だと言うのなら

悲しいのは飛び方を忘れ

自分の色に気付かず檻を移り渡るアオイトリ

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