雨実 和兎の詩集

雨実 和兎

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揺れる存在・時の十字架

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   揺れる存在



赤い現実の涙



淡い幻想の中で救いの手を求めてもあなたの手をつかめない



ここが現実か幻想かわからない



僕のこの手は現実



すくう事もつかむ事もこの手はできる



救いの手はこの手だったんだね



僕はここにいるんだね



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   時の十字架



時に悲しき十字架もこの背中には重さが足りない



人としての感情も罪悪感が影を差す



時に空しき十字架も釘刺す手にも痛みが足りない



人としての優しさも寂寥感の身に染みるこの気持ちも



経験としてまた時が流れるのなら



いつか心に十字架を
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