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むしコンシェルジュの業務
触らぬむし屋に祟りなし!?
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「ほたるちゃ~ん、こっちで見学しよーよぉ」
壁際の赤いベルベットソファに座って、碧ちゃんが手招きしている。
(碧ちゃん、ナイス助け舟!)
「では、ごゆっくりー」
ほたるはペコリとお辞儀をして、ささささと碧ちゃんの方へ逃げだす。
「ダメほたる、ゴキブリみたいだな」
後ろで優太君が失礼なことを言っている。
が、目の保養を見つけたほたるは、聞き流すことにした。
目の保養。それは、アンティークソファに座る碧ちゃんのことである。
(美少女とアンティークソファって、絵になり過ぎる~)
うっとりする光景。
ボルドー色のソファと碧ちゃんの水黄緑のワンピースの取り合わせもいい!
そのまま絵画になっちゃいそうな神々しさ。
「ほたるちゃんはここね~」と、横にずれた碧ちゃんが、ほたるの場所を空けてくれる。
ほたるがすとんと座ると、碧ちゃんはいつものようにぴっとりと腕を絡めてくっついてきた。
相変わらず、パーソナルスペースが狭くてドキドキする。
もしこれが水黄緑の君だったら、ドキドキしすぎて死んでしまったかもしれない。
きゅん死ならぬ、ドキ死。
碧ちゃんが可愛い笑顔をほたるに向けた。
「触らぬむし屋に祟りなしってねー。仕事中のむし屋には近づかないほうが身のためだよー。客に対して笑顔振りまいてるけど、内心神経ぴっりぴりだからさぁ」
「特に、珍しいむしを取り出すときにはね」
いつの間にか、ほたるの隣にアキアカネさんまで座っていて、思わずほたるは飛び上がった。
「あ、アキアカネさん、いつの間に?」
「ついさっき」
こともなげに言って、にっこり笑うアキアカネさん。こっちはこっちで近いんですけど。
ドキッとしたほたるの身体が、ぐいっと反対側へ引っ張られる。
「このソファは二人掛けー。定員オーバーですぅ~。シッシッ」
「残念。このソファは三人掛けだよ。それよりオオミズアオ君、うちの店の大切な見習いスタッフを誘惑しないでくれるかな」
鋭く微笑んだアキアカネさんが、ほたるの背中に手を回してぐいと引き寄せる。
「え、ちょっと、アキアカネさん?」
本気でドキ死するんですけど。
「ちょっと~、ほたるちゃんが嫌がってるじゃーん。放してよー」
負けじと碧ちゃんが、ぐいっと引っ張り返す。
「嫌がられているのは君のほうだよ」
再びアキアカネさんが引っ張り返す。綱引きの綱ってこんな気持ち?
「ちょ、ちょっと二人とも」
「うおっほん!!!」
年輪テーブルの方で、大きな咳払いがした。
「申し訳ございません。お客様、一旦失礼致します」
優太君と向かい合うように座っていた向尸井さんが、音もなく椅子から立ち上がり、きっちり斜め四十五度で、優太君にお辞儀をしている。
(なんか、嫌な予感が)
くるりと向きを変え、つかつかこちらに向かってくる向尸井さんの顔を見て「ひっ」と、ほたるは小さな悲鳴を漏らした。鬼の形相とは、まさにこの顔のこと。
「おい。そこの三バカトリオ」
向尸井さんが、ぼそりと低く唸る。
メラメラと、向尸井さんの身体から怒りのオーラが噴出中。
切れ長の二重をすっと鋭く細めて、向尸井さんが切り裂くように微笑んだ。
ぴきっと石にされたように、ほたるたちは固まる。
「これ以上騒がれるようなら、全員まとめてお引き取り願いましょうか。宇宙のかなたに」
ベルベットソファの上にピシッと正座した三人は『すみませんでした~』と土下座をしたのだった。
壁際の赤いベルベットソファに座って、碧ちゃんが手招きしている。
(碧ちゃん、ナイス助け舟!)
「では、ごゆっくりー」
ほたるはペコリとお辞儀をして、ささささと碧ちゃんの方へ逃げだす。
「ダメほたる、ゴキブリみたいだな」
後ろで優太君が失礼なことを言っている。
が、目の保養を見つけたほたるは、聞き流すことにした。
目の保養。それは、アンティークソファに座る碧ちゃんのことである。
(美少女とアンティークソファって、絵になり過ぎる~)
うっとりする光景。
ボルドー色のソファと碧ちゃんの水黄緑のワンピースの取り合わせもいい!
そのまま絵画になっちゃいそうな神々しさ。
「ほたるちゃんはここね~」と、横にずれた碧ちゃんが、ほたるの場所を空けてくれる。
ほたるがすとんと座ると、碧ちゃんはいつものようにぴっとりと腕を絡めてくっついてきた。
相変わらず、パーソナルスペースが狭くてドキドキする。
もしこれが水黄緑の君だったら、ドキドキしすぎて死んでしまったかもしれない。
きゅん死ならぬ、ドキ死。
碧ちゃんが可愛い笑顔をほたるに向けた。
「触らぬむし屋に祟りなしってねー。仕事中のむし屋には近づかないほうが身のためだよー。客に対して笑顔振りまいてるけど、内心神経ぴっりぴりだからさぁ」
「特に、珍しいむしを取り出すときにはね」
いつの間にか、ほたるの隣にアキアカネさんまで座っていて、思わずほたるは飛び上がった。
「あ、アキアカネさん、いつの間に?」
「ついさっき」
こともなげに言って、にっこり笑うアキアカネさん。こっちはこっちで近いんですけど。
ドキッとしたほたるの身体が、ぐいっと反対側へ引っ張られる。
「このソファは二人掛けー。定員オーバーですぅ~。シッシッ」
「残念。このソファは三人掛けだよ。それよりオオミズアオ君、うちの店の大切な見習いスタッフを誘惑しないでくれるかな」
鋭く微笑んだアキアカネさんが、ほたるの背中に手を回してぐいと引き寄せる。
「え、ちょっと、アキアカネさん?」
本気でドキ死するんですけど。
「ちょっと~、ほたるちゃんが嫌がってるじゃーん。放してよー」
負けじと碧ちゃんが、ぐいっと引っ張り返す。
「嫌がられているのは君のほうだよ」
再びアキアカネさんが引っ張り返す。綱引きの綱ってこんな気持ち?
「ちょ、ちょっと二人とも」
「うおっほん!!!」
年輪テーブルの方で、大きな咳払いがした。
「申し訳ございません。お客様、一旦失礼致します」
優太君と向かい合うように座っていた向尸井さんが、音もなく椅子から立ち上がり、きっちり斜め四十五度で、優太君にお辞儀をしている。
(なんか、嫌な予感が)
くるりと向きを変え、つかつかこちらに向かってくる向尸井さんの顔を見て「ひっ」と、ほたるは小さな悲鳴を漏らした。鬼の形相とは、まさにこの顔のこと。
「おい。そこの三バカトリオ」
向尸井さんが、ぼそりと低く唸る。
メラメラと、向尸井さんの身体から怒りのオーラが噴出中。
切れ長の二重をすっと鋭く細めて、向尸井さんが切り裂くように微笑んだ。
ぴきっと石にされたように、ほたるたちは固まる。
「これ以上騒がれるようなら、全員まとめてお引き取り願いましょうか。宇宙のかなたに」
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