韓劇シアター♡楽屋裏話

鶏林書笈

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旧友

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 朝鮮王朝で廟号が無い国王が二人います。第十代燕山君と十五代光海君です。
 この二人についてはドラマや映画になり、日本でも紹介されていますので御存知の方も多いと思います。
 燕山君も光海君も失政の末、臣下たちのクーデターによって玉座を追われ、悲劇的な最期を迎えるのですが、そこに至るまでの人生は異なっています。
 燕山君は、即位当初は真面目に政務に取り組んでいましたが、自身の生母が謀略によって死に至らしめられたことを知るとたがが外れたように、やりたい放題になります。
 恐らく王宮内の殺伐とした雰囲気の中で母親を亡くし孤独な少年時代を送ったため、心が病んでいたのかもしれません。ただ、同様に実父を実の祖父に殺された正祖(二十二代王)は、学問に専念することで辛い思いを忘れようとしたようです。正祖の場合は生母がいたので少し事情が異なるでしょう。
 光海君の場合は、朝廷内の勢力争いの結果といえるのではないでしょうか。王といえども絶対的な権力を振るうことが出来ず、臣下同士の争いに巻き込まれてしまうのです。
 現在、光海君の施政についてはそれなりに評価されていますので、王朝がもう少し長く続いていたら、端宗(六代王)のように後世に廟号が贈られたかもしれませんね。
 さて、やっと本題です(笑)
 「旧友」の主人公は、燕山君、光海君のどちらでしょうか。
 実は、執筆時、特に意識していませんでした。どちらでも該当します。
  燕山君は違うだろうとおっしゃる方もいるかと思いますが、彼は詩才があり、配流されて正気になった時、こうした思いになった可能性もあるからです。
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