37 / 70
2章 デビュー戦
36話 夏の森陸上部の文化
しおりを挟む
地区予選2日目、最終日。
初日に続いて快晴で、グラウンドコンディションは上々だ。
しかし、陽子と伊緒、花火のテンションは曇り空だった。
早めに到着した3人は、競技場を見上げながらハァとため息をつく。
「陽子、寝れた?」
「一応寝はしたけど、いまいちテンションがなぁ」
「伊緒さんと私は昨日で出番終わりですが、陽子さんは今日も出番があるじゃないですか! 元気出してください!」
「そうよ陽子、200mで都大会目指すんでしょ」
「そうなんだけどさぁ……昨日の終わりがあれじゃあなぁ」
「それはまぁ……」
「はい……」
3人揃って、どよんと落ち込む。
昨日の帰り道はお通夜モードだった。
四継の決勝、瑠那が入ったこともあって、ベスト記録を1秒以上更新した46秒66。
4人ともがベストを尽くした結果の好タイム、関東大会でも、いや、全国でも十分通用するような記録だ。
地区予選にしては、あまりにもハイレベルな戦いだった。
しかし、夏の森は負けた。
自分達だけの名誉を背負い、ただ負けただけならば、さして気落ちはしなかっただろう。
都大会には余裕で行けるのだ、準優勝は悔しくても、記録を考えればむしろ上出来だ。
しかし、昨日のレース、夏の森はロリ先生の名誉を背負って走った。
自分達を信じて見栄を切った先生が間違っていないと証明したかった。
ただ勝利だけを求める立身大付属のやり方には負けないと、証明したかった。
しかし、それは成らなかった。
ロリ先生は必死に励ましたが、リレーメンバーも、応援をしていた陽子達も、誰一人として晴れた気持ちで喜べはしなかった。
「リレー走ってない私達が落ち込んでたら、余計にいけない。って分かってはいるんだけど……切り替えられないよなぁ」
「でも先輩達が来たら、気分切り替えて挨拶だけでも元気にしなきゃ」
「そうですよ、今日はマイルもあるんです。出場しない私達が盛り上げていかないと!」
「よしっ、そうだな! 気分上げていこう!」
よしっ! と3人で気合を入れ直す。
すると、瑠那と麻矢が現れる。
「おはよう。なんだ、みんなだいぶ早いな。まだ競技場開くまでだいぶあるぞ」
「おはよーっ! なんだい、気合入ってんねぇ?!」
昨日とは打って変わって元気な麻矢に驚く。
瑠那のテンションはいつも通りだが、少なくとも落ち込んでいる様子はない。
2人の様子に陽子達は安堵した。
「私と花火は出場種目ないので、早めに来て何かお手伝いできればなと」
「私は家が近所なので、伊緒と花火に合わせて来たんです」
「お、ありがたいねー。じゃあ早速、荷物番お願いしちゃおうかな。ちょっと身体あっためてくるわ」
麻矢はそう言って伊緒と花火に荷物を預けると、軽く身体を動かしに出掛けた。
「おはよー。あれ、麻矢は? もう着いたって連絡来てたけど」
「身体あっためるって、走りに行っちゃいました」
「みんなおはよう。麻矢ちゃん、朝から随分とやる気満々じゃない?」
「じっとしていられないだけじゃないの? 麻矢、負けたレースの翌日っていつもこんな感じ。分かりやすいんだから」
美咲と香織が合流し、麻矢の残した荷物を見ながら話す。
この2人もいつも通り、3年生らしい(麻矢は例外だが)落ち着いた雰囲気で、落ち込んだ様子は見せない。
その後続々と部員が集まり、競技場が開く少し前にロリ先生を含めてミーティングをした。
「みんなおはよう! 今日は200mと800m、そしてマイルだな! レース当日だ、いつも通り多くは言わん。ただ、楽しんで走ってこい!」
「「はい!」」
簡単な情報共有だけすると、ロリ先生は早々にミーティングを切り上げて運営の仕事に向かった。
部員も初日に設営した拠点へ荷物を置いてから、すぐにウォームアップへ向かう。
「なんか、思ったより先輩達、立ち直り早いんですね。やっぱり経験と実績がある分、私よりメンタルも強いっていうか」
陽子は一緒に200mに出場する美咲、瑠那とトラックをジョグしながら言った。
「それはもちろん、昨日のレースは落ち込んだけどね。でもうちは、ネガティブな感情の翌日持ち越しは、しないようにしているの。特にそうしようって言われてるわけじゃないんだけど、昔からそうなんだって。私の先輩もそうだったし、その先輩の先輩も。だから、いつも朝になったら明るく元気に、走ることを楽しもうって気持ちで競技場に来るの。先輩達のそういう姿を見てると、自分もそうしよう! って自然となったのよね」
「走ることを楽しむ。夏の森らしい、いい文化だと思います」
笑顔で語る美咲に、珍しく瑠那が真剣にうなずいて相槌を打っている。
「それに私達がレースを楽しんで、その上で勝つことが、ロリ先生が間違ってない。っていう証明になるから。ね、だから2人も今日は楽しみましょ?」
昨日の敗北を、美咲も、他の上級生も忘れているわけではない。
しかしその上で、あえて走りを、レースを、楽しもうとしているのだ。
「それでこそ、私が選んだチームです」
「あぁ、だな!」
陽子は瑠那の気持ちを察する。
おそらく、瑠那も入学前にいくつか学校を調査したのだろう。
当時の夏の森が地区で最強とはいえ、これからがどうかは分からない。
瑠那にとって大事だったのは、仲間達と楽しく走れる、そして成長できる環境。
一人ぼっちで走ってきたからこそ、仲間や、楽しさ、そういったものに重きを置いたのだろう。
そしてこうした文化が根付いているからこそ、瑠那は夏の森の陸上部を選んだのだ。
(だったらなおさら……その選択が間違いじゃなかったって、示さないといけないな)
瑠那は、ロリ先生と上級生のいる陸上部を見て、夏の森を選んだ。
それは次に入部してくる者達も、文化を継ぎ、同じように走りを楽しめる者達だと信じられたから。
それだけの文化が、脈々と受け継がれてきたことを肌で感じたのだろう。
だったら、陽子は瑠那の期待に応えなければならない。
夏の森陸上部の部員として、同期として、仲間として、そして、いずれはライバルとして。
「200m……都大会、絶対行きましょう。3人全員で。立身大付属より上の順位で」
やや自信のなかった200mだが、勢いにまかせて陽子は宣言する。
一番実力の低い、なんなら都大会出場できるかはお前次第だよ! と笑われかねない発言だが、瑠那と美咲は笑わない。
陽子の発言にまったく動じず、真剣に受け止めた上で、瑠那と美咲は同意して目標を宣言した。
「当然だ。私は本田宗を倒して、優勝する」
「じゃあ私は、松下幸さんに勝って3着狙いね。才能の差はあるけど、2年相手だもの、上級生として勝ちに行くわ」
「じゃあ私は……あれ、あそこの200mの3番手って誰だろ?」
陽子も流れに合わせて格好良く宣言するつもりが、上手く決まらない。
「あーあそこのレギュラー、しょっちゅう変わるのよね。あとで確認しないと分からないわ」
「四継の3走は100mだけのエントリーだったし、未知の選手だと思うぞ」
「あら、それはお楽しみね。でもあそこは200mが強いから、いずれにせよ決勝に残る実力はあると思うわよ」
「え、えぇ~!? と、とりあえず、3番手に勝って都大会に行く!」
格好はつかなかったが、陽子もなんとか宣言をした。
美咲はくすくすと笑い、瑠那はゴーグルで表情は見えないが、口元だけ少し緩んでいた。
初日に続いて快晴で、グラウンドコンディションは上々だ。
しかし、陽子と伊緒、花火のテンションは曇り空だった。
早めに到着した3人は、競技場を見上げながらハァとため息をつく。
「陽子、寝れた?」
「一応寝はしたけど、いまいちテンションがなぁ」
「伊緒さんと私は昨日で出番終わりですが、陽子さんは今日も出番があるじゃないですか! 元気出してください!」
「そうよ陽子、200mで都大会目指すんでしょ」
「そうなんだけどさぁ……昨日の終わりがあれじゃあなぁ」
「それはまぁ……」
「はい……」
3人揃って、どよんと落ち込む。
昨日の帰り道はお通夜モードだった。
四継の決勝、瑠那が入ったこともあって、ベスト記録を1秒以上更新した46秒66。
4人ともがベストを尽くした結果の好タイム、関東大会でも、いや、全国でも十分通用するような記録だ。
地区予選にしては、あまりにもハイレベルな戦いだった。
しかし、夏の森は負けた。
自分達だけの名誉を背負い、ただ負けただけならば、さして気落ちはしなかっただろう。
都大会には余裕で行けるのだ、準優勝は悔しくても、記録を考えればむしろ上出来だ。
しかし、昨日のレース、夏の森はロリ先生の名誉を背負って走った。
自分達を信じて見栄を切った先生が間違っていないと証明したかった。
ただ勝利だけを求める立身大付属のやり方には負けないと、証明したかった。
しかし、それは成らなかった。
ロリ先生は必死に励ましたが、リレーメンバーも、応援をしていた陽子達も、誰一人として晴れた気持ちで喜べはしなかった。
「リレー走ってない私達が落ち込んでたら、余計にいけない。って分かってはいるんだけど……切り替えられないよなぁ」
「でも先輩達が来たら、気分切り替えて挨拶だけでも元気にしなきゃ」
「そうですよ、今日はマイルもあるんです。出場しない私達が盛り上げていかないと!」
「よしっ、そうだな! 気分上げていこう!」
よしっ! と3人で気合を入れ直す。
すると、瑠那と麻矢が現れる。
「おはよう。なんだ、みんなだいぶ早いな。まだ競技場開くまでだいぶあるぞ」
「おはよーっ! なんだい、気合入ってんねぇ?!」
昨日とは打って変わって元気な麻矢に驚く。
瑠那のテンションはいつも通りだが、少なくとも落ち込んでいる様子はない。
2人の様子に陽子達は安堵した。
「私と花火は出場種目ないので、早めに来て何かお手伝いできればなと」
「私は家が近所なので、伊緒と花火に合わせて来たんです」
「お、ありがたいねー。じゃあ早速、荷物番お願いしちゃおうかな。ちょっと身体あっためてくるわ」
麻矢はそう言って伊緒と花火に荷物を預けると、軽く身体を動かしに出掛けた。
「おはよー。あれ、麻矢は? もう着いたって連絡来てたけど」
「身体あっためるって、走りに行っちゃいました」
「みんなおはよう。麻矢ちゃん、朝から随分とやる気満々じゃない?」
「じっとしていられないだけじゃないの? 麻矢、負けたレースの翌日っていつもこんな感じ。分かりやすいんだから」
美咲と香織が合流し、麻矢の残した荷物を見ながら話す。
この2人もいつも通り、3年生らしい(麻矢は例外だが)落ち着いた雰囲気で、落ち込んだ様子は見せない。
その後続々と部員が集まり、競技場が開く少し前にロリ先生を含めてミーティングをした。
「みんなおはよう! 今日は200mと800m、そしてマイルだな! レース当日だ、いつも通り多くは言わん。ただ、楽しんで走ってこい!」
「「はい!」」
簡単な情報共有だけすると、ロリ先生は早々にミーティングを切り上げて運営の仕事に向かった。
部員も初日に設営した拠点へ荷物を置いてから、すぐにウォームアップへ向かう。
「なんか、思ったより先輩達、立ち直り早いんですね。やっぱり経験と実績がある分、私よりメンタルも強いっていうか」
陽子は一緒に200mに出場する美咲、瑠那とトラックをジョグしながら言った。
「それはもちろん、昨日のレースは落ち込んだけどね。でもうちは、ネガティブな感情の翌日持ち越しは、しないようにしているの。特にそうしようって言われてるわけじゃないんだけど、昔からそうなんだって。私の先輩もそうだったし、その先輩の先輩も。だから、いつも朝になったら明るく元気に、走ることを楽しもうって気持ちで競技場に来るの。先輩達のそういう姿を見てると、自分もそうしよう! って自然となったのよね」
「走ることを楽しむ。夏の森らしい、いい文化だと思います」
笑顔で語る美咲に、珍しく瑠那が真剣にうなずいて相槌を打っている。
「それに私達がレースを楽しんで、その上で勝つことが、ロリ先生が間違ってない。っていう証明になるから。ね、だから2人も今日は楽しみましょ?」
昨日の敗北を、美咲も、他の上級生も忘れているわけではない。
しかしその上で、あえて走りを、レースを、楽しもうとしているのだ。
「それでこそ、私が選んだチームです」
「あぁ、だな!」
陽子は瑠那の気持ちを察する。
おそらく、瑠那も入学前にいくつか学校を調査したのだろう。
当時の夏の森が地区で最強とはいえ、これからがどうかは分からない。
瑠那にとって大事だったのは、仲間達と楽しく走れる、そして成長できる環境。
一人ぼっちで走ってきたからこそ、仲間や、楽しさ、そういったものに重きを置いたのだろう。
そしてこうした文化が根付いているからこそ、瑠那は夏の森の陸上部を選んだのだ。
(だったらなおさら……その選択が間違いじゃなかったって、示さないといけないな)
瑠那は、ロリ先生と上級生のいる陸上部を見て、夏の森を選んだ。
それは次に入部してくる者達も、文化を継ぎ、同じように走りを楽しめる者達だと信じられたから。
それだけの文化が、脈々と受け継がれてきたことを肌で感じたのだろう。
だったら、陽子は瑠那の期待に応えなければならない。
夏の森陸上部の部員として、同期として、仲間として、そして、いずれはライバルとして。
「200m……都大会、絶対行きましょう。3人全員で。立身大付属より上の順位で」
やや自信のなかった200mだが、勢いにまかせて陽子は宣言する。
一番実力の低い、なんなら都大会出場できるかはお前次第だよ! と笑われかねない発言だが、瑠那と美咲は笑わない。
陽子の発言にまったく動じず、真剣に受け止めた上で、瑠那と美咲は同意して目標を宣言した。
「当然だ。私は本田宗を倒して、優勝する」
「じゃあ私は、松下幸さんに勝って3着狙いね。才能の差はあるけど、2年相手だもの、上級生として勝ちに行くわ」
「じゃあ私は……あれ、あそこの200mの3番手って誰だろ?」
陽子も流れに合わせて格好良く宣言するつもりが、上手く決まらない。
「あーあそこのレギュラー、しょっちゅう変わるのよね。あとで確認しないと分からないわ」
「四継の3走は100mだけのエントリーだったし、未知の選手だと思うぞ」
「あら、それはお楽しみね。でもあそこは200mが強いから、いずれにせよ決勝に残る実力はあると思うわよ」
「え、えぇ~!? と、とりあえず、3番手に勝って都大会に行く!」
格好はつかなかったが、陽子もなんとか宣言をした。
美咲はくすくすと笑い、瑠那はゴーグルで表情は見えないが、口元だけ少し緩んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
日本国破産?そんなことはない、財政拡大・ICTを駆使して再生プロジェクトだ!
黄昏人
SF
日本国政府の借金は1010兆円あり、GDP550兆円の約2倍でやばいと言いますね。でも所有している金融性の資産(固定資産控除)を除くとその借金は560兆円です。また、日本国の子会社である日銀が460兆円の国債、すなわち日本政府の借金を背負っています。まあ、言ってみれば奥さんに借りているようなもので、その国債の利子は結局日本政府に返ってきます。え、それなら別にやばくないじゃん、と思うでしょう。
でもやっぱりやばいのよね。政府の予算(2018年度)では98兆円の予算のうち収入は64兆円たらずで、34兆円がまた借金なのです。だから、今はあまりやばくないけど、このままいけばドボンになると思うな。
この物語は、このドツボに嵌まったような日本の財政をどうするか、中身のない頭で考えてみたものです。だから、異世界も超能力も出てきませんし、超天才も出現しません。でも、大変にボジティブなものにするつもりですので、楽しんで頂ければ幸いです。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
メイドが世界を救った話
Masa&G
ファンタジー
世界を救った英雄ブラン=ハーメル。
今では王都で、すっかりぐーたらな生活を送っている。
そんな彼の世話役になったのは、
19歳のメイド、モニカ=ハブレット。
かつて英雄に憧れた少女と、
かつて英雄だった男――
文句を言いながら洗濯をして、
ため息をつきながらも、今日も世話は続いていく。
――やがて再び、ドラゴンの影が現れる。
これは、メイドと元英雄の少し不器用で、少しあたたかい物語。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる