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森の魔女を殺した理由(完結編)
第1話 魔女狩り
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いつものように夕食を作っていると、リエースが急に険しい表情になった。
「クリロ、地下室でこのリストの通りに素材の整理をして来てくれないか」
「いいけど、急にどうかした?」
「いや、大したことでは無いさ。さぁ、夕食の前に済ませてしまってくれ」
そう言うと、リエースはクリロを地下室へ追いやった。
クリロは不思議そうにしていたが、黙って従った。
「さて……私も夕食の前に済ませなくてはな」
リエースはマントを羽織り、クリロに気付かれぬように静かに家を出ると街へ続く小道を進んだ。
しばらく進むと、小道を歩いて来る騎士達が現れた。
よく磨かれた装備に上質な服、いずれも裕福な出身と分かる佇まいだ。
松明をかざして歩いていた先頭の騎士がリエースに気付くと、急いで剣を抜きながら言った。
「おい! お前が森の魔女か!」
「いかにも。お前達がそう呼ぶ存在は私だ。何か用かね?」
リエースは落ち着き払った態度で訊くが、騎士達は全員が剣を抜いている。
彼らの額には脂汗が浮かび、剣を持つ手は小刻みに震えていた。
「私は聖騎士ユリウス! 貴様のような魔女がのさばることを是としない者だ! ここにいる他の者達も同様。今こそ、我ら人の手による裁きを下す!」
剣を振りながら叫ぶユリウスはまだ若く、戦闘の経験も浅そうに見えた。
しかしリエースを打ち倒すという意思は固いようで、他の騎士達同様に明確な敵意を見せている。
「まったく、震えているぞ? それに、人の手による裁きか……私も人の端くれではあると思っていたのだが、どうやらそうは思われていないようだ。最後に一つ訊くが、私は何をもって裁かれるのかね?」
「ふん、自分の罪も分からぬか! 貴様は生きているだけで悪だということだ、分かったら軽々しく口を開くな! 私を誰だと思っているんだ!」
リエースはやれやれ。といった風に言うと、杖を抜いた。
「私はあまりこういうのは好きではないのだが……自衛はさせてもらおう」
「おいっ! 魔女が杖を抜いたぞ!」
「あぁ分かってる! 全員で同時に行くぞ!」
「いいか、一緒にだぞ!?」
騎士達は明らかにリエースを怖れているが、お互いの目の手前、プライドもあるのだろう。
じりじりとリエースを取り囲むように足を進める。
「うぉぉぉぉ! 正義の裁きを!」
取り囲んだ後に、一斉に騎士達がリエースに切りかかる。
しかし次の瞬間、地面が盛り上がると木の根がリエースの周りに壁を作った。
「なんだ!? 壁がっ」
「魔法だ! 木の根で壁ができてる!」
初めて魔法を見る騎士達は驚き、その目は恐怖に染まっていた。
リエースが杖を振るうと、木の根の壁は取り囲んでいた騎士達を薙ぎ払った。
「ぐぁっ!」
「ユリウス、どうする!? 全く歯が立たないぞ!」
「馬鹿野郎、このまま帰れば笑いものだぞ! そもそも勝手に来ているんだ、手ぶらでは帰れん!」
騎士達は、それぞれが街の若い貴族である。
野心から魔女を討伐し名を挙げようと考えたが、当然の如く親達には許されなかった。
リエースの薬によって街が支えられているという側面がある以上、討伐など許す訳が無いのだ。
しかし、未だ当主としての勉強が途中である騎士達にはそれが分からない。
若さ特有の軽はずみな考えと、甘やかされて育ったが故のプライドの高さが彼らを動かす。
リエースは度々、そういった者達を相手にしていたが、余程のことが無ければ生かして帰していた。
しかし中には森を脅かそうとする者もあり、リエースはそういった者には容赦しなかった。
今日の騎士達はどちらだろうか。
おそらく、プライドを折られながらも命惜しさに街へ逃げ帰るだろう。
夕食までには片付けて家に帰らねば、クリロに心配されてしまう。
そうリエースが考えていると、背後から走って来る足音が聞こえた。
「なっ、クリロ!?」
「リエースをいじめるなぁぁぁ!」
斧を握ったクリロが騎士に切りかかる。
間一髪で避ける騎士だったが、突然の乱入には心底驚いたようだ。
他の騎士達も口を開け、唖然としている。
「おい、少年。何故魔女に加勢する? 貴様は人間ではないのか!」
「黙れ、僕もリエースも人間だ!」
騎士達はあまりに想定外の出来事だった為か何も言えない。
ようやく思考がまとまったユリウスは口を開くと、剣を向けて言った。
「そうかそうか、つまりお前は魔女の弟子……そういうことだな? 私達に仇なす裏切者……挙句、同じ人間だと? 一緒にするな!」
そう叫ぶと、一気に間合いを詰めてクリロに切りかかる。
クリロは斧で剣を受け止めたが、背後に気配を感じた。
「死ねぇっ!」
ユリウスの剣を受け止めていたクリロの背中に、騎士の剣が振り下ろされた。
「クリロ、地下室でこのリストの通りに素材の整理をして来てくれないか」
「いいけど、急にどうかした?」
「いや、大したことでは無いさ。さぁ、夕食の前に済ませてしまってくれ」
そう言うと、リエースはクリロを地下室へ追いやった。
クリロは不思議そうにしていたが、黙って従った。
「さて……私も夕食の前に済ませなくてはな」
リエースはマントを羽織り、クリロに気付かれぬように静かに家を出ると街へ続く小道を進んだ。
しばらく進むと、小道を歩いて来る騎士達が現れた。
よく磨かれた装備に上質な服、いずれも裕福な出身と分かる佇まいだ。
松明をかざして歩いていた先頭の騎士がリエースに気付くと、急いで剣を抜きながら言った。
「おい! お前が森の魔女か!」
「いかにも。お前達がそう呼ぶ存在は私だ。何か用かね?」
リエースは落ち着き払った態度で訊くが、騎士達は全員が剣を抜いている。
彼らの額には脂汗が浮かび、剣を持つ手は小刻みに震えていた。
「私は聖騎士ユリウス! 貴様のような魔女がのさばることを是としない者だ! ここにいる他の者達も同様。今こそ、我ら人の手による裁きを下す!」
剣を振りながら叫ぶユリウスはまだ若く、戦闘の経験も浅そうに見えた。
しかしリエースを打ち倒すという意思は固いようで、他の騎士達同様に明確な敵意を見せている。
「まったく、震えているぞ? それに、人の手による裁きか……私も人の端くれではあると思っていたのだが、どうやらそうは思われていないようだ。最後に一つ訊くが、私は何をもって裁かれるのかね?」
「ふん、自分の罪も分からぬか! 貴様は生きているだけで悪だということだ、分かったら軽々しく口を開くな! 私を誰だと思っているんだ!」
リエースはやれやれ。といった風に言うと、杖を抜いた。
「私はあまりこういうのは好きではないのだが……自衛はさせてもらおう」
「おいっ! 魔女が杖を抜いたぞ!」
「あぁ分かってる! 全員で同時に行くぞ!」
「いいか、一緒にだぞ!?」
騎士達は明らかにリエースを怖れているが、お互いの目の手前、プライドもあるのだろう。
じりじりとリエースを取り囲むように足を進める。
「うぉぉぉぉ! 正義の裁きを!」
取り囲んだ後に、一斉に騎士達がリエースに切りかかる。
しかし次の瞬間、地面が盛り上がると木の根がリエースの周りに壁を作った。
「なんだ!? 壁がっ」
「魔法だ! 木の根で壁ができてる!」
初めて魔法を見る騎士達は驚き、その目は恐怖に染まっていた。
リエースが杖を振るうと、木の根の壁は取り囲んでいた騎士達を薙ぎ払った。
「ぐぁっ!」
「ユリウス、どうする!? 全く歯が立たないぞ!」
「馬鹿野郎、このまま帰れば笑いものだぞ! そもそも勝手に来ているんだ、手ぶらでは帰れん!」
騎士達は、それぞれが街の若い貴族である。
野心から魔女を討伐し名を挙げようと考えたが、当然の如く親達には許されなかった。
リエースの薬によって街が支えられているという側面がある以上、討伐など許す訳が無いのだ。
しかし、未だ当主としての勉強が途中である騎士達にはそれが分からない。
若さ特有の軽はずみな考えと、甘やかされて育ったが故のプライドの高さが彼らを動かす。
リエースは度々、そういった者達を相手にしていたが、余程のことが無ければ生かして帰していた。
しかし中には森を脅かそうとする者もあり、リエースはそういった者には容赦しなかった。
今日の騎士達はどちらだろうか。
おそらく、プライドを折られながらも命惜しさに街へ逃げ帰るだろう。
夕食までには片付けて家に帰らねば、クリロに心配されてしまう。
そうリエースが考えていると、背後から走って来る足音が聞こえた。
「なっ、クリロ!?」
「リエースをいじめるなぁぁぁ!」
斧を握ったクリロが騎士に切りかかる。
間一髪で避ける騎士だったが、突然の乱入には心底驚いたようだ。
他の騎士達も口を開け、唖然としている。
「おい、少年。何故魔女に加勢する? 貴様は人間ではないのか!」
「黙れ、僕もリエースも人間だ!」
騎士達はあまりに想定外の出来事だった為か何も言えない。
ようやく思考がまとまったユリウスは口を開くと、剣を向けて言った。
「そうかそうか、つまりお前は魔女の弟子……そういうことだな? 私達に仇なす裏切者……挙句、同じ人間だと? 一緒にするな!」
そう叫ぶと、一気に間合いを詰めてクリロに切りかかる。
クリロは斧で剣を受け止めたが、背後に気配を感じた。
「死ねぇっ!」
ユリウスの剣を受け止めていたクリロの背中に、騎士の剣が振り下ろされた。
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