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惑星イオ 光国編
第68話 地の精霊契約
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イザーナと地の超位精霊ロックウェルとの契約が、今まさに始まろうとしていた。
ロックウェルが静かに語りかける。
「さて、契約を始めよう。イザーナよ、不死鳥の杖を掲げなさい」
「はい」
イザーナが杖を高く掲げると、ロックウェルが低く力強く呟いた。
「――テラクエイク」
その瞬間、地の精霊の力を宿した茶色い魔力の球がロックウェルから現れ、イザーナの手にある不死鳥の杖へと吸い込まれていく。そして、茶色く輝く不死鳥が現れ、空間に投影される。
「今回は茶色なんですね……」エレノアが呟く。
「綺麗だわ~」エリアが感嘆の声を漏らす。
やがて不死鳥は消え、契約は無事完了した。
「これで残るは風、光、そして闇ですね……。でも、闇の精霊とも契約するんですか?」 エリアが問いかける。
「もちろんだ。だが闇は最後になる。魔王の城を越えた、闇の塔に潜んでいるからな」エバが答える。
「闇の塔って……名前からして危ないです」
「ふん、俺は勇者様に仕えるために来たんだ。魔族だろうが魔王だろうが、かかってこいだ」オレクが拳を握りしめる。
「心強いな、だが魔王は最低でもSSランクの存在。ブートキャンプは、時間が許す限り続けるぞ」エバが鋭く告げた。
「ひ、ひぇぇ……」エレノアの顔が青ざめる。
契約の儀が終わり、一行は地上へ戻り渓谷に積もる砂を取り除くことにした。
「空さん、頼めますか?」とエバが声をかける。
「わかりました」
「本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。戻ったらミアを呼んで、ダイセツキャニオンの砂を取り除かないとね」
地上へ戻った一行は、世界銀行本店の入口、胸像の前で集合し。ほどなくして、ライガーがミアを連れて現れる。
「お~、ここがダイセツキャニオン!まるで砂漠だね~」ミアが目を輝かせる。
「本来は美しい渓谷だった。だがベルゼブブに逆らった後、虫たちが姿を消し、この有様だ」ライガーが苦々しげに語った。
「ライガーは悪くないよ~。よし、じゃあ渓谷の岩山と地面を守ればいいんだね~、空にぃ」
「うん、それで大丈夫。砂だけを吸い込むから」
「じゃあ、ライガー、空に飛んで~」
ミアを背に乗せ、ライガーは宙へと舞い上がった。
「ダイセツキャニオン地形スキャン! 防護膜を展開!」
防護膜が岩山と地面を守り、砂だけが除去されるよう仕掛けが張られた。
「空にぃ~、防護膜のデータ送るよ~」
(念話……いや、これは完全にデータ通信だな)空が軽く笑い、理解の意を送った。
「ライガー、渓谷に残っている動物たちを一時的に退避させられるか?」
「威圧で試してみましょう。耳を塞いでください」
全員が耳を押さえると、ライガーが吠えた。
「――獅子王の咆哮!!」
渓谷に響く一声に、鳥が飛び立ち、魔物やわずかにいた小動物たちが慌てて去っていく。
「だいたい居なくなったよ~」ミアが指差す。
「よし、それじゃ……グラビティビット!」
空は胸像の頭頂に立ち、風を切るように指を鳴らす。直後、グラビティビットが展開し、防護膜に沿って広がった。砂は音もなく吸い寄せられ、放射状のラインを描きながら、まるで地面ごと清めるかのように流れ込んでいく。
「 砂が見る見るうちに消えていくね~!」ミアが歓声を上げる。
「これは気持ちのいい光景ですね」ライガーも満足げに見上げた。
エリアたちは水竜クルルに乗って空からその様子を見守る。
「気分いいですね」エリアが微笑む。
「砂が消えて、渓谷が少しずつ……」イザーナもつぶやいた。
「こいつはすげぇな……」オレクの声が感嘆に染まる。
だがその時――
(渓谷ごと飲み込んでしまえば早いじゃないか)
――誰かの声が空の頭に響いた。
(そんなことするはずがないだろ)
(お前はいつも遅いんだよ)
(……誰だ?)
「空にぃ、危ない!」ミアの叫びと同時に、空の操作が狂い、ビットが岩山の一部を削ってしまった。
「すまない、ライガー」
「いや、大丈夫です。むしろ良い見晴台と目印になりました」
「……そうか」
「空にぃ、なんだか今日ちょっと変だよ?」
「そ、そうかな……」
(――だが一体、今の声は?)
「ほら、また!」
「ごめん……もう終わるから」
砂の除去は無事に終わったが、草木も川も、まだ戻ってはいなかった。
「これから、少しずつだな」ライガーが呟いた。
「じゃあ、少しだけでも……クルル」
「クルー!」
クルルが広範囲にアクアブレスを吹きつけると、太陽の光に反射して、大きな虹がダイセツキャニオンを包んだ。
「自然が……無事に回復しますように」エレノアがそっと手を合わせる。
その光景に、誰もが心を奪われた。
「さあ、次は風の精霊殿――世界樹へ向かうぞ! やっとシルフィードたんに会える~!」イフリートがはしゃぐ。
「明日は休みだ」
「えぇー! 今すぐ行きたい!」
「イザーナの体が持たん。彼女が連日契約できているのも、空さんの近くにいると体力魔力が自然回復するおかげだが、精神力までは回復しない」
「……そうか。イザーナよ、なるべく早く元気になってくれ!」
「が、頑張ります……」
そう言って、イザーナは静かに眠りについた。
「イザーナ様……」
「大丈夫、眠っただけだ。天空門の屋敷で休ませてあげよう」
一行は天空門へと帰還する。その最後尾で、空が空を仰いだ時――
(近いうちに会うことになるだろう……俺の魂)
「……!?」
声がまた頭の中に響いた。正体不明の“誰か”の言葉が、静かに空の意識に爪痕を残していた。
ロックウェルが静かに語りかける。
「さて、契約を始めよう。イザーナよ、不死鳥の杖を掲げなさい」
「はい」
イザーナが杖を高く掲げると、ロックウェルが低く力強く呟いた。
「――テラクエイク」
その瞬間、地の精霊の力を宿した茶色い魔力の球がロックウェルから現れ、イザーナの手にある不死鳥の杖へと吸い込まれていく。そして、茶色く輝く不死鳥が現れ、空間に投影される。
「今回は茶色なんですね……」エレノアが呟く。
「綺麗だわ~」エリアが感嘆の声を漏らす。
やがて不死鳥は消え、契約は無事完了した。
「これで残るは風、光、そして闇ですね……。でも、闇の精霊とも契約するんですか?」 エリアが問いかける。
「もちろんだ。だが闇は最後になる。魔王の城を越えた、闇の塔に潜んでいるからな」エバが答える。
「闇の塔って……名前からして危ないです」
「ふん、俺は勇者様に仕えるために来たんだ。魔族だろうが魔王だろうが、かかってこいだ」オレクが拳を握りしめる。
「心強いな、だが魔王は最低でもSSランクの存在。ブートキャンプは、時間が許す限り続けるぞ」エバが鋭く告げた。
「ひ、ひぇぇ……」エレノアの顔が青ざめる。
契約の儀が終わり、一行は地上へ戻り渓谷に積もる砂を取り除くことにした。
「空さん、頼めますか?」とエバが声をかける。
「わかりました」
「本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。戻ったらミアを呼んで、ダイセツキャニオンの砂を取り除かないとね」
地上へ戻った一行は、世界銀行本店の入口、胸像の前で集合し。ほどなくして、ライガーがミアを連れて現れる。
「お~、ここがダイセツキャニオン!まるで砂漠だね~」ミアが目を輝かせる。
「本来は美しい渓谷だった。だがベルゼブブに逆らった後、虫たちが姿を消し、この有様だ」ライガーが苦々しげに語った。
「ライガーは悪くないよ~。よし、じゃあ渓谷の岩山と地面を守ればいいんだね~、空にぃ」
「うん、それで大丈夫。砂だけを吸い込むから」
「じゃあ、ライガー、空に飛んで~」
ミアを背に乗せ、ライガーは宙へと舞い上がった。
「ダイセツキャニオン地形スキャン! 防護膜を展開!」
防護膜が岩山と地面を守り、砂だけが除去されるよう仕掛けが張られた。
「空にぃ~、防護膜のデータ送るよ~」
(念話……いや、これは完全にデータ通信だな)空が軽く笑い、理解の意を送った。
「ライガー、渓谷に残っている動物たちを一時的に退避させられるか?」
「威圧で試してみましょう。耳を塞いでください」
全員が耳を押さえると、ライガーが吠えた。
「――獅子王の咆哮!!」
渓谷に響く一声に、鳥が飛び立ち、魔物やわずかにいた小動物たちが慌てて去っていく。
「だいたい居なくなったよ~」ミアが指差す。
「よし、それじゃ……グラビティビット!」
空は胸像の頭頂に立ち、風を切るように指を鳴らす。直後、グラビティビットが展開し、防護膜に沿って広がった。砂は音もなく吸い寄せられ、放射状のラインを描きながら、まるで地面ごと清めるかのように流れ込んでいく。
「 砂が見る見るうちに消えていくね~!」ミアが歓声を上げる。
「これは気持ちのいい光景ですね」ライガーも満足げに見上げた。
エリアたちは水竜クルルに乗って空からその様子を見守る。
「気分いいですね」エリアが微笑む。
「砂が消えて、渓谷が少しずつ……」イザーナもつぶやいた。
「こいつはすげぇな……」オレクの声が感嘆に染まる。
だがその時――
(渓谷ごと飲み込んでしまえば早いじゃないか)
――誰かの声が空の頭に響いた。
(そんなことするはずがないだろ)
(お前はいつも遅いんだよ)
(……誰だ?)
「空にぃ、危ない!」ミアの叫びと同時に、空の操作が狂い、ビットが岩山の一部を削ってしまった。
「すまない、ライガー」
「いや、大丈夫です。むしろ良い見晴台と目印になりました」
「……そうか」
「空にぃ、なんだか今日ちょっと変だよ?」
「そ、そうかな……」
(――だが一体、今の声は?)
「ほら、また!」
「ごめん……もう終わるから」
砂の除去は無事に終わったが、草木も川も、まだ戻ってはいなかった。
「これから、少しずつだな」ライガーが呟いた。
「じゃあ、少しだけでも……クルル」
「クルー!」
クルルが広範囲にアクアブレスを吹きつけると、太陽の光に反射して、大きな虹がダイセツキャニオンを包んだ。
「自然が……無事に回復しますように」エレノアがそっと手を合わせる。
その光景に、誰もが心を奪われた。
「さあ、次は風の精霊殿――世界樹へ向かうぞ! やっとシルフィードたんに会える~!」イフリートがはしゃぐ。
「明日は休みだ」
「えぇー! 今すぐ行きたい!」
「イザーナの体が持たん。彼女が連日契約できているのも、空さんの近くにいると体力魔力が自然回復するおかげだが、精神力までは回復しない」
「……そうか。イザーナよ、なるべく早く元気になってくれ!」
「が、頑張ります……」
そう言って、イザーナは静かに眠りについた。
「イザーナ様……」
「大丈夫、眠っただけだ。天空門の屋敷で休ませてあげよう」
一行は天空門へと帰還する。その最後尾で、空が空を仰いだ時――
(近いうちに会うことになるだろう……俺の魂)
「……!?」
声がまた頭の中に響いた。正体不明の“誰か”の言葉が、静かに空の意識に爪痕を残していた。
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