78 / 101
惑星イオ 光国編
第78話 光の塔 ライティングタワー③
しおりを挟む
エリアたちは、エバからの呼び出しを受け、光の塔――ライティングタワーへと足を運んだ。
そこは、かつてエリアが修行を積んでいた場所。懐かしさと同時に、かつての同僚や光妖精たちによって思わぬ過去を暴露され、彼女はすっかり顔を赤らめてしまっていた。
それでも一行は、目的地である二百三十四階「光の精霊殿」へと無事に到着する。
「ようこそ、お越しくださいましたね」
迎え入れたのは、白銀に輝く巨大な竜――光の超位精霊エバーテインであった。
「うわっ、光竜……! 失礼しました、エレノアと申します! 以後、お見知りおきを!」
あまりの威光に驚きながらも、エレノアは深く頭を下げた。だが、どこか妙な空気が流れている。周囲の仲間たちは皆、薄く笑みを浮かべていた。
「えっ? 姉さん、なんで笑ってるの?」
「……やっぱり気づかないか」
「な、何をですか? 皆も笑ってないで教えてくださいよ~!」
「もうちょっと察しがいいと思ってたが、意外と鈍いんだな」
「ですね」
仲間たちの反応に、エレノアはただ戸惑うばかりだった。
「まあ、これくらいにしておこうか」
そう言ったエバーテインの体が、光の粒子に包まれていく。
「えっ……?」
光が収まると、そこに立っていたのは――人の姿となったエバだった。
「私が、光の超位精霊エバーテインだよ」
「えー!? みんな知ってたの!?」
「はい」
「名前からして一目瞭然だったわよ」
「バレバレだったしな」
「うそーん……」
恥ずかしそうに頬を赤らめたエレノアに、エバがくすりと笑みを浮かべる。
「全く、これだけ鈍感だと色々先が思いやられるな……特に熊との関係は」
「エバ様、それはナイショって言ったじゃないですか~!」
熊という単語に、エレノアの耳がほんのり赤く染まる。
「応援してあげないといけませんね」
「姉さん!」
「入口での仕返しよ。ふふふっ」
ひとしきり和やかな空気が流れた後、エバが表情を引き締めた。
「さて、本題に入ろう。皆、よく来てくれた。……時間がかかってしまってすまなかったな。シールド領にいたハリア・エレバンが、エレバン帝国へ戻る動きを見せていてな」
「……お兄様……」
「対峙することになるかもしれんが、イザーナ、大丈夫か?」
「はい。私には、皆さんがいます」
「頼もしい言葉だ。さて――本来なら、これから精霊契約を執り行うところだが、実はもう契約は済んでいてな。今日は確認だけだ。そして……エリア」
「はい!」
「お前にはこれを贈ろう」
エバーテインは右手を差し出し、光の玉を生み出した。その中から、真っ白なスライムが一匹、ふわりと舞い出る。白銀の翼を持つそれは、エリアのもとへまっすぐ飛んでいった。
「これはホーリーウィングスライム。今日からお前の友達だ」
「……!!」
エリアは言葉を失い、目には涙すら浮かべている。
ホーリーウィングスライム
神聖な光の魔力を宿した白いスライム。柔軟な体は自在に大きさを変えられ、背中から出し入れ可能なスライム状の翼によって宙を舞うことができる。また人の背中に取り付き浮かび上がらせ、共に飛行することも可能。体内に蓄えられた光の魔力の影響で、体から分泌される液体には体力・魔力の回復効果があり、癒しの存在としても重宝されている。
「わぁ~! 可愛い~! 姉さん、念願の友達ですね!」
「うん……ありがとうございます、エバ様。さあ、こっちへおいで」
エリアは優しく手を差し出す。スライムは「ピー!」と一声鳴き、エリアの両手にふわりと降り立った。彼女はそのまま、ぎゅっとそれを抱き締める。
「大事にするからね……ピー助!」
「姉さん、ピー助って……」
「可愛いから、これで良いの」
「エレノア、お主も水竜の名を鳴き声から取っておったろうに。まったく、姉妹そろってよく似ておるわ」
「可愛い良い名前ですよ。ピー助にクルル……」
「ありがとう、イザーナ様のレミーアも良い名前ですよ」
「ありがとう」
「我には?」
「……こらっ!」
「お呼びでない? 失礼しました~!」
イフリートが顔を出してすぐ引っ込み、一同の笑いが響く中、エバが穏やかに告げた。
「良き相棒として、仲良くするんだぞ。ホーリーウィングスライムは、大きさを自由に変えられる。背中につけて空も飛べる。後で試してみるといい」
「はい!」
「では、契約が成されているか確認をしようか。後ろの扉からベランダに出られる。イザーナよ、私と共に来るがよい」
「はい!」
イザーナが振り返ると、背後の扉が静かにスライドし、外の爽やかな風が吹き込んできた。エバと共に歩き出すその姿に、柔らかな光が降り注いでいた――。
そこは、かつてエリアが修行を積んでいた場所。懐かしさと同時に、かつての同僚や光妖精たちによって思わぬ過去を暴露され、彼女はすっかり顔を赤らめてしまっていた。
それでも一行は、目的地である二百三十四階「光の精霊殿」へと無事に到着する。
「ようこそ、お越しくださいましたね」
迎え入れたのは、白銀に輝く巨大な竜――光の超位精霊エバーテインであった。
「うわっ、光竜……! 失礼しました、エレノアと申します! 以後、お見知りおきを!」
あまりの威光に驚きながらも、エレノアは深く頭を下げた。だが、どこか妙な空気が流れている。周囲の仲間たちは皆、薄く笑みを浮かべていた。
「えっ? 姉さん、なんで笑ってるの?」
「……やっぱり気づかないか」
「な、何をですか? 皆も笑ってないで教えてくださいよ~!」
「もうちょっと察しがいいと思ってたが、意外と鈍いんだな」
「ですね」
仲間たちの反応に、エレノアはただ戸惑うばかりだった。
「まあ、これくらいにしておこうか」
そう言ったエバーテインの体が、光の粒子に包まれていく。
「えっ……?」
光が収まると、そこに立っていたのは――人の姿となったエバだった。
「私が、光の超位精霊エバーテインだよ」
「えー!? みんな知ってたの!?」
「はい」
「名前からして一目瞭然だったわよ」
「バレバレだったしな」
「うそーん……」
恥ずかしそうに頬を赤らめたエレノアに、エバがくすりと笑みを浮かべる。
「全く、これだけ鈍感だと色々先が思いやられるな……特に熊との関係は」
「エバ様、それはナイショって言ったじゃないですか~!」
熊という単語に、エレノアの耳がほんのり赤く染まる。
「応援してあげないといけませんね」
「姉さん!」
「入口での仕返しよ。ふふふっ」
ひとしきり和やかな空気が流れた後、エバが表情を引き締めた。
「さて、本題に入ろう。皆、よく来てくれた。……時間がかかってしまってすまなかったな。シールド領にいたハリア・エレバンが、エレバン帝国へ戻る動きを見せていてな」
「……お兄様……」
「対峙することになるかもしれんが、イザーナ、大丈夫か?」
「はい。私には、皆さんがいます」
「頼もしい言葉だ。さて――本来なら、これから精霊契約を執り行うところだが、実はもう契約は済んでいてな。今日は確認だけだ。そして……エリア」
「はい!」
「お前にはこれを贈ろう」
エバーテインは右手を差し出し、光の玉を生み出した。その中から、真っ白なスライムが一匹、ふわりと舞い出る。白銀の翼を持つそれは、エリアのもとへまっすぐ飛んでいった。
「これはホーリーウィングスライム。今日からお前の友達だ」
「……!!」
エリアは言葉を失い、目には涙すら浮かべている。
ホーリーウィングスライム
神聖な光の魔力を宿した白いスライム。柔軟な体は自在に大きさを変えられ、背中から出し入れ可能なスライム状の翼によって宙を舞うことができる。また人の背中に取り付き浮かび上がらせ、共に飛行することも可能。体内に蓄えられた光の魔力の影響で、体から分泌される液体には体力・魔力の回復効果があり、癒しの存在としても重宝されている。
「わぁ~! 可愛い~! 姉さん、念願の友達ですね!」
「うん……ありがとうございます、エバ様。さあ、こっちへおいで」
エリアは優しく手を差し出す。スライムは「ピー!」と一声鳴き、エリアの両手にふわりと降り立った。彼女はそのまま、ぎゅっとそれを抱き締める。
「大事にするからね……ピー助!」
「姉さん、ピー助って……」
「可愛いから、これで良いの」
「エレノア、お主も水竜の名を鳴き声から取っておったろうに。まったく、姉妹そろってよく似ておるわ」
「可愛い良い名前ですよ。ピー助にクルル……」
「ありがとう、イザーナ様のレミーアも良い名前ですよ」
「ありがとう」
「我には?」
「……こらっ!」
「お呼びでない? 失礼しました~!」
イフリートが顔を出してすぐ引っ込み、一同の笑いが響く中、エバが穏やかに告げた。
「良き相棒として、仲良くするんだぞ。ホーリーウィングスライムは、大きさを自由に変えられる。背中につけて空も飛べる。後で試してみるといい」
「はい!」
「では、契約が成されているか確認をしようか。後ろの扉からベランダに出られる。イザーナよ、私と共に来るがよい」
「はい!」
イザーナが振り返ると、背後の扉が静かにスライドし、外の爽やかな風が吹き込んできた。エバと共に歩き出すその姿に、柔らかな光が降り注いでいた――。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる