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【第一章】 新生活編
【第八話】 名も無き書物
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老婆は不敵に笑うと、目の前に置いてあった水晶玉に手をかざし、呪文を唱え始めた。
占いはあまり信じないタイプだったけど、この老婆が満足してここからどいてくれるなら、それで良いだろう。
老婆が呪文を唱えている間、水晶玉は様々な変化を見せた。
青くなったり赤くなったり、光り出したかと思えば黒いモヤが出てきたり。
水晶玉の周りには、売り物と思われるアイテムが幾つか並べられていた。
どれも見ただけでは使い方が分からない物ばかりで、とにかく怪しかった。
呪文が、止んだ。
「お前さんのスキルには、様々な可能性が秘められておるな」
「可能性・・・・・・?」
「そうじゃ。使い方次第では、世界を変えることも出来る」
何だか大袈裟な事を言い始めたなと思い、うさんくさく感じる。
やっぱり、占いは信じられないな。
「それで、僕は具体的に何をしたらいいんですか?」
ズバリ僕は聞いてみる。
抽象的なことばかりを言って誤魔化そうったって、そうはさせない。
「うむぅ、お前さん、信じておらぬな?」
「い、いえ、そんな事は・・・・・・」
態度で分かってしまったのかもしれない。
そう思ったが、老婆は機嫌を悪くしているようには見えなかった。
「お前さんはまだ成人したばかりだから、自分のスキルに不安を持つのも無理はない。人間とは、生まれた家柄とスキルによって縛られることも多いのだからな」
「は、はぁ・・・・・・」
その生まれた家柄に、僕は追い出されたんだけどな・・・・・・。
「強いて言うなら、このアイテムを持っておいき」
そう言うと、老婆は並べてあった怪しいアイテムの中から、分厚い書物を持ち上げた。
革で出来た立派な表紙だったけど、題名は書かれていない。
「これ、いくらなんですか・・・・・・?」
「金は取らん。とにかくこれが、お前さんに道を拓かせるだろう」
本当にお金は取らないのだろうか。
心配しながらも、僕は書物を受け取った。
「こ、これは・・・・・・」
ずっしりと重みがあるその書物を持った途端、書物が淡い光を放ちだした。
しばらく見とれていると、今度は何も書かれていなかった表紙に、文字が浮き出してきた。
【宝石図鑑】
表紙には、このように刻まれた。
「占い師さん、これは・・・・・・」
「【名も無き書物】、そう呼ばれているマジックアイテムじゃ」
老婆は、うなずきながらそう言った。
ベルテ村の大人から、マジックアイテムについて聞いたことがある。
膨大な魔力が込められた特別なアイテムのことで、めったにお目にかかる事は無いらしい。
「本当に、譲ってくれるんですか」
占いはあまり信じないタイプだったけど、この老婆が満足してここからどいてくれるなら、それで良いだろう。
老婆が呪文を唱えている間、水晶玉は様々な変化を見せた。
青くなったり赤くなったり、光り出したかと思えば黒いモヤが出てきたり。
水晶玉の周りには、売り物と思われるアイテムが幾つか並べられていた。
どれも見ただけでは使い方が分からない物ばかりで、とにかく怪しかった。
呪文が、止んだ。
「お前さんのスキルには、様々な可能性が秘められておるな」
「可能性・・・・・・?」
「そうじゃ。使い方次第では、世界を変えることも出来る」
何だか大袈裟な事を言い始めたなと思い、うさんくさく感じる。
やっぱり、占いは信じられないな。
「それで、僕は具体的に何をしたらいいんですか?」
ズバリ僕は聞いてみる。
抽象的なことばかりを言って誤魔化そうったって、そうはさせない。
「うむぅ、お前さん、信じておらぬな?」
「い、いえ、そんな事は・・・・・・」
態度で分かってしまったのかもしれない。
そう思ったが、老婆は機嫌を悪くしているようには見えなかった。
「お前さんはまだ成人したばかりだから、自分のスキルに不安を持つのも無理はない。人間とは、生まれた家柄とスキルによって縛られることも多いのだからな」
「は、はぁ・・・・・・」
その生まれた家柄に、僕は追い出されたんだけどな・・・・・・。
「強いて言うなら、このアイテムを持っておいき」
そう言うと、老婆は並べてあった怪しいアイテムの中から、分厚い書物を持ち上げた。
革で出来た立派な表紙だったけど、題名は書かれていない。
「これ、いくらなんですか・・・・・・?」
「金は取らん。とにかくこれが、お前さんに道を拓かせるだろう」
本当にお金は取らないのだろうか。
心配しながらも、僕は書物を受け取った。
「こ、これは・・・・・・」
ずっしりと重みがあるその書物を持った途端、書物が淡い光を放ちだした。
しばらく見とれていると、今度は何も書かれていなかった表紙に、文字が浮き出してきた。
【宝石図鑑】
表紙には、このように刻まれた。
「占い師さん、これは・・・・・・」
「【名も無き書物】、そう呼ばれているマジックアイテムじゃ」
老婆は、うなずきながらそう言った。
ベルテ村の大人から、マジックアイテムについて聞いたことがある。
膨大な魔力が込められた特別なアイテムのことで、めったにお目にかかる事は無いらしい。
「本当に、譲ってくれるんですか」
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