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崩壊【視点変更】
【竜王視点】
それはある日突然やってきた。
まずカトリーヌの匂いが全く受け付けなくなってしまった。
愛している筈の彼女を見ても気持ち悪く感じてしまう。
それよりも、もっと……。
何を自分が求めているのかは分かった。
番だ。俺には番が必要なのだ。
ふらふらとあれが暮らしていた部屋に向かう。
ドアを開けた瞬間あれの匂いがする。
ああ、この匂いだ。俺に必要だったのはこの匂いなのだ。
粗末なベッドに寝転んで息を吸い込む。
何故番がいないのだ。
番は、俺の番は……。
俺は吼えた。吼えて、吼えて。声がかれるまで吼え続けた。
番は見つからない。
探知できないのであれば……という話もあった。
信じられない。そんなこと信じられない…
あれの名前を呼ぼうとして知らなかったのだと思いなおす。
何故名前を聞かなかったのか、俺は多分自分の名前さえ教えていない。
暴れて、暴れて、その所為で部屋がめちゃくちゃになってその所為であれの匂いが薄くなってしまってそれでまた吼えて。
暴れた所為で窓に何かが引っかかっていることに気が付いた。
あれの匂いがする。よろよろと近づく。
あれの髪の毛で作られた何かを見つける。
それをむしり取るように取って、匂いを嗅ぐ。
ああ、あれの匂いだ。
それが手放せない。
何かをする気にもならない。
それよりもこの匂いをきちんと覚えておかなければならない。
* * *
仕事も何も手につかなくなった。
食欲も無い。
眠ることすら億劫になった。
そんな時、家来の一人らしき男が俺に言った。
「あなたのお世継ぎになる筈だった子は、毒殺されています」
子という言葉に思い当たることは無かった。
けれど少しかんがえて思い出した。
あれは俺の子を孕んでいた。
俺の子、俺と番の……。
なんで忘れていたんだ。
そうだ。
確かに俺の子がいた筈だ。
毒……。
俺の子が殺されていた。
許さない。
朦朧とする中、「我が子を毒殺したものを一族郎党見つけ出し関わったものすべてを処刑せよ」と言った。
その後どうなったかは知らない。
興味が無かった。
番は見つからない。
どこに行ってしまったのか、探しても探しても見つからない。
あれの親を捜索したがそれでも見つからない。
この国から出られるはずが無い。
無能が探せないのか、それとも誰かが俺の物を隠しているのか。
「ああ、陛下はおしまいだ……」
そういう声が聞こえた気がするけれど気にならなかった。
吼えて、吼えて。
無能を折檻して。
それから――
しばらくすると何人も何人もに取り囲まれて石で囲まれた部屋に連れていかれた。
普段であればそんなもの振り払うのに。
食事をちゃんとしていなかった所為だろうか上手く力が出なかった。
そのまま、残った片方の角を無理矢理折られる。
やめろ。これが無ければ番が番だと分からないじゃないか。
そう抗議すると「陛下は何度も番様に会われております。お顔も覚えておいででしょうからこんなものなくても大丈夫ですよ」と言われた。
つのを折られたせいで、匂いもよくわからなくなってしまった。
あれの髪の毛をかいでも、うまくにおいがわからなくなっている。
あれはなぜかえってこないのか。
あれは、あれは……。
ぼとぼととなみだががあふれる。
りゆうはよくわからない。
あれにさえあえればなおるのに。
ちくしょう。
それはある日突然やってきた。
まずカトリーヌの匂いが全く受け付けなくなってしまった。
愛している筈の彼女を見ても気持ち悪く感じてしまう。
それよりも、もっと……。
何を自分が求めているのかは分かった。
番だ。俺には番が必要なのだ。
ふらふらとあれが暮らしていた部屋に向かう。
ドアを開けた瞬間あれの匂いがする。
ああ、この匂いだ。俺に必要だったのはこの匂いなのだ。
粗末なベッドに寝転んで息を吸い込む。
何故番がいないのだ。
番は、俺の番は……。
俺は吼えた。吼えて、吼えて。声がかれるまで吼え続けた。
番は見つからない。
探知できないのであれば……という話もあった。
信じられない。そんなこと信じられない…
あれの名前を呼ぼうとして知らなかったのだと思いなおす。
何故名前を聞かなかったのか、俺は多分自分の名前さえ教えていない。
暴れて、暴れて、その所為で部屋がめちゃくちゃになってその所為であれの匂いが薄くなってしまってそれでまた吼えて。
暴れた所為で窓に何かが引っかかっていることに気が付いた。
あれの匂いがする。よろよろと近づく。
あれの髪の毛で作られた何かを見つける。
それをむしり取るように取って、匂いを嗅ぐ。
ああ、あれの匂いだ。
それが手放せない。
何かをする気にもならない。
それよりもこの匂いをきちんと覚えておかなければならない。
* * *
仕事も何も手につかなくなった。
食欲も無い。
眠ることすら億劫になった。
そんな時、家来の一人らしき男が俺に言った。
「あなたのお世継ぎになる筈だった子は、毒殺されています」
子という言葉に思い当たることは無かった。
けれど少しかんがえて思い出した。
あれは俺の子を孕んでいた。
俺の子、俺と番の……。
なんで忘れていたんだ。
そうだ。
確かに俺の子がいた筈だ。
毒……。
俺の子が殺されていた。
許さない。
朦朧とする中、「我が子を毒殺したものを一族郎党見つけ出し関わったものすべてを処刑せよ」と言った。
その後どうなったかは知らない。
興味が無かった。
番は見つからない。
どこに行ってしまったのか、探しても探しても見つからない。
あれの親を捜索したがそれでも見つからない。
この国から出られるはずが無い。
無能が探せないのか、それとも誰かが俺の物を隠しているのか。
「ああ、陛下はおしまいだ……」
そういう声が聞こえた気がするけれど気にならなかった。
吼えて、吼えて。
無能を折檻して。
それから――
しばらくすると何人も何人もに取り囲まれて石で囲まれた部屋に連れていかれた。
普段であればそんなもの振り払うのに。
食事をちゃんとしていなかった所為だろうか上手く力が出なかった。
そのまま、残った片方の角を無理矢理折られる。
やめろ。これが無ければ番が番だと分からないじゃないか。
そう抗議すると「陛下は何度も番様に会われております。お顔も覚えておいででしょうからこんなものなくても大丈夫ですよ」と言われた。
つのを折られたせいで、匂いもよくわからなくなってしまった。
あれの髪の毛をかいでも、うまくにおいがわからなくなっている。
あれはなぜかえってこないのか。
あれは、あれは……。
ぼとぼととなみだががあふれる。
りゆうはよくわからない。
あれにさえあえればなおるのに。
ちくしょう。
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