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本編18
「これ、外に出るときつけててもらってもいいかな?」
水を飲ませてもらって遅すぎる昼食なのか夕食なのかよく分からない感じでご飯を食べた後安藤さんは俺にチョーカーを差し出した。
幅広のそれはオメガが望まずに番となることを防ぐためにするものだ。
いつ準備したのかは分からないけれど、少し見ただけでもそれが上等な物だと分かる。
「項がいつ薄くなってしまうか分からないからさ」
嫉妬深いかな? と聞く安藤さんに首を振った。
必要性は正直あまり感じてはいない。
今までもまずオメガだと思われないし、番になるとさらに他人がフェロモンでどうこうなるなんてことは無くなるはずだ。
だけど、目の前の恋人が準備してくれたものであれば、してみてもいいかもしれないと思った。
安藤さんがそっと俺の首にチョーカーを付けてくれる。
その行為を安藤さんは人間の様だとも獣の様だとも言わなかった。
というか、今日俺が獣じゃないって言った以外、彼は何もかも、昨日会ったことを含めて何一つ獣の様だとも人間の様だとも言わなかった。
俺も匂いが変わったことを話して以降自分が人間なのかという話はしていない。
少しずつ、安藤さんが彼自身の事を獣の様だと思わなくなればいいと思う。
優しい、優しい安藤さんという生き物というだけで俺はこの人の事が好きだから。だから、彼が彼らしくいられればうれしいと思った。
チョーカーも安藤さんがそれで安心できるならつけていてもいいと思った。
「ありがとうございます。大切にしますね」
俺がそっとチョーカーを確認するように撫でると安藤さんは嬉しそうに笑った。
それが本能由来のものなのかそれ以外なのかは、途中でオメガになった俺には感覚としてよく分からない。
だけど愛おしそうな笑みを浮かべる安藤さんを見て、それは人間の愛って呼ばれるものそのものだとそう心の中で思って、同じだけの愛をこめて彼に微笑み返した。
END
水を飲ませてもらって遅すぎる昼食なのか夕食なのかよく分からない感じでご飯を食べた後安藤さんは俺にチョーカーを差し出した。
幅広のそれはオメガが望まずに番となることを防ぐためにするものだ。
いつ準備したのかは分からないけれど、少し見ただけでもそれが上等な物だと分かる。
「項がいつ薄くなってしまうか分からないからさ」
嫉妬深いかな? と聞く安藤さんに首を振った。
必要性は正直あまり感じてはいない。
今までもまずオメガだと思われないし、番になるとさらに他人がフェロモンでどうこうなるなんてことは無くなるはずだ。
だけど、目の前の恋人が準備してくれたものであれば、してみてもいいかもしれないと思った。
安藤さんがそっと俺の首にチョーカーを付けてくれる。
その行為を安藤さんは人間の様だとも獣の様だとも言わなかった。
というか、今日俺が獣じゃないって言った以外、彼は何もかも、昨日会ったことを含めて何一つ獣の様だとも人間の様だとも言わなかった。
俺も匂いが変わったことを話して以降自分が人間なのかという話はしていない。
少しずつ、安藤さんが彼自身の事を獣の様だと思わなくなればいいと思う。
優しい、優しい安藤さんという生き物というだけで俺はこの人の事が好きだから。だから、彼が彼らしくいられればうれしいと思った。
チョーカーも安藤さんがそれで安心できるならつけていてもいいと思った。
「ありがとうございます。大切にしますね」
俺がそっとチョーカーを確認するように撫でると安藤さんは嬉しそうに笑った。
それが本能由来のものなのかそれ以外なのかは、途中でオメガになった俺には感覚としてよく分からない。
だけど愛おしそうな笑みを浮かべる安藤さんを見て、それは人間の愛って呼ばれるものそのものだとそう心の中で思って、同じだけの愛をこめて彼に微笑み返した。
END
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このシリーズ大好きです
第1弾に出てきた嫌がらせカップルはどうなったか気になります
第2弾の何故安藤兄は弟の婚約者を奪ったのかも
読んでくださってありがとうございます!!
健気って言っていただけてとても嬉しいです!!
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してもタイトルなかったので…。
違ってても安藤くんすごく不憫で気になってたので、読めてとても嬉しいです!
って言ってもまだ読んでなくってすいません。どっぷりハマりたいのでもう少し
お話が進んでからじっくり読みたいと思います!ありがとうございます!
コメントありがとうございます。
不憫攻めですが、あまり不憫さを出してない感じの作品になりました。
よろしければ最後まで読んでくだされば嬉しいです。