英雄の条件

渡辺 佐倉

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めでたし、めでたしのその後で2

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「抱いてほしいと請うのは浅ましいですか?」
「いや。」

劉祜はすぐにそう返した。
王の話も国の話も、それから、この先の話も結局今日は何もしていない。

自分が随分と俗物だったということをレオニードは久しぶりに思い出す。
この人と婚姻をするまでは、ずっとそうだったのだ。

彼が王ではない今だけは、ただ一組の番《つがい》として触れ合うことを願っていいのではないかと思った。

「俺も、レオニードの事をもう一度抱きたいと思ってた。」

劉祜は目を少し細めてそう言った。
まるで肉食獣の様な瞳だとレオニードは思った。



初めての時は、多分とても舞い上がっていた。
レオニードは乳首をいじられながらそう感じていた。

そのまま寝台に押し倒されて首筋に印をつけられた後、劉祜はレオニードの胸を愛撫していた。
ジンジンと疼くような鈍い快楽をそこで感じる事にレオニードは慣れていない。

「ふっ、あぅっっ……。」

吐息が徐々に艶めいたものになっていく。
劉祜がレオニードの乳首に舌を這わせるといよいよ我慢できなくなって、レオニードは劉祜の後頭部に手を伸ばした。
そのまま髪の毛をぐしゃぐしゃとまさぐる様に撫でる。

そうでもしないと快感を紛らわせそうになかった。


「声だしてくれていいから。」

隣は空室だってさ。
劉祜に言われるがそういう問題ではない。

あられもない声を上げてしまうと、自分が感じていると再認識させられて、どこまでも快楽に流されてしまいそうなのだ。

今の刺激だけで、下穿きが先走りで濡れてシミになっているだろう。

劉祜は「声を聞かせて。」と言ってレオニードのふくらみを寝間着の上からゆるゆるとしごいた。

「あっ、やぁっ……。」

待ち望んでいた刺激だった。
鼻にかかった様な嬌声を思わず上げてしまう。

「王宮を出るときに、こんなものを持ち出した俺を浅ましく思うか?」

劉祜が取り出したものは、最初の行為の時にレオニードに塗っていた香油だった。
多分痛みを和らげて、興奮させる効果がある。

「まさか。」

今度はレオニードが否定をした。
別に浅ましいとは思わなかった。


二度目だったこともあってか、後ろを解すのは初めての時より違和感はなかった。
その代わりに中がじわじわと快楽を拾ってしまう。

レオニードは嬌声の混じった吐息を吐きながら湧き上がる快感に耐える。

後ろの孔はもうぐずぐずになっているのが自分でも分かる。
もう入れて欲しかった。

押し倒された格好のまま指で解されている体制だったレオニードは劉祜が一旦指を引き抜いた瞬間に起き上がる。体を起こした状態で見つめあうと、もう一度どちらともなく口付けを交わす。

レオニードは、そのまま劉祜の下穿きをずらすとすでに勃ちあがった起立に触れる。

それから、劉祜に抱き着く様な体制で自分の後孔にレオニードの起立を押し当てた。

対面座位に近い体位で挿入される起立に、レオニードは小さな悲鳴を上げる。
レオニード自身の自重でずぶずぶと沈んでいく起立が根元まで沈むと、二人のはあはあという荒い息遣いだけが室内に聞える。

そのまましばらくの間、二人は抱きしめ合っていた。

「動けそうか?」

劉祜が下から突く様に体を揺さぶりながら聞く。
そのつど「あっ、あっ……。」と短い嬌声を上げながらレオニードは首を横に振る。

中がめいっぱい広がっている。
まだ二度目の行為に体が上手く動かない。

劉祜は興奮しきった眼差しをレオニードに向けながら再び押し倒す。
背中に手を回されて、体を気遣われながら再び寝台に体を横たわらせるレオニードは劉祜を見上げる。
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