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壱、
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バーゲンセール会場って、ここかよ!?マンションのエントランス、レファレンス嬢の待機スペース前に、ハンガーが数基あるだけ。しかも、やる気なし代ちゃんじゃねぇか?まさか、こんだけ!?笑わせてくれるぜ!?(…いや、マジで!)なんて思いながら、素通りして。よしよし。ここだな?ここだな?ッてンで、改めて所在番地を照合確認しながら、うわ!俺、マジでこれからここに住むのか?なんて、期待と不安の入り混じった決して複雑ではない心境。期待不安ブレンドは絶妙ブレンド也。階段を勢いよく駆け上がり、確認号室。おめあての部屋へ一目散。よし、〆〆〆〆の家の隣だ!間違いない!これでふたりの共同生活が始まる訳か。同棲ではないのだけれども、ルームシェアリングみたいなもんだ。間仕切りの襖を剥がせば、広いワンルーム化。いきなり訪問するのもあれかな?まずは、自宅を確認。よし、ちゃんと片づいている!そのまんまの勢いで呼び鈴を鳴らそうかとしたところ、すると、共同炊事場から、おっさんと〆〆〆〆の話し声。今、〆〆〆〆がつくっている料理についての会話らしい。なんだか面白くなって来たなァ?おい!(※ 註;どこが?)なんとか、会話の隙間スペースを見計らって、久しぶり!ッてンで話し掛けるのだけれども、おう、久しぶり!と、大して驚きもしない様子。「…飯は?」「あっちで!」「…じゃァ、これは?」「夕食。」なんて、おっさんに聴こえないように、何故か、耳打ちしながらひそひそ声で話して来て、それからなんとかして、隣に引っ越して来たことを切り出そうとするのだけれどもタイミングがうまいことつかめない。告白か?若しくは、プロポーズなみの緊張漲る。同性の同棲にもかかわらず。恋愛的感情もないのにもかかわらず。そして、途中、壁に寄り掛かっているつもりが、全然、関係ないうちのピンポンを鳴らしてしまいいきなり美女に出られて、「…あすいません、間違えました!」なんて頭を健気に下げるイキるほど 頭を垂れるハプニングなんかを差し挟みつつ、なんやかんやでようやく隣に引っ越してきたことを告白するに至りこぎ着けることが出来たのだけれども、困惑した表情。もっと、よろこんでくれると思ったもに…。ちょっぴり残念。襖を取り払い、すっきりとした二部屋を眺めながら、お互い、タイプは違うけれど、割りと綺麗に部屋を整えている方だよね?なんてはにかみながら、そして、これから、お互い影響を受け合いながら、成長をしていこうと自分勝手に契りを交わしたつもりの俺はひとり満足げな表情だった...。
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