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壱、
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たまさかまさか、こんなところに梵寿鋼先生のマンションがあるなんて知らなかった!近所の道をいつものように歩いていると、なにげない風景にそこはかとなく感じる違和感。あれ?この建物、こんなところにあったっけぇかァ?なんて、見馴れた風景であるのにもかかかわらず、なんか途哲もない不吉な魂でもないのだけれども、尋常ならざる を感じ察知し、すぐさまマンションの裏手にまわってみると、各戸のベランダ側の壁面をうまいこと縫うようにして這う巨大なヴィーナスの彫刻が施されていて、ライク・ア・磨崖仏、壮麗な は、ロココ調ではなくゴシック建築か?判然としないのとけれども、イタリアローマの教会建築すらも俺的には彷彿とさせたりなんかしちゃって、暗闇のなか、 のように屹立していた。思わず一心不乱に拝みたくなるほどそんな雰囲気を醸し出していて、俺は、なんの躊躇いもなく、許可もなく なくそのマンションのエントランス導かれるようにして人道主義的立場に立った道徳心や 心のバリゲードを強行突破して不法侵入すると、そこにはANNASUIとコラボした翡翠製の 彫刻が中央に鎮座ましましていてまことにもってD.O.P.E.N.E.S.S.だったのだけれども、そのまんまエレベーターに這入ろうとそのようなアクションを起こしたら、そこは、まるで野外シアターで、全住民、了解の元?各戸のベランダからちょうど鑑賞することが出来るよう巨大な映写機を に投影し、『リアリティバイツ』の大上映会が開催されていて、俺は、思わずたじろぎ するこころを失い、無心で、そのまんま扉を素早くしめて後ろを振り向く余裕すらなくそのまんまの姿勢で後ろに引っ込む。そして、偶然、女ともだちと鉢合わせ、その女ともだちの知り合いがここの住民で、いろいろと暮らしの を訊いたり、毎月の家賃とかも教えてもらうのだけれども、俺は、支払うあてがないので入居したいのはやまやまなのだが、 を躊躇う。
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