鉄のカーテン、踊り喰い!

クリスティーナ破れカブレラ

文字の大きさ
1 / 1

壱、

しおりを挟む
「…ちょっと、俺の席を見て来るわ!」なんつって飛び飛びで予約席を取った為、偵察というか確認の為に別の車輌へ。そんな感じで、一旦、離れるのだけれども、今、乗車しているこのエルキュールポワロ号、オリエントエキスプレスを模しているのか?象っているのか?判然としないのどけれども、いずれにしても豪奢絢爛、超絶ゴージャストレイン。内装は中世ロココ風?設えられたる調度品のセンスはドラマ版の名探偵ポワロ制作スタッフ顔負け。何故、そのような豪華寝台列車の客車に乗っているのか?その経緯は不明なのだけれども。グラッと、一瞬、来たかともったら、発車進行!いきなり発車してしまった。チケットは、ちゃんと買ったか?それとも買ってないか?記憶にないのにもかかわらず!見切り発車で乗車してしまったのか?しかし、そんなことはなんかもうどーでもよくなって、陰鬱な昂奮を擁しながら、座席と座席の間の通路を駆け抜け、先頭車輌へ向かう。すぐに俺が座るべき(という認識のある)席を見つけて、座席に飛び込む。発車駅は地元の最寄りの駅なのだけれども、車窓から眺める景色、いつもの見馴れた景色がまるで違って見える。俯瞰した街の風景は壮観な浮世絵巻。銀河鉄道とまではいかないが、かなり地上から離れた上空エリアを疾駆するモノレール仕様になっていて、思わず、すげぇ!と、叫んでしまった。周りの眼など気にしている余裕もなかった。取り敢えず、この昂奮を、新鮮なままで真空パックにしてそのまんまダイレクトに伝えようと席を立ち、通路に飛び出し、さっき来た路を戻ろうとするのだけれども、車輌と車輌の間の蛇腹状、デッキっつーの?そのデッキエリア附近、車輌に於ける一番端ッこには本棚が設置されて在って、ハヤカワミステリのポワロシリーズがコンプリートしてあった。ようやく元いた場所にたどりつき、「…チケット、買ったか?買わなかったか? 判らなくなっちゃった!」そう告げると、急に不機嫌になり、「…だったら 今 すぐ、車掌さんに言って来なさい!」。



 

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

【短編集】こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...