天網恢恢疎にして漏らさズ!!!!!!

クリスティーナ破れカブレラ

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壱、

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暗闇の中を四ツん這いで全力疾走しながら、家路に就いている夜明け前。怖がらせないように深夜徘徊する少女を避けて走ったのだけれども、家に帰るとうちに帰ってから、改めて考えてみると、結局、怖がらせたのではないかと後悔しながら、果たして一体、前の前のディケイドのツケを総決算にしたこれが これこそが その出来事なのだろうか?と云うような贖罪意識にも似た意識が過ぎる。そして、何処からがユーモアで、何処までが 狂気なのか?俺は 既に判らなくなってしまった。その結果、俺を放野放しにして、好き勝手に振る舞わせておくことに馴れてしまった大衆は、「…つまり、それがあいつ流なのさ!」と、肩を竦めて言うばかりだ。そうこうしてる間にも、俺は、言いたいことを言い、言いたくないことも言い、そして、口にしたことは、口にされるや否や、実際には口にされなかったことを含め、その総てをいっしょくたにしてしまう。 …え?これが見えないの?ッてんで、圧倒的リアリティーでもって顕現する母親の周りをぐるぐる、俺は、飛んで跳ねてまわり、一応、自己満足をして、自信満々にそのことをおばさんに問い質すのだけれども、我が眼を疑われるのだけの体たらく、俺は果たして幻視者であることを自覚させられる。(ご自身の影、ご唱和下さい!)突然の訪問の理由は、「…あれ?荷物、届いてない?」家のなかを入念に調べてみると、俺の寝室の片隅にクロネコヤマトのクラフト袋が無造作に置いて在って、やっぱり非実在性の母親ではなく、絶対に実在性の母親であることを、俺は改めて自覚し、覚醒する。何故なら、荷物の移動という、物理的な行動を伴う不可逆性の****が実際に作用しているのだから。それはさておき、そのまんまの勢いで、クロネコヤマトのクラフト袋を喰い散らしながらかっさばき、K.A.S.S.A.B.A.K.I. なかからクッソ ダッサいトレーニングシューズを取り出し、それを玄関でおもむろに履いて親戚一同みんなで繰り出し、神社仏閣風 公園の喧騒のただなかになだれ込むのだけれども、そこに母親の姿はない。荷物を勝手に送りつけといて、それがトリガーと言わんばかり、我が家の扉を抉じ開けんばかりに、その荷物が到着した当日を見計らって突然の電撃訪問とは、是、如何に!?事前連絡、予め前もってちゃんとこっちに来ることを俺に伝えて欲しい、そうでないと、こっちにも準備ッてもんがあるんだから!と乞食同然の分際で、俺は一丁前にそんなことをほざく。しかし、私は 私は好奇心の強い女を支持する。(by 寺山修司...)その後、神社なのか?仏閣なのか?果たして、公園なのか?判然としないのだけれども、なにかのイベントの最中に違和感なくまぎれ込み、その場所で、今、履いているこのクッソダッサいトレーニングシューズは、これは、習い事の先生(女教師)からプレゼントされたものであり、その先生はくれぐれも俺によろしく!と、そう言ってたよ?おばさんから伝え聴く。まぁ、そりゃ、そうだよ。こっちも勝手にプレゼントしたんだから、おそらくたぶん、そのお返しだよ!…それに、言っとくけど、あのさァ?あくまでも、おじさんが勝手に、靴を探しているとその女の先生が言ったら頼まれてもいないのにいきなりプレゼントしたんだからね?本当は、俺、一切 関係ないんだからね?と、まったく情愛関係にないことを、あたかも弁明するかのように、そして、被害者ヅラをしてひとりわめく。それにしても、ラヴァーソール以外ここ十年来、靴という靴を履いていないから、そのフォルムの柔らかみも去ることながら、履き心地の違いというか、ラヴァーソールはラヴァーソールで革靴だからめちゃめちゃかたい、馴れれば馴れればで、あれはあれでいいのだけれども、このトレーニングシューズは、本当に歩きやすく、まさにトレーニングのためのシューズであることを実感しながら。…それで、本当に、今日、時間ないの?うん。まだいろいろまわらなければならないの!なんッてんで、無碍にでもないのだけれども、俺はおばさんに誘いを断られて、N.A.N.D.A.K.A. こころなしかさみしい思い。もしかしたら、こんなことをわざわざまえもって話すほどのことでもないかもな?一瞬だけ躊躇って、…それじゃァ、この一年でどんなことを、どのようにして、こなしてやって来たか?詳しく話そうと思ったのだけれども、それはまた今度の機会だね?じゃ!と、別れを切り出し、そのまま別れようとするのだけれども、ふと、おばさんの旦那であるおじさんに眼をやると、なんか、青い眼をしたブロンドギャル、留学生かなんかか?作業服のようなものを着た若い女とイチャコラしている。それを見てもおばさんはなんら咎めることもなく、平然と、日常の風景の一部のように無表情で眺めていて、それはあたかも嫁公認の浮気相手、妾か、第二夫人かのような存在にも思われ、俺の親戚一同はいつの間にか異様な集団と化していた。そして、…お前、一浪、二浪、している 浪々の身みたいなもんなんだからそんな予定がいちいちあるような風なこと言うもんじゃないよ?と、そんな、ろくでもないおじさんから嗜められるも、…そんなことないよ!と、強がりを言って、意地を張り、そして、そのまんまの勢いで駆け出し、横断歩道がすぐ近くにあるのにもかかわらず、また、歩行者は横断禁止の標識がすぐ眼の前にあるのにもかかわらず、国道をおもいっきり突ッ切り、交通安全運動を絶賛開催中の交通誘導員のおっさんの、…そこ、危ないよ!というような声を (世の中を何にたとへむ)秋の田をほのかに照らす宵の稲妻 のようにしてかすか遠くに聴きながら、一抹のさみしさを胸に抱いて、俺は、その場から立ち去るのだった...その後、自らの影におびえながら、道のド真ん中でノサバラズ寝さばっていた俺は 見ず知らずの女に揺り起こされて、不屈の堕落魂が掻き消されることに無抵抗、そして、いきなり拐かされる強行に対して何も言えなかった。何も悪いことにしてないのにもかかわらず連行されながら、カルモチン鍋、臭いじゃないですか?そうそう臭い!臭い!訳の判らぬ意気投合。また、連行されたのがおかしくて堪らない。拉致られ辿り着いた先は自己啓発セミナー。殆んど恐喝に近いマナー講師が個別指導していて至るところで恫喝まがいの同時多発イニシエーション(肉体と精神はバラバラ接触)祈祷はクリエーションだ!と、言わんばかりに念仏唱えてるばばあとかもいて薄気味悪いことこの上ない。俺と俺をガチ拉致した女、何故か一緒に、世俗の垢落とし精進落としの柿落とし的にシャワーを浴びているのだけれども、すぐそばに全裸の女性がシャワーを浴びているのにもかかわらず、…しかも、うら若き!俺は何も感じなかった!感じることが出来なかったんだ!そして、俺は、俺の意識とは裏腹に、俺の影に引きずられながら、その場所を立ち去る。明かりがついているものの明らかに営業をしている気配はなく、店のなかには人気なく、駐車場は疎らな状況、あたりを静けさに包まれているのにも、完全に休業が見込まれているのにもかかわらず、臨時休業を告げる貼り紙を凝視してしかと眼球に焼きつけ確認をする為にポジショニング空間に決死ダイヴ飛び込み、「本日、棚卸し作業の為、臨時休業とさせて戴きます!」何の前触れも予告もなく、唐突に “ 天の啓示 ”  を言い渡され判決を下された我々は、常に贖罪意識に気を配った生活をしてはいないのだけれども感情のシェアをしまくりたくなる、無性に。貼り紙を眺め、天を仰ぐ勢いで途方に暮れながら、偶々、居合わせたふたり、思わず見つめ合ったりも、恋の予感も、恋心を抱いたりもしないのだけれども、見ず知らずの一回こっきりそれっきりすっきりさよならバイバイのゆきずりいかづちかりそめ二度と逢うことのない者同士、共鳴している気配がないのにもかかわらず、現況把握の為、念の為、何の為の休業がなのか?確認をする為にここにこの場所に集結していると云うその事実こそがまぎれもなく我々の結束感を強め束ねているのである!こんなときほど “ 絆 ” を実感することはない!このときぐらい強い結びつきを感じた経験は他に見当たらないね!ひとりじゃないって!途方に暮れうちひしがれうちのめされているのは俺ひとりじゃないって!思わず、一緒に積木くずしをしたくなりながら共時性を共有。妙な連帯感がその場を支配して(こんなとき妙に仲がいいよね?これが男の連帯感なのかな?困るね、先生、と・て・も♪)こちらから能動的に話し掛けるなんてこと、悔いしかない我が生涯に於いて滅多にないのだけれども、このときばかりは思わず我慢をしきれず、黙して語らずのパターンもあるにはあるが、そこはそこはかとなくやんちゃな当代エスカレートするどしろーと書生カタギ闇しぐれ、一代限りの特殊分泌業だから、これからの生きる糧にする為にもこのチャンスを逃す手はない!と(やるっきゃ騎士♪)ここいちばんの大一番、時間無制限で待ったなし、問わず語りの英雄夢語り弾き語りジギースターダスト アンチプライドスーパースター、虚空に呟いているようで実はそうではない、何気に反応を期待しながら、コールアンドレスポンスあるかないかの瀬戸際ラストチャレンジに無謀にもトライし、いちか?ばちか?意味深な言葉で核心に迫りまくるギャンブルを試みる。視線も合わさずに「あ、休みみたいっすね~?」すると、「そっすねえ?」。これこそが完璧なやりとりである!それ以上でもそれ以下でもない、これこそがまさに。そして、そこには既成概念を愛撫した、純真無垢で完璧な空間が存在するのである。若しくは、「休みか~?」「あ~!」意志疎通(聊斎志異)があってないよーな?なくてあるよーな?みたいなエッジの利いた朧気なやりとりでも。そして、そのまんま、何も語らうことなく ふたり、別れる。まさに完璧な別れである ...

※ 陰陽文献;我が秘めたる生涯 / サルヴァドール・ダリ















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