愚かな魂は真実に向かって突き進む。天に向かって意識を吐け!

クリスティーナ破れカブレラ

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壱、

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…じゃあ、これで先生の話は終わりです。そー言えば、こないだ、あ、話は急に変わりまが、面白いことがあったんですよ。そう言いながらおもむろに懐からいまどきアナログな一葉の写真を取り出し、ニヤニヤしながら我々の反応を今か今かと待ち受けている教師。顔を上げて、眼を凝らしてよく見てみると、息子か娘の運動会ではなく、体育の授業か?小学生がみんなバレーボールを、男女混合でやっていてその様子をみんなに見せているのかと思いきや、ブルマ姿の女生徒のなかに混じり、ひとりだけ下半身剥き出しの生徒がいる。しかも、ご丁寧にモザイク仕様。我々は、息を呑み、あたりには戦慄が走り、不穏な空気が流れ、沈黙が鳴り響く。すると、或る生徒がぽつりと、これ、所謂、なんとか案件なんじゃないんすか…?と、つぶやき、それを聴いておれは何故か、笑いが止まらなかった。それをみんなに察せられまいと、おれは下を向いて眼を瞑り、そして、笑いを咬み殺すようにして唇を咬み、笑いだすのを必死に堪えていた。また、これを何故?このご時世に?この写真をこの先生はこのおれたちに見せようとしたのだろうか?世間の何を見ているのだろうか?社会の何処を見ているのだろうか?学生同士の間であってさえも、卑猥な話は御法度、既にタブーと化し、暗黙の了解としてそのような事態に陥り不文律が罷り通っているのにもかかわらず…。何故、この先生はリスクを背負ってまでして、かのような大胆な行動に出たのだろうか?理解に苦しむのだけれども、嗚呼!すべるってこういうことなんだな?と、思い知らされた。人前に立つということは、そして、なにかを話し、大衆からの受けを狙うということはこんなにもおそろしいことなのか?身をもって体感したのだった。本当に水を打ったような静謐が永遠かと思われるくらいの    続き、…案件ですよね?と生徒が言葉を発するまで、誰ひとりとして声を発していなかった。笑い声は、勿論、皆無。それにしても、恥と外聞と    にまみれながら、清水ダイヴするこの教師の糞度胸、恐れ入ったよ史奈のトルエン、見上げたもんだよ、英利子の褌♪なのだけれども、これ、案件なんじゃないですか…?その言い方がなんだかおかしくて、おれは笑いを堪えていたのだけれども、暫くの沈黙のあと、道のド真ん中を占拠しているおれたちのすぐ傍を自転車ではなくスクーターでポスティングかなんかのアルバイトをやっている若いあんちゃんが通り掛かり、不審そうな顔で我々一団をビッグシルエット脳性麻痺スタイルで一通り眺めやり、そのまんま通り過ぎてしまった。しかし、少し行った道先で、一旦、スクーターを停止させてアスファルトに足を突き、手動ではなく足動でバック、ブロンズ像のように突っ立っているおれたちの先生の真横に横づけすると、駕籠から取り出した広報誌を無表情で渡し先生もそれを受け取り、そのまんま、あんちゃんはエンジンをぶっ掛けて、ドルドルドルドルドルドル…と、メタリックなSOUNDをあたり周辺に虚しく鳴り響かせながらその場からいなくなってしまった。その、通り過ぎて、一旦、戻ったというあんちゃんの行動がまた妙におかしく、そして、変にいとおしくて堪らず、おれは更に笑いのブーストが掛かり、すでに異次元のお笑い耐久選手権に差し掛かっていた。先生は相変わらず呆然自失、このままだと自殺するいきおい、意識があるのか?ないのか?すら判然とせずかたまったまんまだった。そして、それからまた暫くして、級長?みたいな生徒が手を上げながら、…この話、一旦、ボクに任せてもらえないでしょうか?と、提案。…いやいや、任せるもなにもおれたちでこの問題は、簡単に解決することが出来るような問題じゃないてしょ?その影響が世間に波及するおそれもあるし、そんなおれたちが易々と取り扱えるような内容、手に負えるものじゃないんだよ。そんななま易しいものじゃないんだよ。だから、これを解決することが出来るというのならば、それならば、そら、お前に任せるよ!みんなまとめて一任するよ!でも、それでいいのかい?責任が総てお前にのしかかって来るんだぞ?というようなそんな無責任な我々の思惑の集大成、得体の知れない不吉な魂を孕んだ塊のような雰囲気でみながみなそう思いながらクラスメートの意識が渾然一体となっていたように思われたのだけれども、まさか、なんか物騒なことを言い出すんじゃないだろうな?おれは一抹の不安を抱えながら、気づくと既に笑いの衝動はおさまっていた。そして、これはボクたちだけで納得するまで話し合いをするので、すいませんが、先生は、少しの間だけですが、これを装着していてもらえますか?と、ヘッドフォンを手渡し、つながれたスマフォからなにかしらの音楽を爆音で流しだした。それから、その級長みたいな奴がおもむろに話したのは、創作の世界ではパワハラやセクハラ、及び モラハラ行為があったとしても、最後にネタバラシ、実はこれはキャラクターがしでかしたことであって、作者の意図が反映されたものかも知れないのだけれども、あくまでもフィクションであってリアルじゃないんですよ~?というような担保があるからそれでみんな許されるのだけれども、今、ここにあるのはまごうことなき現実、だから、みんな青ざめていることを先生は理解していないんですよ~?というような旨の話をして、なんかレトリックの煙に巻かれたような?我々は、納得することが出来たような?出来ないような?腑におちたような?落ちないような?口車に乗せられたような?乗せられていないような?そんな(山田)微妙なな心持ちで   のいきどころを持て余していると、すると、急にそいつは言葉を発するのをやめて、鯉のように口をパクパクとしだした。なんのことやら?さっぱりだったものの我々はその意図をすぐに掬い、察して、悟り、一同 大爆笑して退散、俺たちは、あ、そういうことね?と、総て策士の覚悟を錯誤せずにを把握して、お互い抱き合ったり、肩を軽くパンチし合ったりして、散歩ですれ違いざま甘咬みする飼い犬同士のようにじゃれ合いながら、いつ共喰いをしだすか?それは誰にもは判らないのだけれども、そんな感じで打ち解け合いながら、そのまんま下宿のアパートの玄関に吸い込まれ、てんでバラバラにそれぞれ自分の部屋に散って行った。そして、ふと、玄関の式台下、土間とおんなじ素材でしつられられた壁面に眼をやると壮麗な筆致で描かれた玄人裸足、さくらももこのコジコジのバカうま絵が描かれてあった。それはさておき、なんだなんだ、あの、級長みたいな奴、マルコメ坊主だし、徹頭徹尾、これは一休さんじゃねぇかよ?と、俺はまた衝動がぶり返し、いつまでも笑いが止まらなかった…。























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