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1章 これから始まる物語
1-1 記憶というのは思い出しても
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「…‥‥そんなことがあったなぁ」
青空が広がり、ぽかぽか日和の良い天気の中。
草原で寝っ転がりながら、ふと僕は先ほどの夢で見てしまった前世と転生の記憶を思い出していた。
思い出した後に、状況を整理してみれば…‥‥転生先は、科学技術などが未発達で、異世界転生にありがちな中世ヨーロッパレベルというか、中途半端に魔道具などが発達している程度の世界だが、問題はあるまい。
季節・日数・時間の数え方などは前世の日本の基準に近いようで、困るようなこともない。
「そして今は、男爵家の3男として遊んでいるんだっけか‥‥‥」
現在の年齢は10歳であり、一つずつ違う兄が二人状態。
黒目黒髪、ヘルズ男爵家の、3男アルス・フォン・ヘルズとして生を受けていた。
ファミリーネームが最後で、その間に貴族であればフォンが付くのか…‥‥ありきたり感はあるだろう。
‥‥‥まぁ、男爵家と言っても父親の経営がちょっと下手であり、借金をこさえかけているようだが。
ついでに兄二人は貧乏男爵家なのに貴族の誇りをはき違えているというか、次期当主争いに若いうちから励んでいるようで、互に蹴落とし合っていたりする。貧乏男爵家でも、自分が当主になれば手腕を発揮して、たちどころに爵位を急上昇させてすごい貴族になるとか言う、高い望みを持っているようだからね。向上心があるのは良い事だとは思う。
とはいえ、僕は3男で継ぐ気はなく、将来は独立すると早々に宣言していたようで、無視される程度で特に何もされることはない。
そもそも、兄たちの争っている場所がこの今いる国エルスタン帝国の帝都と呼ばれる場所にある教育施設の方らしく、領地にいればそもそも出くわすこともないのだ。
というか、めったに帰ってくることもないんだけどね…‥‥全寮制で、夏季・冬季に長期休暇があるので帰宅は可能なはずなのだが、姿を見せない。父宛に手紙が届いているようだが、どうもあっちの方で将来に向けての人脈作りに励んでいるだけらしいが‥‥‥どうなんだろうか?
後一月ほどで、僕もそこへ通うんだけどね…‥‥無視されるならされるで、好き勝手にやっていても問題はないだろう。帰ってこない真相も分かるとは思うが、なんとなく調べても意味がない気がする。
「何にしても、争いに加わらずに独立すると宣言したようだけど、今にして思えば、この転生をどこかで感じ取っていて、独立可能だと思っていたんだろうなぁ」
記憶を思い出したのは、この昼寝の夢であったが、どうやら思い出す前の人格とは大差ないようだ。
まぁ、計画性は無かったようだが…‥‥こうやって思い出すことが出来た以上、独立計画は練ることができるだろう。
「確か、薬を生み出せる魔法薬師のチートを貰っていたはずだけど‥‥‥実験するか」
立ち上がり、男爵家の屋敷へ戻って、自室で実験しようと僕は思い立つのであった。
「…‥‥さて、ここでやるとして‥最初に何を生み出すべきか?」
貧乏男爵家ゆえに使用人もそこまで雇ってなくて、迎えもそんなにない我が家。
父のズラダ・フォン・ヘルズは貧乏をどうにかしようと賭博に出かけているようで、母は愛人の元へ出かけているのだろう。
何気にドロドロというか、家族関係がヤヴァイ気がするが‥‥‥将来独立を考えるのであれば、気にしないほうが良い。あ、でもちょっと観察してメモっておけば、ドロドロ愛憎物の書籍として売れるかもしれない。この世界、都合のいいことに書籍関連は発達しているようだからね。
「んー、魔法薬師として薬を生み出すとしても‥‥‥何かこう、イメージとかが必要だよな?」
チートを貰ったと言っても、具体的な説明はそう言えば受けていなかったなと思い出す。
なので、独学で確認することになるのだが…‥‥こういう時に役立ちそうな魔法薬となると、何が良いのかちょっと悩む。
怪我を治すポーションとか、あるいはちょっと硬いベッドもふわふわになる薬とか、はたまたは手洗いで綺麗にしている衣服をより綺麗にする洗剤のような物とか…‥‥こう、色々あるのだ。
「あ、そうだ。飲んだらポンッと変身できる薬の方が良いのかもしれない」
思い立ったが吉日とも言うし、その薬を生み出すことを考えた。
すると、チートの効果なのか、頭の中で思い浮かべた物がするっと抜けるような感覚がして‥‥‥
ポンッ!!
「…‥‥なるほど、こうやって作るのか」
手の中には、小さな小瓶に入った薬が出現していたのであった。
どうやら具体的な中身を思い浮かべる事で、生み出せるようである。
不老不死の妙薬とかは出来ないようだが…‥‥想像力以外に材料いらずの薬を生み出せるだけでも、十分だろう。
「とりあえず、効果を実験っと」
ある程度想像していたので、どの様な効果なのかはわかる。
一応、効き目は10分程度にしたつもりで、変身するのは…‥‥
ごくごくっ、ポンッ!!
【ピィピィ!!(よっしゃ成功!!)】
小さな小鳥になれたようで、声がそのまま鳥になっている。
モデルは前世の地球の雀のつもりだったが…‥‥どうやらある程度前世とは違うせいか、この世界でのスズメのような鳥の一種スズメェイルになったようだ。
うん、名前つけたの絶対に前世と同郷の人がいるだろ、コレ。
とはいえ、分りやすいのでありがたいし、大差もないが‥‥‥ひとまずはこれで十分かもしれない。
【ピィ!!(では飛ぶぞぉ!!)】
せっかく変身したけど、設定だと10分程度。
なので、鳥になったついでに、変身は伊達じゃないのか試すために、翼を広げて羽ばたかせてみる。
パタパタパタパタバタバタバタバタバタ!!
【ピィィィィ!!(うぉおおおおおおおおお!!)】
小さい鳥の姿で、一生懸命羽ばたいて見れば、ついに体が浮き上がった。
というか、無駄に力を使っているような気がしたので、試行錯誤しつつ、空いていた窓から華麗に外に飛び立つ!!
【ピィィィィ!!(飛べたぁぁぁぁあ!!)】
初チート試行に、初飛行。
その喜びで舞い上がりつつ、僕は残り時間が少ない事を気にしつつ、落ちても大丈夫なように低空飛行しながらこの喜びを心の底から感じ取るのであった…‥‥
【ピィィィィ!!(気持良いなぁぁぁ!!)】
青空が広がり、ぽかぽか日和の良い天気の中。
草原で寝っ転がりながら、ふと僕は先ほどの夢で見てしまった前世と転生の記憶を思い出していた。
思い出した後に、状況を整理してみれば…‥‥転生先は、科学技術などが未発達で、異世界転生にありがちな中世ヨーロッパレベルというか、中途半端に魔道具などが発達している程度の世界だが、問題はあるまい。
季節・日数・時間の数え方などは前世の日本の基準に近いようで、困るようなこともない。
「そして今は、男爵家の3男として遊んでいるんだっけか‥‥‥」
現在の年齢は10歳であり、一つずつ違う兄が二人状態。
黒目黒髪、ヘルズ男爵家の、3男アルス・フォン・ヘルズとして生を受けていた。
ファミリーネームが最後で、その間に貴族であればフォンが付くのか…‥‥ありきたり感はあるだろう。
‥‥‥まぁ、男爵家と言っても父親の経営がちょっと下手であり、借金をこさえかけているようだが。
ついでに兄二人は貧乏男爵家なのに貴族の誇りをはき違えているというか、次期当主争いに若いうちから励んでいるようで、互に蹴落とし合っていたりする。貧乏男爵家でも、自分が当主になれば手腕を発揮して、たちどころに爵位を急上昇させてすごい貴族になるとか言う、高い望みを持っているようだからね。向上心があるのは良い事だとは思う。
とはいえ、僕は3男で継ぐ気はなく、将来は独立すると早々に宣言していたようで、無視される程度で特に何もされることはない。
そもそも、兄たちの争っている場所がこの今いる国エルスタン帝国の帝都と呼ばれる場所にある教育施設の方らしく、領地にいればそもそも出くわすこともないのだ。
というか、めったに帰ってくることもないんだけどね…‥‥全寮制で、夏季・冬季に長期休暇があるので帰宅は可能なはずなのだが、姿を見せない。父宛に手紙が届いているようだが、どうもあっちの方で将来に向けての人脈作りに励んでいるだけらしいが‥‥‥どうなんだろうか?
後一月ほどで、僕もそこへ通うんだけどね…‥‥無視されるならされるで、好き勝手にやっていても問題はないだろう。帰ってこない真相も分かるとは思うが、なんとなく調べても意味がない気がする。
「何にしても、争いに加わらずに独立すると宣言したようだけど、今にして思えば、この転生をどこかで感じ取っていて、独立可能だと思っていたんだろうなぁ」
記憶を思い出したのは、この昼寝の夢であったが、どうやら思い出す前の人格とは大差ないようだ。
まぁ、計画性は無かったようだが…‥‥こうやって思い出すことが出来た以上、独立計画は練ることができるだろう。
「確か、薬を生み出せる魔法薬師のチートを貰っていたはずだけど‥‥‥実験するか」
立ち上がり、男爵家の屋敷へ戻って、自室で実験しようと僕は思い立つのであった。
「…‥‥さて、ここでやるとして‥最初に何を生み出すべきか?」
貧乏男爵家ゆえに使用人もそこまで雇ってなくて、迎えもそんなにない我が家。
父のズラダ・フォン・ヘルズは貧乏をどうにかしようと賭博に出かけているようで、母は愛人の元へ出かけているのだろう。
何気にドロドロというか、家族関係がヤヴァイ気がするが‥‥‥将来独立を考えるのであれば、気にしないほうが良い。あ、でもちょっと観察してメモっておけば、ドロドロ愛憎物の書籍として売れるかもしれない。この世界、都合のいいことに書籍関連は発達しているようだからね。
「んー、魔法薬師として薬を生み出すとしても‥‥‥何かこう、イメージとかが必要だよな?」
チートを貰ったと言っても、具体的な説明はそう言えば受けていなかったなと思い出す。
なので、独学で確認することになるのだが…‥‥こういう時に役立ちそうな魔法薬となると、何が良いのかちょっと悩む。
怪我を治すポーションとか、あるいはちょっと硬いベッドもふわふわになる薬とか、はたまたは手洗いで綺麗にしている衣服をより綺麗にする洗剤のような物とか…‥‥こう、色々あるのだ。
「あ、そうだ。飲んだらポンッと変身できる薬の方が良いのかもしれない」
思い立ったが吉日とも言うし、その薬を生み出すことを考えた。
すると、チートの効果なのか、頭の中で思い浮かべた物がするっと抜けるような感覚がして‥‥‥
ポンッ!!
「…‥‥なるほど、こうやって作るのか」
手の中には、小さな小瓶に入った薬が出現していたのであった。
どうやら具体的な中身を思い浮かべる事で、生み出せるようである。
不老不死の妙薬とかは出来ないようだが…‥‥想像力以外に材料いらずの薬を生み出せるだけでも、十分だろう。
「とりあえず、効果を実験っと」
ある程度想像していたので、どの様な効果なのかはわかる。
一応、効き目は10分程度にしたつもりで、変身するのは…‥‥
ごくごくっ、ポンッ!!
【ピィピィ!!(よっしゃ成功!!)】
小さな小鳥になれたようで、声がそのまま鳥になっている。
モデルは前世の地球の雀のつもりだったが…‥‥どうやらある程度前世とは違うせいか、この世界でのスズメのような鳥の一種スズメェイルになったようだ。
うん、名前つけたの絶対に前世と同郷の人がいるだろ、コレ。
とはいえ、分りやすいのでありがたいし、大差もないが‥‥‥ひとまずはこれで十分かもしれない。
【ピィ!!(では飛ぶぞぉ!!)】
せっかく変身したけど、設定だと10分程度。
なので、鳥になったついでに、変身は伊達じゃないのか試すために、翼を広げて羽ばたかせてみる。
パタパタパタパタバタバタバタバタバタ!!
【ピィィィィ!!(うぉおおおおおおおおお!!)】
小さい鳥の姿で、一生懸命羽ばたいて見れば、ついに体が浮き上がった。
というか、無駄に力を使っているような気がしたので、試行錯誤しつつ、空いていた窓から華麗に外に飛び立つ!!
【ピィィィィ!!(飛べたぁぁぁぁあ!!)】
初チート試行に、初飛行。
その喜びで舞い上がりつつ、僕は残り時間が少ない事を気にしつつ、落ちても大丈夫なように低空飛行しながらこの喜びを心の底から感じ取るのであった…‥‥
【ピィィィィ!!(気持良いなぁぁぁ!!)】
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