転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波

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2章 学園初等部~

2-41 そろそろ冷えてきそうな頃合いにて

‥‥‥聖国であった地にいた怪物たちも討伐され終え、各国に分譲統括などがされたという話を耳にしつつも季節は移り替わろうとしているようで、木枯らしが吹き始めた。

 季節があるのは良いのだが、その分この寒くなってくる落差があるのはちょっと辛い。

 いや、真夏日へなっていく気温の上昇もそれなりに嫌ではあるが…‥‥こうやって冷え込んでくるのもまた、大変なものである。

「ついでに冬季休暇も迫って来るけど…‥‥研究所の方から冬季も来てくれないかという手紙が来たけど、どうしようかハクロ?」
【キュルゥ?キュゥ‥‥‥】

 冷え込み始める中での学園の休み時間、ふと僕はその話を思い出し、ハクロに問いかけた。

 夏季休暇があれば冬季休暇もあるようで、春までお休みの時期がある。

 夏季休暇に比べて長い気もするが、前世の世界であれば四季の移り変わりでも関係なく働く人はいるのだが、生憎ここはその前世の世界ではない。

 魔法に魔道具などが存在していても寒い季節は苦手な人も多く、食料が限られてくる。

 ゆえに、雪が降る季節などは解けるまでは籠る家などがあり、休みの期間が夏季休暇よりも長めになっているのだ。

 まぁ、その分冬季の宿題なども夏季の比ではないほどに増やされるうえに、その学年での集大成を確認するためのテストもあるのでより一層過酷でもある。



 また、モンスター研究所に向かうのも悪くはないとは思うのだが…‥‥一応、僕は次期ヘルズ男爵家当主であり、領地に戻らないわけにもいかないだろう。貧乏領地とはいえそれなりに領民はいたし、今は国から派遣された代官とかいるけど…‥‥まぁ、たまには領地に帰ってみたいのである。

 一応、学園に来るまでは過ごした地であり、家なのには変わりないが。

「後は、全焼した邸もようやく再建し終えたようだしね」

…‥‥義母というか、モドキというか、そう言う人たちが燃やしたからなぁ。

 帰ろうにも夏季休暇の時点では再建中で、帰郷できなかった。

 しかし、つい先日にどうやらようやく完成したようで、人が住まうに問題はない。

 しいて言うのであれば、使用人探しとかが必要になるようだけどね。そのあたりの方は王城の方で探してくれるらしい。

 前までいた人たちは、実はあの義母モドキのせいで入れ替えられていたようで、そちらの都合のいいような人たちになっていたらしいが…‥‥それでも、男爵家になる前の侯爵家から仕えていた人たちは存命らしく、そちらに声をかけるそうだ。

 年齢的には厳しい人もいるらしいが、それでも働いてくれる人もいるらしい。

 あの父や義母モドキ、兄モドキたちのせいで色々と滅茶苦茶にされた際に出て行ったらしいけれど、それらがいなくなったので戻る気を持ったらしい。


 そう考えると、いかにあの人たちの人望が無かったのかがうかがえてしまうが…‥‥‥うん、まぁ、気にする必要もあるまい。処分済みで、今は刑に服しているらしいからね。詳しい内容はちょっとアレなのも多いので、子供には伝えられないというような刑になったそうだが…‥‥



 何にしても、色々と新しくなった邸なども見たいけど、使用人はまだいない状態。

 なのでこのまま帰ったところで、直ぐに生活できるという訳でもないなら…‥‥


「‥‥‥そうだな、ちょっと内装などを見るだけで、直ぐに引き返して研究所の方で過ごす方が良いかも。ハクロ、この冬期休暇の予定はそれでいいかな?」
【キュル?‥‥‥うん、アルスの言う通りで良いよ。駆け抜ければいいだけだし、乗って、走って、見て、帰っての作業で良いもんね】

 距離自体は都市アルバニアよりも遠いので、彼女の足を使わずに馬車で向かいたいが‥‥‥やる気があるなら、彼女に乗って向かってもいいかもしれない。

 何にしてもそのあたりは体力とか荷物などが関係してくるだろうし、モンスターの持久力などを考えないといけないので、ガルバンゾー先生にでも相談しようかなと僕は思うのであった。

【ところで、アルス、一つ質問して良い?】
「何かな?」
【冬季休暇、皆雪を考えてとか、そう言う話聞くけど…‥‥雪って何?」
「‥‥‥え?」

…‥‥もしかしてハクロ、雪を見たことがないのでは?

 彼女の元々いた場所とかは、何処かのダンジョン内の可能性があるらしいが…‥‥そこで雪とか降っていなかったのであれば、見たことが無いのかも。

 うん、そう考えると彼女にとって初めてのまともな真冬を向かえるのでは‥‥‥‥防寒対策、必要かも。






‥‥‥アルスがハクロの防寒対策に対して考えている丁度その頃。

 王城の方では、ヘルズ領地についての報告がなされていた。

「ふむ、領民の30%の帰還に、侯爵家時代からいたが男爵家になってから離れさせられた使用人たちも戻って来たか…‥‥こうして聞くと、いかにあの当主代理や寄生虫といっていい者たちがやらかしていたのか、よくわかるな」
「同様の手段で乗っ取りを画策されている可能性のある家を調査したところ、わずかですがアウトなラインもありました。他にも企まれていたようですが…‥‥どうやらここはここで別の他国の家が絡んでいたようです」
「だが、その家の企みに関しての根本を探ると、どうやらヘルズ家を狙っていたらしい家にたどり着くか‥‥‥単純にやりかたを請われて教えただけのようだが、こうしてみると厄介な家だな」

 ヘルズ家を乗っ取り、領地その物を得ようとしていた他国の貴族家。

 その家を特定して抗議をしようとしたのだが‥‥‥‥既に国外逃亡されていた。

「しっぽ切りを行い、安全な場所へ逃走か‥‥‥ショコラリア王国の貴族家だったようだが、いつからかそこも乗っ取られていただけに過ぎないか‥‥‥」
「いつの間にか成り代わるという恐ろしい家ですが、現在も捜査中です」

 とはいえ、まだまだ進展は見えないし、見つけたところですぐに手を出せるとも限らない。

 もどかしいようにも思いつつ、絶対にやらかしたことへの償いはさせてやると、その場にいた者たちは思うのであった‥‥‥‥


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