転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波

文字の大きさ
139 / 229
4章 中等部後期~高等部~

4-12 のんびりのほほんっと過ごし合い

しおりを挟む
‥‥‥高等部にもなると、授業内容はより濃くなるだろう。

 将来へ向けての意識を強めるものであり、過ごしていくとはっきりと指針を決められていくような気がする。

「でも、やっぱり勉強し続けるだけじゃなくて、こうやってのんびりするのも良いよねぇ」
【キュル、飛行速度緩め、春風を感じやすい♪】

 本日は休日であり、学園はお休み。
 
 なのでどう過ごそうかと考え‥‥‥こうやってゆったりと大空のデートとしゃれこむことにしたのである。

 貴族としての意識も確かにあるけれども、やっぱりこうやってのんびり過ごすのが一番性に合っている。

 せかせか忙しく、先を急ぐようなこともしたい時はあるが、一旦立ち止まって見つめ直す時間をとるのも悪くはない。

「それに、空から見ると帝都ってやっぱり大きいね」
【広い、大きい、整っている…‥‥改めて見ると、きちんと出来ているかも】

 帝国の大事な都市の一つゆえに、きちんとした区画整理などがされているし、毎年改良が施され、より人が過ごしやすいようになっている帝都。

 歩いて見まわるのも良いが、こうやって上から見れば、丁寧に作り込まれているのが良く分かるだろう。


「あそこが王城に、学園に…‥‥向こうのあれは、プールがあるダンジョンかな」
【人沢山いるけど、高いから小さく見えて、細かく分からないね】

 某天空の大佐の言葉を借り…‥‥いや、やめておこう。流石にやるのであればもうちょっと悪くなってからだとは思う。

 悪人の道へは進む気はないし、領地を抱え込む身となる以上、そんな事は思えない。

 むしろ、この帝都のありようこそが、領地を治めるうえで構成の参考にするべきものではないだろうか?





 ふわふわと大空を飛びつつ、一応魔力を消費するので、休憩のために着陸も行う。

 帝都内でハクロのことは受け入れられつつ、情報は色々と知られているようで、空にいても降り立っても大きな騒ぎになることはそんなにない。

 しいて言うのであれば、初めて目撃した人たちが腰を抜かしたりする時がある程度だが…‥‥まぁ、それは大した問題ではないと思いたい。

【お空も良いけど、地に足を付けて歩けるのが、やっぱり楽しいかも♪】
「飛ぶのよりも、こっちの方が楽なの?」
【うん!】

 大空を飛翔していた分、大地が恋しくもなるらしい。

 地上に足を付けて歩む生き物は、この地にしがみつきたくなるのだろうか?そのあたりは個人差もあるとは思うけれども、気持ちとしては分かるだろう。

 それに、せっかくの休日だし、大空でのデート以外にも帝都内を一緒に歩くのもデートになるだろう。


「‥‥‥そうだハクロ、ちょっと寄りたいところがあるけどいいかな?」
【キュル?どこなの?】
「前にちょっと予約を手紙でしていて、それが出来た頃合いだと思ってね」







 帝都内を一緒に巡り合いつつ、僕らはとある目的地へ辿り着く。

 何かと人が集まりやすい帝都の店は種類も多く、質が高い店も多い。

 その中でも今回、僕がハクロとやって来たのは、とある装飾店。


【‥‥‥宝石装飾『メドノー・ゼイワ』?ここって、クラス内での話で、出ていた有名店?】
「そうだよ、貴族御用達のお店らしい」

 入ってみると、並んでいるのは数多くの宝石で作られた装飾品の数々。

 書かれているお値段も普通の人では手出しがし辛いし、そもそもここまで高価なのを求める必要があるのかと言いたくもなるが、精巧な細工が施されて芸術品ともいえる製品が多く、貴族が好んで買い求めようとするのは理解できる。

 それに、この店では予約も受け付けて、しっかり一品物かつ生涯使えるようなものも丁寧に作り上げてくれるという話もあったので、きちんと下調べをしてから頼んだが…‥‥どうやら出来ていたらしい。


 店員に話をして確認してもらい、頼んでいたものが出来上がっていたので、出してもらう。

 ハクロとそろって席に着きつつ、注文していた品が運び出されてきた。


「お客様、こちらの商品でよろしいか、ご確認お願いいたします」
「ああ、わかった」

 机の上に出された黒い小箱。

 そっと開け、中の品をハクロにも見せる。

【キュル‥‥‥なにこれ、なんかすごいかも】
「あらかじめ要望もしていたけど‥‥‥うん、頼んで正解だったかもしれない」

 ちょっとお金が吹っ飛ばされたが、このぐらい奮発しなければ使いどころはないお金ではある。

 なので惜しみなくつぎ込んで注文してもらった品は…‥‥綺麗な首飾り。

 大粒かつ一つ一つが天然物で磨き上げられた真珠をベースに、所々に宝石たちが連なり、その内部にはどうやったのかさらに細かく星々が投影されたかのようにカッティングされている。

 そして中心の一番目立つ部分には、ひとつのハート形のローズクォーツが飾られていた。

‥‥‥宝石名が前世の世界にあった物と似ているが、この辺りは過去の転生者が自力で発掘して定めた者が多いらしく、異世界ならではの宝石もあったが…‥‥一応、ちょっとは耳に聞いたことがあるような宝石を選んだのである。

「ハクロ、これプレゼントだよ」
【‥‥‥え?】
「普通のプレゼントも良いけど、こうやって出されるまで知らせないようなちょっとしたサプライズもいいかなと思ってね…‥‥それに、付けて見たら似合うと確信できるよ」


 互いに告白し合い、まだまだ挙式までは問題が多いけれども、それでも近い将来添い遂げ合うことができるだろう。

 でもその前に、ちょっとばかり恋人らしい事をやってみたいと思ってね…‥‥柄でもないかもしれないけど、こういうプレゼントも送って見たくなったのだ。

 きちんと料金は前払いをしており、既につけることは可能。

 そしてしっかりと受け取り、ハクロに付けてあげれば…‥‥思った通り、彼女によく似合っている。

「うん、似合っているね、ハクロ」
【キュル‥‥‥アルスからの、プレゼント…‥‥!!本当に嬉しい!!ありがとう、アルス!!】

 僕から送られたプレゼントに、最初は初耳過ぎて驚いて固まっていたようだが、装着して実感し、想いが溢れたのだろう。

 物凄く笑顔になって、ぎゅううっと感極まって抱きしめてきて、彼女の喜びようを実感させられる。

 たまにはこうやって、こちら側から驚かせて上げるのも悪くはないと、この喜びようを見て僕の方も幸せになりつつ思うのであった‥‥‥‥





‥‥‥なお、この様子をこっそり目撃していたファンクラブにしっかり伝わっており、後日店頭から同様の装飾品の類が消えうせ、深刻な品不足になったのはまた別のお話である。

「ぐああああ!!あそこまですごく喜ぶ様な良い子を、上のやつらに好きにさせたくねぇぇぇぇぇ!!」
「あんな彼女欲しかったなぁと思いつつ、幸せをぶち壊してはいけない類だと分かってしまうんだがぁぁぁ!!」

 そして一部では、この嬉しそうで幸せそうな光景を見て、心が洗われたものたちが動き始めるのであった…‥‥

 


しおりを挟む
感想 574

あなたにおすすめの小説

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

処理中です...