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何をやらかしてくれるのでしょうか
#143 すがすがしい目覚めデス
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SIDEシアン
…‥‥朝日が差し込み、室内が明るくなる中、僕は目を覚ました。
【ふにゅぅ…‥‥シアン】
ベッドの横にはハクロがいて、ようやく本能が収まったのか、甘噛みをしていない。
ただ、その寝顔は可愛らしく、その頭をそっと撫で上げた。
まぁ、体格差の関係上、ベッドからはみ出ているが‥‥‥‥それでも上半身が横たわっているのだから、布団の温かさで風邪をひくことなどあるまい。
いや、よく見れば…‥‥昨晩の愛し合った行為の影響で、服を着ていないから風邪をひく可能性はあるかも。
とりあえず、寝息と共に上下し、たわわな果実が形を変えているので、もう少し温めてあげようと思い、布団を彼女寄りにしようとしたところで…‥‥手を伸ばされて、掴まれた。
【にゅぅ…‥‥ふにぃ】
「っと」
ぐいっと引っ張られ、彼女に抱き寄せられる。
柔らかな肢体が直に感じられ、それでいてちょっとは学習していたのか、窒息するような状態にはせずに彼女の顔の目の前に僕の顔がある状態にされた。
【ふふふ……温かいですよ……】
「‥‥‥僕もだよ、ハクロ」
抱きしめられているのであれば、こちらも抱きしめ返す。
互いの体温が感じられ、安心感と愛おしい気持ちがより一層高まり、幸福とはこの事なのかと僕は思う。
…‥‥思えば前世、全然こういうことは無かったからなぁ。家族がいたとしてもどうしようもないロクデナシ共だったし、愛情すらなかっただろう。
でも、今は違う。愛する人が出来て家族が出来て、前世より、いや、比較にならないほど幸せである。
と、ここでハクロのすべてを堪能していたところで、部屋の扉がノックされた。
「ご主人様、そろそろ朝食ですが起きていますカ?」
「ん、ああ。ちょっと待って」
どうやらワゼが来たようなので、着替えて朝食に…‥‥
ぎゅうううううう
【んー…‥‥シアン…‥‥】
「…‥‥あ、ダメだこれ。全然抜け出せない」
こちらからも抱きしめていたのが原因か、更に抱きしめられて囚われてしまった。
ハクロの熟睡ぶりはもう十分理解しているが、これでは彼女が起きるまで多分離れられないだろうな…‥‥。
【あううう……な、なんか足腰に力がいれにくいですよ】
「足腰って‥‥‥いや、そもそもハクロの場合腰ってどっち?」
朝食の場にて、少々力がいれにくいのか小鹿のようにプルプルと足を震わせるハクロのつぶやきに、僕はそう疑問を投げかけた。
ハクロの場合、上半身の人部分と、下半身の蜘蛛部分で腰が2つあるからね‥‥‥お腹もあるわけだし、ちょっとややこしい。
【こっちの方ですかね。昨晩よく動きましたが‥‥‥‥群れにいた頃は、たぶんこういう事をやっていた仲間がいたはずですけれど皆普通にぴんぴんしていたことを考えると、体力的には私はそこまでない方なのですかね】
「ああ、そっちのほうか」
上半身の腰の方を指さし、僕は納得する。
ただ、そう表現されると色々な激しさがあったことを思い出し、言ったハクロの方も顔が赤くなった。
「…‥‥大体察しましタ。とりあえず、おめでとうございマス」
ワゼがそう言葉を述べ、ミニワゼシスターズが拍手してきた。
昨日の原因でもある人物が、察したとかわざとらしい言葉を言っているが‥‥‥‥まぁ、あの押しが無ければここまで進まなかっただろうし、何とも言い難い。
とはいえ、一つ問題があった。
「今日があのファイスとの会話の日なんだけど…‥‥ハクロ、動ける?」
【動けますよ‥‥‥なんとか】
ぶるぶる震えているハクロの足だが、一応ちょっとずつ回復しているようだ。
腰全体が砕けているような感覚に近かったらしいが、昼頃までには全快していそうである。
「ん?あれ、そう言えば‥‥‥」
「どうしたのでしょうか、ご主人様」
「いや、何でもないかな」
…‥‥睡眠時間が短かったはずだが、眠気はそれほどでもない。
ハクロとも激しく愛したが、さほど疲れているわけでもないし、むしろ体の調子が良いのだ。
まぁ、こっそり回復薬とか混ぜ込まれていそうな気もするが…‥‥元気よく出られるのであれば問題ないか。
何にしても、本日のファイスとの話し合いの場へ向けて、僕らは早々に準備をし始めるのであった‥‥‥。
――――――――――――――――
SIDEワゼ
(…‥‥体力計測、異常無シ。身体状態、極めて良好)
朝食を食べ終え、食器を片付けている中、ワゼはご主人様であるシアンの状態をチェックしていた。
本日はあの得体のしれない相手、ファイスとの話し合いの場があるので、念には念を入れて、万全の態勢で挑めるように確認していたのである。
とは言え、調べて見たところ現状は健康状態、いや、むしろどういう訳か状態そのものが就寝前よりも良好なのだ。
(…‥‥ご主人様も、それなりにたまっていたのでしょうカ?いえ、ちょっと違いますネ)
行為的には体力を消費するはずだし、むしろ健康状態がここまで良好になるはずもない。
(ハクロさんとのつながりが強化されたのが原因でしょうカ?‥‥‥あの駄肉蜘蛛にはそのような能力もないはずですし、アラクネと一緒で健康になる療法があれば誰もが求めるでしょうけれども……何かありますネ)
何かがあり、それがもたらした結果がシアンの肉体に作用したのであれば、非常に興味深いことである。
とはいえ、まだデータは足りない。
面白そうな発見をしつつ、推測の精度を向上させるにはそれなりの数が欲しいところである。
そう思いつつ、毎日やらせるのも流石に不味そうなので、数日おきにこっそり仕込もうかとワゼは企むのであった‥‥‥
…‥‥朝日が差し込み、室内が明るくなる中、僕は目を覚ました。
【ふにゅぅ…‥‥シアン】
ベッドの横にはハクロがいて、ようやく本能が収まったのか、甘噛みをしていない。
ただ、その寝顔は可愛らしく、その頭をそっと撫で上げた。
まぁ、体格差の関係上、ベッドからはみ出ているが‥‥‥‥それでも上半身が横たわっているのだから、布団の温かさで風邪をひくことなどあるまい。
いや、よく見れば…‥‥昨晩の愛し合った行為の影響で、服を着ていないから風邪をひく可能性はあるかも。
とりあえず、寝息と共に上下し、たわわな果実が形を変えているので、もう少し温めてあげようと思い、布団を彼女寄りにしようとしたところで…‥‥手を伸ばされて、掴まれた。
【にゅぅ…‥‥ふにぃ】
「っと」
ぐいっと引っ張られ、彼女に抱き寄せられる。
柔らかな肢体が直に感じられ、それでいてちょっとは学習していたのか、窒息するような状態にはせずに彼女の顔の目の前に僕の顔がある状態にされた。
【ふふふ……温かいですよ……】
「‥‥‥僕もだよ、ハクロ」
抱きしめられているのであれば、こちらも抱きしめ返す。
互いの体温が感じられ、安心感と愛おしい気持ちがより一層高まり、幸福とはこの事なのかと僕は思う。
…‥‥思えば前世、全然こういうことは無かったからなぁ。家族がいたとしてもどうしようもないロクデナシ共だったし、愛情すらなかっただろう。
でも、今は違う。愛する人が出来て家族が出来て、前世より、いや、比較にならないほど幸せである。
と、ここでハクロのすべてを堪能していたところで、部屋の扉がノックされた。
「ご主人様、そろそろ朝食ですが起きていますカ?」
「ん、ああ。ちょっと待って」
どうやらワゼが来たようなので、着替えて朝食に…‥‥
ぎゅうううううう
【んー…‥‥シアン…‥‥】
「…‥‥あ、ダメだこれ。全然抜け出せない」
こちらからも抱きしめていたのが原因か、更に抱きしめられて囚われてしまった。
ハクロの熟睡ぶりはもう十分理解しているが、これでは彼女が起きるまで多分離れられないだろうな…‥‥。
【あううう……な、なんか足腰に力がいれにくいですよ】
「足腰って‥‥‥いや、そもそもハクロの場合腰ってどっち?」
朝食の場にて、少々力がいれにくいのか小鹿のようにプルプルと足を震わせるハクロのつぶやきに、僕はそう疑問を投げかけた。
ハクロの場合、上半身の人部分と、下半身の蜘蛛部分で腰が2つあるからね‥‥‥お腹もあるわけだし、ちょっとややこしい。
【こっちの方ですかね。昨晩よく動きましたが‥‥‥‥群れにいた頃は、たぶんこういう事をやっていた仲間がいたはずですけれど皆普通にぴんぴんしていたことを考えると、体力的には私はそこまでない方なのですかね】
「ああ、そっちのほうか」
上半身の腰の方を指さし、僕は納得する。
ただ、そう表現されると色々な激しさがあったことを思い出し、言ったハクロの方も顔が赤くなった。
「…‥‥大体察しましタ。とりあえず、おめでとうございマス」
ワゼがそう言葉を述べ、ミニワゼシスターズが拍手してきた。
昨日の原因でもある人物が、察したとかわざとらしい言葉を言っているが‥‥‥‥まぁ、あの押しが無ければここまで進まなかっただろうし、何とも言い難い。
とはいえ、一つ問題があった。
「今日があのファイスとの会話の日なんだけど…‥‥ハクロ、動ける?」
【動けますよ‥‥‥なんとか】
ぶるぶる震えているハクロの足だが、一応ちょっとずつ回復しているようだ。
腰全体が砕けているような感覚に近かったらしいが、昼頃までには全快していそうである。
「ん?あれ、そう言えば‥‥‥」
「どうしたのでしょうか、ご主人様」
「いや、何でもないかな」
…‥‥睡眠時間が短かったはずだが、眠気はそれほどでもない。
ハクロとも激しく愛したが、さほど疲れているわけでもないし、むしろ体の調子が良いのだ。
まぁ、こっそり回復薬とか混ぜ込まれていそうな気もするが…‥‥元気よく出られるのであれば問題ないか。
何にしても、本日のファイスとの話し合いの場へ向けて、僕らは早々に準備をし始めるのであった‥‥‥。
――――――――――――――――
SIDEワゼ
(…‥‥体力計測、異常無シ。身体状態、極めて良好)
朝食を食べ終え、食器を片付けている中、ワゼはご主人様であるシアンの状態をチェックしていた。
本日はあの得体のしれない相手、ファイスとの話し合いの場があるので、念には念を入れて、万全の態勢で挑めるように確認していたのである。
とは言え、調べて見たところ現状は健康状態、いや、むしろどういう訳か状態そのものが就寝前よりも良好なのだ。
(…‥‥ご主人様も、それなりにたまっていたのでしょうカ?いえ、ちょっと違いますネ)
行為的には体力を消費するはずだし、むしろ健康状態がここまで良好になるはずもない。
(ハクロさんとのつながりが強化されたのが原因でしょうカ?‥‥‥あの駄肉蜘蛛にはそのような能力もないはずですし、アラクネと一緒で健康になる療法があれば誰もが求めるでしょうけれども……何かありますネ)
何かがあり、それがもたらした結果がシアンの肉体に作用したのであれば、非常に興味深いことである。
とはいえ、まだデータは足りない。
面白そうな発見をしつつ、推測の精度を向上させるにはそれなりの数が欲しいところである。
そう思いつつ、毎日やらせるのも流石に不味そうなので、数日おきにこっそり仕込もうかとワゼは企むのであった‥‥‥
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