拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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春が近づき、何かも近づく

#233 ネーミングセンスデス

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SIDEシアン

‥‥‥怪物たちが湧き出ている穴を、注射器で中身を押すように上から氷塊で潰していき、下降していく。

 そしてズンッっと音がして、下降が止まった。

「大体ここら辺が、最下層かな?」
「薄暗いですね…‥‥ライト点灯」

 流石に深い部分では暗くなっており、ワゼがそうつぶやくと彼女の目が光り、辺りを照らす。

「‥‥‥目、光ったっけ?」
「普段は使わないだけデス。それに、拡散状態なのでただの灯りになりマス」

 拡散状態?それって光を集中してレーザーとか…‥‥いや、考えるのはよそう。

 今は取りあえず、この穴の奥底にいるであろう元凶を捜すのみである。


 そう思い、周囲を見渡してみるが、上よりもどうやらこの奥底の方が広い。

 氷塊の下を見れば、潰された怪物たちが見えており、湧き出ているこれ以上下から湧き出ている様子もない。


「っと、あそこが怪しいかな?」

 ふと、ワゼのライトで照らされた壁際に大きな穴が見え、そこから怪物たちが新たに出て来た。

 ここが本拠地というべき場所でもあるのか、出て来たのはどう見ても先ほどの雑魚たちよりも屈強そうなものが多い。

【フンゲェェッ!!】
【ボンガァァァッ!!】
【マッチョォォォォン!!】

「‥‥‥ちょっと待て、最後の奴だけやけに筋肉を見せつけているんだけど」
「ふむ…‥‥どうやら材料不足のようデス。他の怪物たちへ回す分を注入した分、中身がおかしくなったと思われマス」


 何にしても、相手がどの様な怪物であれ、この奥から出て来たという事は元凶はそこに潜んでいるに違いない。

 このまま怪物たちをふっ飛ばしても良いが、そこで僕はある事を思いついた。

「ワゼ、あの横穴って一直線?」
「音響調査‥‥‥ええ、そのようデス。斜め上の方へ伸び、奥の方に怪しげな反応があり、おそらくそれが元凶デス」
「なるほど。一直線ならさっきと同じ手が使えるね」

 このまま中へ突き進み、出てくる怪物たちを蹂躙して元凶の元まで行くのも良いが、それよりも手ッとrばやい手段がある。

【フンゲェェェ!!】

 僕が思いつき、行動に移そうとしたところで怪物たちが迫ってきており、襲おうとしてきたが…‥‥もう遅い。

「一気に殲滅したほうが楽だからね。『ボルケーノインパクト』!!」

 怪物たちが襲う寸前に魔法を発動させ、強烈な炎が噴き出す。

 そのまま押し流し、穴の中に入っても勢いはとどまることを知らず、どんどん奥へ業火が攻めいる。

【ギゲェェ!?】
【マッチョォォォン!?】
【フンギャァァァァァ!?】

 断末魔が聞こえてきたが、燃え盛る炎が焼き尽くしていき、だんだん穴の周囲が熱によって溶解されていく。

 



‥‥‥数分後、この程度で良いかと思い、今度は入るために冷却していく。

 流石に高温になっている場所に入り込むのは怖いし、ある程度冷やさねば動きにくいだろう。

 氷の魔法を使い、大体氷結したところで僕らは進み始めた。


 先ほどの超高温によって、あちこちがガラス状に変化しており、所々に燃えカスが残っている。

 怪物たちの材料に人肉があった分、人がいたかもしれないが…‥‥この様子だと、多分いないような気もする。

 そう思いながら奥へ進むと、雰囲気が違う部屋に出た。

「ここは…‥‥」


 あちこちが焦げてはいるが、どうも耐火性があったのかギリギリ形を保っているものが多い。

 だが、この場所はただの穴を掘っただけの場所というよりも、何処か教会というか、神殿じみたというか‥‥‥

「怪物の出た時間とかを考えると、短い時間でここまで作ることはできなさそうなものだけど‥‥‥」
「材料は、土でもないようですし、詳しい分析を‥‥‥ッツ!!ご主人様、敵デス!!」
「!?」

 ワゼがそう叫び、とっさに衣を展開して盾にすると、何かがぶつかる音がした。

ドッゴォォン!!
「っと、魔法か!!」

 爆発する魔法のようで、間に合わなかったら不味いほどの力。

 その魔法が放たれた方を見てみれば、そこにはいつのまにか人影があった。


【‥‥‥ヂッ、不意ヲツケナカッタカ】

 カタカタと歯を鳴らして出てくる声。

 そこにいたのはスケルトンのような全身ガイコツみたいな容貌だが、骨が白くなく、紫水晶というべきような材質で出来ており、ボロボロの焦げたローブを纏い、手には大きな黒い球を付けた杖を持っている。

 その目の部分には眼球は無いが、暗い中に赤い光があり、しれが眼の代わりのように思えた。


「へぇ、あの火の中で生きていたのか‥‥‥いや、アンデッドだからこそ死んではいなかったのか?」
【ヤハリ、アノ業火ハ貴様カ。オノレ、ヨクモ一方的ナ攻撃ヲ‥‥‥】

 僕の言葉に対して、アンデッドモンスターらしい相手は怒っているようにガタガタと歯を鳴らしながらそう答える。

「見た目的には、モンスターのリッチのようですが…‥‥データとは少々違いますネ。ですが、元凶で間違いないようデス」
【リッチ?イヤ、違ウ!!】

 ワゼの言葉が聞こえたのか、相手はそう叫ぶ。

【アノヨウナアンデッドナンゾ、我デハナイ!!我コソ魔王ト名乗レルハズダッタ・・・・・・・・・者!!リッチキング?リッチロード?違ウ!!我ハ偉大ナル死者ノ王、『ハデライス』ダァァァァ!!】

 そう高らかに宣言するアンデッド・・・・ハデライス。


「そうか、ハゲデースだからだから頭がそんなにつるつるに」
【ハデライス!!】
「なるほど、バカデースと公言して無能っぷりを見せつけるという、斬新な手段ですカ」
【ダカラハデライスト名乗ッテイルダロウガァァァァ!!貴様ラノ耳ハ腐ッテルノカァァァァァァ!!】

 ゴメン、なんかおちょくりたくなった。

 いや何というか、センスがないというか、色々と馬鹿っぽさが見えるというか…‥‥あれが今回の元凶と考えたくないというか…‥‥

【クソウクソウ!!ナンデ復活早々コンナ奴ガ相手ナンダ!!転生前・・・ト変ワラヌデハナイカァァァァァ!!】
「‥‥‥転生前?」

 その叫びの中で、ふと僕はその言葉を聞き取った。

「まさかとは思うが、お前、転生者ってやつか?」
【ヌ?ソウダ!!我ハ地球カラノ転生者。サレドモコノ世界デ魔王ニナロウトシタ男デモアルノダァァ!!】

 その問いかけに対して、堂々と答えるバカデースもといハデライス。

‥‥‥何と言うか、こんな形で同郷というべき様な人と出会いたくなかったなぁと、物凄く残念に思うのであった。
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