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幸せを乱されたくないので、徹底したい
#357 試験というのも必要なのデス
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SIDE裏部隊&特殊医療部隊
…‥‥シスターズ10、ツェーン率いる裏部隊。
彼女達は今、闇夜に紛れて各所へ潜り込み、様々な情報を探りだしていた。
「‥‥‥簡単というか、あっけないデース。見張りぐらい、付けておくべきデース」
そう文句を言うが、仕方が無い事なのかもしれない。
彼女達が潜り込んでいる者たちは、どうもそのあたりの資金が不足しているというか、無駄な事にはカネを回さないというか、それともそこまで頭が回っていないというべきか‥‥‥何にしても、楽なので良いのだろう。
できればこの部隊の真価を発揮させるために、より厳重なところへ潜り込んでみたかったという希望もあるが、そう世のなか都合よくはない。
少々物足りなさにがっかりしながらも、着々と仕事を進めていく。
「あとはこことここ‥‥‥ええ、連絡デース?ふむふむ、それならそっちは増刷を頼むのデース」
通信を取りながら別の場所に潜りこませた者たちと確認しあい、仕事を終わらせる。
「あとはドライ、そっちは任せるのデース」
「スー!」
ツェーンたちと入れ替わるようにして、静かに紛れ込むのは、ドライ率いる特殊医療部隊。
ぐっすりと眠っているであろうここの者たちに対して、今回試験運用も兼ねての実験を施すために、わざわざ来たのである。
ちゃきんっと各々でメスを構え、注射器で素振りをし、怪しい薬物をそっと取り出す。
その様子を見ながらも、ツェーンは自分たちの方で行うべきこととのために、闇夜へ再び舞い戻るのであった…‥‥
―――――――――――――――――
SIDE大商売部隊
「トゥ~トゥ~♪」
鼻歌を歌いながらも、仕事をこなしていくツヴェルフ率いる大商売部隊。
本来は商国のほうで活動を行うのだが、せっかくの王国出張状態でありつつ、部隊の試験運用のためにここで活動しているのだ。
「トゥ~トッ」
ぽんっとハンコを押し、計算をフロンたちの方から伝達され、その結果と比べつつ、そこに積まれている書類をこなし、しっかりと記録も取っていく。
商人でもあるからこそできる手段‥‥‥流通経路に関しての書類決済などに関して扱える能力を利用しているのだ。
今はまだ、人々がぐっすりと眠りこける深夜であり、ココの書類をこなすべきものも寝ているようで、潜り込んで色々あれやこれやと仕掛けるのは都合が良かった。
「トゥ」
ある程度作り、処分し、混ぜ込んだところで仕事が終わり、彼女達はその場を退散していく。
素人目で見るだけでは、何をしていたのかは分からない。
けれども、分かる者が見れば、それはそれは非常に厄介なものを残させてもらっていたのであった。
―――――――――――――――――――
SIDEシアン
「‥‥‥で、一応全員、準備は終えたと」
「ええ、そうデス」
まだ城内は真っ暗な中、僕はワゼからその報告を受けていた。
ハクロたちはぐっすりと眠っているので小声で話しつつ、きちんと全ての準備が終わったことに、その素早さに対して驚愕する。
「思った以上に早いね…‥‥各自で手分けしてできるからかな?」
「それもありますが、個人個人で成長しているのもあるでしょウ。処理速度も任せつつ、並行して考え、常にどうすべきか最適化できてますので、より合理的に事が進んだともいえマス」
人数も増え、能力も向上しているようで、その上経験もどんどん積み重ねている。
ゆえに、これまで以上の工作などもできるようなったようで、かなりスムーズに事が進んだようだ。
まぁ、何にしてもやるべきことは皆、やり終えたわけだ。
ワゼの作ったシスターズ、更にその率いる部隊の試験運用と、ハクロたちへ害をなそうとする者たちへの排除を兼ねた作戦ではあったが‥‥‥この様子ならほとんど成功である。いや、むしろ失敗する可能性が見えないな。
‥‥‥内心、ちょーっとばかりやり過ぎたような気がしなくもないが‥‥‥うん、容赦しなくていいか。下手に放置すれば不味いものだけど、そこはできるだけ見ておかないとね。
あとは朝になって、そこからその者たちがいつ気が付くのかというタイミングを見たいが…‥
「記録できる?」
「可能デス。しかも、これまで中継するか、静止画による映像での報告が多かったですが、遂に技術の進歩により、完全高解像度長期記録映像としてお送りすることもできマス」
「そうか」
要するに、高品質なビデオカメラなのだが、それに記録してみせてもらえればいいだろう。
ついでにそれは、今回の報告だけではなく、ヒルドやオルトリンデたち、娘たちの記録もしたいな…‥親として、子供の成長の証を記録したくなるからね。
もともと記録する魔道具もあるらしいが‥‥‥まぁ、そっちは高かったり、画像の質がちょっと悪いらしい。
なので、改めて作ってもらったそれを利用しない手はないだろう。
とにもかくにも、まずは朝日が楽しみなのであった…‥‥
「ついでに、立体映像化もできていマス。こちらがそうデス」
「予想付いていたけど、実際に見るとすごいねこれ。しかも手で触れてくるくる回せるのか…‥‥」
‥‥‥技術の進歩には、注意しないとね。そのうち映像を本物にとか、某青猫ロボの道具以上のものを作りかねないからなぁ‥‥‥
…‥‥シスターズ10、ツェーン率いる裏部隊。
彼女達は今、闇夜に紛れて各所へ潜り込み、様々な情報を探りだしていた。
「‥‥‥簡単というか、あっけないデース。見張りぐらい、付けておくべきデース」
そう文句を言うが、仕方が無い事なのかもしれない。
彼女達が潜り込んでいる者たちは、どうもそのあたりの資金が不足しているというか、無駄な事にはカネを回さないというか、それともそこまで頭が回っていないというべきか‥‥‥何にしても、楽なので良いのだろう。
できればこの部隊の真価を発揮させるために、より厳重なところへ潜り込んでみたかったという希望もあるが、そう世のなか都合よくはない。
少々物足りなさにがっかりしながらも、着々と仕事を進めていく。
「あとはこことここ‥‥‥ええ、連絡デース?ふむふむ、それならそっちは増刷を頼むのデース」
通信を取りながら別の場所に潜りこませた者たちと確認しあい、仕事を終わらせる。
「あとはドライ、そっちは任せるのデース」
「スー!」
ツェーンたちと入れ替わるようにして、静かに紛れ込むのは、ドライ率いる特殊医療部隊。
ぐっすりと眠っているであろうここの者たちに対して、今回試験運用も兼ねての実験を施すために、わざわざ来たのである。
ちゃきんっと各々でメスを構え、注射器で素振りをし、怪しい薬物をそっと取り出す。
その様子を見ながらも、ツェーンは自分たちの方で行うべきこととのために、闇夜へ再び舞い戻るのであった…‥‥
―――――――――――――――――
SIDE大商売部隊
「トゥ~トゥ~♪」
鼻歌を歌いながらも、仕事をこなしていくツヴェルフ率いる大商売部隊。
本来は商国のほうで活動を行うのだが、せっかくの王国出張状態でありつつ、部隊の試験運用のためにここで活動しているのだ。
「トゥ~トッ」
ぽんっとハンコを押し、計算をフロンたちの方から伝達され、その結果と比べつつ、そこに積まれている書類をこなし、しっかりと記録も取っていく。
商人でもあるからこそできる手段‥‥‥流通経路に関しての書類決済などに関して扱える能力を利用しているのだ。
今はまだ、人々がぐっすりと眠りこける深夜であり、ココの書類をこなすべきものも寝ているようで、潜り込んで色々あれやこれやと仕掛けるのは都合が良かった。
「トゥ」
ある程度作り、処分し、混ぜ込んだところで仕事が終わり、彼女達はその場を退散していく。
素人目で見るだけでは、何をしていたのかは分からない。
けれども、分かる者が見れば、それはそれは非常に厄介なものを残させてもらっていたのであった。
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SIDEシアン
「‥‥‥で、一応全員、準備は終えたと」
「ええ、そうデス」
まだ城内は真っ暗な中、僕はワゼからその報告を受けていた。
ハクロたちはぐっすりと眠っているので小声で話しつつ、きちんと全ての準備が終わったことに、その素早さに対して驚愕する。
「思った以上に早いね…‥‥各自で手分けしてできるからかな?」
「それもありますが、個人個人で成長しているのもあるでしょウ。処理速度も任せつつ、並行して考え、常にどうすべきか最適化できてますので、より合理的に事が進んだともいえマス」
人数も増え、能力も向上しているようで、その上経験もどんどん積み重ねている。
ゆえに、これまで以上の工作などもできるようなったようで、かなりスムーズに事が進んだようだ。
まぁ、何にしてもやるべきことは皆、やり終えたわけだ。
ワゼの作ったシスターズ、更にその率いる部隊の試験運用と、ハクロたちへ害をなそうとする者たちへの排除を兼ねた作戦ではあったが‥‥‥この様子ならほとんど成功である。いや、むしろ失敗する可能性が見えないな。
‥‥‥内心、ちょーっとばかりやり過ぎたような気がしなくもないが‥‥‥うん、容赦しなくていいか。下手に放置すれば不味いものだけど、そこはできるだけ見ておかないとね。
あとは朝になって、そこからその者たちがいつ気が付くのかというタイミングを見たいが…‥
「記録できる?」
「可能デス。しかも、これまで中継するか、静止画による映像での報告が多かったですが、遂に技術の進歩により、完全高解像度長期記録映像としてお送りすることもできマス」
「そうか」
要するに、高品質なビデオカメラなのだが、それに記録してみせてもらえればいいだろう。
ついでにそれは、今回の報告だけではなく、ヒルドやオルトリンデたち、娘たちの記録もしたいな…‥親として、子供の成長の証を記録したくなるからね。
もともと記録する魔道具もあるらしいが‥‥‥まぁ、そっちは高かったり、画像の質がちょっと悪いらしい。
なので、改めて作ってもらったそれを利用しない手はないだろう。
とにもかくにも、まずは朝日が楽しみなのであった…‥‥
「ついでに、立体映像化もできていマス。こちらがそうデス」
「予想付いていたけど、実際に見るとすごいねこれ。しかも手で触れてくるくる回せるのか…‥‥」
‥‥‥技術の進歩には、注意しないとね。そのうち映像を本物にとか、某青猫ロボの道具以上のものを作りかねないからなぁ‥‥‥
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