絡みあうのは蜘蛛の糸 ~繋ぎ留められないのは平穏かな?~

志位斗 茂家波

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移り変わる季節と、変わる環境

log-095 思いっきり見えてきた時点で

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 大闘争会は続かなく進むが、それと同時にとある異常も少しづつ進んでいった。

 最初こそ、単純に張り切って興奮し、力が出ているだけだと思われていたのだろう。

 力を使う競技ならではの活かしように、歓声の声も上がっていたが…だんだん、その異常性が見えてくれば次第におかしいと感じ取る。

 いや、流石にこれは…


「ふしゅうううううう!!ふしゅうううううう!!」
「お、おい大丈夫か!?どう見ても、何かやらかしましたって感じの変貌ぶりなんだが」
「へへへへ、大丈夫、大丈夫だぜ、力がどんどん中から溢れ出て来て…うずうずして、収まりきらないだけだ…ぶしゅうううう!!」
「どう見ても異常だろ!!」


…大闘争会の午後の部、その休憩時間。

 貴族側の生徒たちは次の競技に備えて休息をとっていたのだが、目に見えすぎる数人の以上に対して心配で声をかけた。


 どう見ても、その容姿の変化は普通ではないのだ。

「何だよ、その膨れ上がった身体…血管も浮き上がって、異常な状態としか言いようがないじゃないか!!」
「大量に発汗しているし、誰がどう見てもヤバい容体なんだが!!」

 そう、その異常者の肉体は異形の状態になりつつあった。
 まだかろうじて、人間としての外観は保てているであろう。

 ギリギリ超急成長を遂げてマッチョになったとも言えなくもないが…そんなものがありえるはずもない。

「何をどうしたのかはわからんが、さっさと医者に診てもらうほうが良いって」
「だ、だから大丈夫ダイジョウブダイジョウブダッテデデデデデ」
「イッテイッテイッテイテエェェェエ!」
ブシュウウウウウウウウウウウウウウウ!!





ドッゴォォォォォォォン!!

「っと!?なんだなんだ!?」
「あっちは、貴族の生徒たちが休んでいる方の…なんだありゃ!?」

 突然、闘技場内に響き渡った爆音。

 その場にいた者たちがパニックになる中、何人かは音の下方向へ目を向け、さらに驚愕をさせられる。

 そこには蠢く肉が…膨れ上がった筋肉ダルマのような物がいたのだ。

「も、モンスター!?」
「いや、何か様子がおかしいぞ!!」

【ーーー!!観客の皆さま、至急避難ヲ!!】

 異常事態に対し、素早く実況席から飛び出すファイ。

【スラ・バインド!!】

 腕を大きく振りかぶり、その肉の塊へめがけて大きく広げ、包み込む。

【っとこちらも拘束手伝います!!フィンガーネット!!】
【なのなの、根っこたち頼むのなの!!】

粘り気のあるスライムに、強靭な糸、強固な根っこによって突如として出てきた肉は抑え込まれる。

グググググググゥウウウウ!!
【っつ、きついかモ】

 しかし、巨大な肉の膨張を抑え込むのはそう長くは持たなさそうであった…
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