128 / 238
少し広がっていく関係性
log-118 国の特色はそれぞれで
しおりを挟む
…道中で賊に遭遇したが、それは想定内の事。
前世とは違い、絶対安全な道などもなく、この世界ならではのモンスターによる襲撃や、それ以外のものもある程度想定して対応する必要があるだろう。
まぁ、この面子で言えば過剰戦力にもほどがあるレベルなのでそこまで問題も無いが…
「…賊の中に、エルメリア帝国の貴族の手が混ざっていたか」
【どうやらそのようですネ。とはいえ、単純に何かの大きな悪の組織の加担しているようなものではなく、思い付きの大馬鹿ものと言えるような方がやらかしたようですヨ】
帝国の帝都目前にて、入ってきた情報。
数日前に、ジャックたちを襲撃し、見事にハクロ達によって加減の練習も兼ねた実験台扱いであしらわれた盗賊たちに関して、その身元が出てきたようだ。
その一部が、どうも帝国の貴族も混ざっていたようで…今後の帝国内の動きにおいて、面倒ごとになりそうな予感も感じさせるだろう。
【まぁ、大丈夫だぜ、我が君。変な輩が出たら、オレが魔法で一掃…とまでせずとも、拳で爆散させれば問題ないと思うぜ】
【いや、問題しかないと思うのなの。爆散で人にトラウマ植え付ける気なの?】
【昔、聖女様が似たようなことをやった思い出が…流石に爆散はしなかったが、粉砕させたインパクトは、おとなしくさせるのに一役買ったが、その後の空気が地獄だったぞ】
帝国内にて歓迎されない可能性も出てきているが、それはわかっていること。
モンスターである彼女たちはジャックの従魔として登録されているとはいえ、それでも危険視してくる者たちはいるだろう。
いや、危険視ではなくその容姿狙いと言う可能性も否定できないが…何にしても、自国ではない場所だからこそ、警戒をしておいて損はない。
【さらっとルミの発言の聖女に関して、流しませんでした?】
「なんというか、今までの情報をまとめると聖女というか凄女のように聞こえてくるし、考えるだけ無駄だと思うようになったんだよね」
それはさておき、面倒事が来ないように警戒は強めておくが、それでもこれからジャックたちは帝国の中へ…エルメリア帝国の首都、帝都エルメリアに入り、そこにある教育機関でしばらく留学で滞在する立場であるため、学業のほうもしっかりと意識を向けるべきだろう。
下手に動かずに、おとなしく過ごせばそれだけでも問題はだいぶ減るはずである。
「それにしても、事前情報で帝都に関してどのようなものなのか情報を仕入れてきたとはいえ、グラビティ王国の王都とはまた違った作りになっているんだね」
モンスターや盗賊、そういった危険物から守るために、異世界の王道的な周囲を壁に囲まれた都市と言う部分は、同じようにはなっている。
しかし、帝国の帝都の場合はさらに、守りを固めた構造になっているらしい。
「層に分かれての構造か…外から入ってすぐの第1層は店などが多く点在して、第2層で平民や学業用の施設などがある街並みがそろって、第3層目に各貴族たちの帝都の拠点の邸が並んで、そして第4層で中央の城か…」
【奥に行けば行くほど、より重要なものを守る形のようだな】
【しかも、王国の壁は石造りなのに対して、帝都の壁には中に分厚い鉄板も仕込まれてより頑丈になっているようですネ】
王道と言って良いような作りだが、ここまで頑丈にしているのには一つ訳があるらしい。
何しろ、エルメリア帝国は過去に各国へ戦争を仕掛けまくった歴史が存在しており、今の皇帝は穏やかに友好関係を築き上げる方針を取っているとはいえ、過去の傷を忘れられない者たちも多い。
それゆえに、王国以上に狙う輩が多く存在しており、モンスターよりも人をより重点的に防止できるようになっているそうだ。
【ついでに、地下からの侵入防止のために、城の範囲の床もガッチガチに固めてあると…空は良いのなの?】
【そこは帝国軍特殊空戦戦闘部隊シン・マチョポッポ部隊なるものがあるとかなんとか】
「マチョポッポ便利なもの扱いにされていない?」
なお、各国に似たような秘密マチョポッポ部隊はあるらしい。
名義上はマチョポッポにして、本当は別物の道具だったりするらしいが…空を制覇できるような存在と言えば、マチョポッポが連想されるようだ。ドラゴンとかのほうがもっとそれっぽい気がしなくもないが…竜種騒動等の例があるからか、まだ安全そうな面を考慮してだろうか。
色々と気になるところがあるが、もう間もなく到着するエルメリア帝国の帝都。
そこでの生活にやってくる面倒事への対抗策を考えつつ、先へ向かうのであった…
【…まぁ、正直言ってこれだけの防御があっても、私たちなら楽に突破できそうですが】
「まず、やるようなことは起きないと思うけどね…」
…確かにハクロなら糸でよじ登れそうだし、カトレアなら無理やり隙間から植物を生やし、ルミならぶった切ったり、ファイなら溶かすか進入して、ルトライトは魔法か怪力で…でもまぁ、いくら何でもよりやばい奴が来た時の対策もしていないとは限らない…よね?
前世とは違い、絶対安全な道などもなく、この世界ならではのモンスターによる襲撃や、それ以外のものもある程度想定して対応する必要があるだろう。
まぁ、この面子で言えば過剰戦力にもほどがあるレベルなのでそこまで問題も無いが…
「…賊の中に、エルメリア帝国の貴族の手が混ざっていたか」
【どうやらそのようですネ。とはいえ、単純に何かの大きな悪の組織の加担しているようなものではなく、思い付きの大馬鹿ものと言えるような方がやらかしたようですヨ】
帝国の帝都目前にて、入ってきた情報。
数日前に、ジャックたちを襲撃し、見事にハクロ達によって加減の練習も兼ねた実験台扱いであしらわれた盗賊たちに関して、その身元が出てきたようだ。
その一部が、どうも帝国の貴族も混ざっていたようで…今後の帝国内の動きにおいて、面倒ごとになりそうな予感も感じさせるだろう。
【まぁ、大丈夫だぜ、我が君。変な輩が出たら、オレが魔法で一掃…とまでせずとも、拳で爆散させれば問題ないと思うぜ】
【いや、問題しかないと思うのなの。爆散で人にトラウマ植え付ける気なの?】
【昔、聖女様が似たようなことをやった思い出が…流石に爆散はしなかったが、粉砕させたインパクトは、おとなしくさせるのに一役買ったが、その後の空気が地獄だったぞ】
帝国内にて歓迎されない可能性も出てきているが、それはわかっていること。
モンスターである彼女たちはジャックの従魔として登録されているとはいえ、それでも危険視してくる者たちはいるだろう。
いや、危険視ではなくその容姿狙いと言う可能性も否定できないが…何にしても、自国ではない場所だからこそ、警戒をしておいて損はない。
【さらっとルミの発言の聖女に関して、流しませんでした?】
「なんというか、今までの情報をまとめると聖女というか凄女のように聞こえてくるし、考えるだけ無駄だと思うようになったんだよね」
それはさておき、面倒事が来ないように警戒は強めておくが、それでもこれからジャックたちは帝国の中へ…エルメリア帝国の首都、帝都エルメリアに入り、そこにある教育機関でしばらく留学で滞在する立場であるため、学業のほうもしっかりと意識を向けるべきだろう。
下手に動かずに、おとなしく過ごせばそれだけでも問題はだいぶ減るはずである。
「それにしても、事前情報で帝都に関してどのようなものなのか情報を仕入れてきたとはいえ、グラビティ王国の王都とはまた違った作りになっているんだね」
モンスターや盗賊、そういった危険物から守るために、異世界の王道的な周囲を壁に囲まれた都市と言う部分は、同じようにはなっている。
しかし、帝国の帝都の場合はさらに、守りを固めた構造になっているらしい。
「層に分かれての構造か…外から入ってすぐの第1層は店などが多く点在して、第2層で平民や学業用の施設などがある街並みがそろって、第3層目に各貴族たちの帝都の拠点の邸が並んで、そして第4層で中央の城か…」
【奥に行けば行くほど、より重要なものを守る形のようだな】
【しかも、王国の壁は石造りなのに対して、帝都の壁には中に分厚い鉄板も仕込まれてより頑丈になっているようですネ】
王道と言って良いような作りだが、ここまで頑丈にしているのには一つ訳があるらしい。
何しろ、エルメリア帝国は過去に各国へ戦争を仕掛けまくった歴史が存在しており、今の皇帝は穏やかに友好関係を築き上げる方針を取っているとはいえ、過去の傷を忘れられない者たちも多い。
それゆえに、王国以上に狙う輩が多く存在しており、モンスターよりも人をより重点的に防止できるようになっているそうだ。
【ついでに、地下からの侵入防止のために、城の範囲の床もガッチガチに固めてあると…空は良いのなの?】
【そこは帝国軍特殊空戦戦闘部隊シン・マチョポッポ部隊なるものがあるとかなんとか】
「マチョポッポ便利なもの扱いにされていない?」
なお、各国に似たような秘密マチョポッポ部隊はあるらしい。
名義上はマチョポッポにして、本当は別物の道具だったりするらしいが…空を制覇できるような存在と言えば、マチョポッポが連想されるようだ。ドラゴンとかのほうがもっとそれっぽい気がしなくもないが…竜種騒動等の例があるからか、まだ安全そうな面を考慮してだろうか。
色々と気になるところがあるが、もう間もなく到着するエルメリア帝国の帝都。
そこでの生活にやってくる面倒事への対抗策を考えつつ、先へ向かうのであった…
【…まぁ、正直言ってこれだけの防御があっても、私たちなら楽に突破できそうですが】
「まず、やるようなことは起きないと思うけどね…」
…確かにハクロなら糸でよじ登れそうだし、カトレアなら無理やり隙間から植物を生やし、ルミならぶった切ったり、ファイなら溶かすか進入して、ルトライトは魔法か怪力で…でもまぁ、いくら何でもよりやばい奴が来た時の対策もしていないとは限らない…よね?
45
あなたにおすすめの小説
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される
秋.水
ファンタジー
記憶を無くした主人公は魔法使い。しかし目立つ事や面倒な事が嫌い。それでも次々増える家族を守るため、必死にトラブルを回避して、目立たないようにあの手この手を使っているうちに、自分がかなりヤバい立場に立たされている事を知ってしまう。しかも異種族ハーレムの主人公なのにDTでEDだったりして大変な生活が続いていく。最後には世界が・・・・。まったり系異種族ハーレムもの?です。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる