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選択は人次第
log-176 当事者以外はお祭り騒ぎで
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―――面白いことに対して、全力を注ぐのは人であろうとそうでなかろとうも、何者も変わらないもの。
その面白い事としてて今回は、ジェルブライド伯爵家の子息であるステライトが、あの従魔たちを引き連れているグラビティ王国の留学生であるジャックへ、決闘を挑んだこともまた含まれている。
どのような事情があったとしても、当事者でないのならば憶測でしか物事を推し量ることができず、その挑むだけの無謀さや挑戦心などに目を引かれ、誰も彼もが気になり、騒ぎになるのは目に見えていたこと。
いや、そもそもの話として、このエルメリア帝国の学園で取り決められた決闘自体が、過去に何度も起きていることだが、その度に何かしらの出来事が生じているのもあり、気にならない人がいないわけではない。
『それゆえに今ぁ!!会場の盛り上がりはヒートアップしていまース!!皆さま、本日の決闘は楽しみにしていましたカー!!』
「「「いぇぇぇぇぇい!!」」」
『なお、本日の決闘の司会者として、ギルドより派遣…というか、当事者の従魔であるあたしファイと!!』
『このノリに巻き込まれた教師リアが解説役としてお送りいたします』
「「「いやっはぁぁぁぁぁっ!!」」」
(‥‥おい、絶対にノリが良すぎるだろ、この観客たち。どれだけ娯楽に飢えているんだ)
(まぁ、楽しみは誰もが探し求める、永遠のお宝みたいなものですからネ)
エルメリア帝国の学園専用決闘場。
そこの観客席には今、生徒や教師、その他学園関係者や外部からのチケット購入で入ってきた者たちでひしめき合っており、決闘をどれほど楽しみにしている人は多い様子。
娯楽と言うものはいつの時代も求めている人は多くあり、だからこそ逃せないのだろう。
今回の決闘の当事者が学園の生徒のため、決闘時の魅せる技術などは未熟な部分もあるだろうが、だからこそ新鮮なのだという人もおり、問題は無い。
実況席では拡声の魔道具を使ってファイたちが軽く今回の決闘に関して説明をし、選手の入場となる。
『さてさてぇ!!そんなわけでマスター…コホン、今グラビティ王国からの留学生にして、従魔を従えている彼に決闘を挑んだものからの入場でース!!宝石事業はお任せあれ、ジェルブライド伯爵家のご子息、ステライト選手の入場!!』
「「「わぁぁぁ!!」」」
決闘場の入場口の一つから出てきたのは、騎士鎧に身を包んだステライトの姿。
『今回は武器や魔法を使っての戦いのため、防具でガッチガチに身を固めておくのは当たり前ですネ。剣と盾でバランスを整えつつ、遠距離からの魔法攻撃や、近接戦闘に備えているようですが…それが果たしてマスターに通じるでしょうカ』
『おい、一応我々は今実況だ。どちらも公平に見る必要があるからこれ以上言うな』
『わかっていますヨ。さて、それではもう一方の…決闘を挑まれた側の選手、ジャックの登場でース!!』
「「「うぉぉぉぉ!!」」」
ファイの言葉と共に、もう片方の入場口から現れたのはジャックの姿。
その身に纏っているのは白いローブであり、手には別の武器が握られていた。
『ほぉ?ジャックのほうは魔法使いの着る衣服っぽく…いや、なんだあの武器。杖じゃなくて手斧か』
『はイ。マスターのサイズでは剣は大きく、かといってナイフではいまいちだったので…しっくりくる武器を探したら、あの手斧…正式名称としては『トマホーク型ステッキ』になりましタ。柄の部分に魔石を埋め込み、杖にもなっているのでス』
一応、魔法を使うための魔石を埋め込んだ杖にもなっており、遠近両方に対応できるようになっているらしい。
『トマホークか…個人的に言えば、剣で揃えたほうが良かった気がしなくもないが、しっくりくる武器があるならばそれでいいだろう』
『そっちもちょっと、偏ってないですカ?』
とにもかくにも、両者ともに無事に決闘場へ姿を現し、今まさにここで戦いが行われるのであった…
その面白い事としてて今回は、ジェルブライド伯爵家の子息であるステライトが、あの従魔たちを引き連れているグラビティ王国の留学生であるジャックへ、決闘を挑んだこともまた含まれている。
どのような事情があったとしても、当事者でないのならば憶測でしか物事を推し量ることができず、その挑むだけの無謀さや挑戦心などに目を引かれ、誰も彼もが気になり、騒ぎになるのは目に見えていたこと。
いや、そもそもの話として、このエルメリア帝国の学園で取り決められた決闘自体が、過去に何度も起きていることだが、その度に何かしらの出来事が生じているのもあり、気にならない人がいないわけではない。
『それゆえに今ぁ!!会場の盛り上がりはヒートアップしていまース!!皆さま、本日の決闘は楽しみにしていましたカー!!』
「「「いぇぇぇぇぇい!!」」」
『なお、本日の決闘の司会者として、ギルドより派遣…というか、当事者の従魔であるあたしファイと!!』
『このノリに巻き込まれた教師リアが解説役としてお送りいたします』
「「「いやっはぁぁぁぁぁっ!!」」」
(‥‥おい、絶対にノリが良すぎるだろ、この観客たち。どれだけ娯楽に飢えているんだ)
(まぁ、楽しみは誰もが探し求める、永遠のお宝みたいなものですからネ)
エルメリア帝国の学園専用決闘場。
そこの観客席には今、生徒や教師、その他学園関係者や外部からのチケット購入で入ってきた者たちでひしめき合っており、決闘をどれほど楽しみにしている人は多い様子。
娯楽と言うものはいつの時代も求めている人は多くあり、だからこそ逃せないのだろう。
今回の決闘の当事者が学園の生徒のため、決闘時の魅せる技術などは未熟な部分もあるだろうが、だからこそ新鮮なのだという人もおり、問題は無い。
実況席では拡声の魔道具を使ってファイたちが軽く今回の決闘に関して説明をし、選手の入場となる。
『さてさてぇ!!そんなわけでマスター…コホン、今グラビティ王国からの留学生にして、従魔を従えている彼に決闘を挑んだものからの入場でース!!宝石事業はお任せあれ、ジェルブライド伯爵家のご子息、ステライト選手の入場!!』
「「「わぁぁぁ!!」」」
決闘場の入場口の一つから出てきたのは、騎士鎧に身を包んだステライトの姿。
『今回は武器や魔法を使っての戦いのため、防具でガッチガチに身を固めておくのは当たり前ですネ。剣と盾でバランスを整えつつ、遠距離からの魔法攻撃や、近接戦闘に備えているようですが…それが果たしてマスターに通じるでしょうカ』
『おい、一応我々は今実況だ。どちらも公平に見る必要があるからこれ以上言うな』
『わかっていますヨ。さて、それではもう一方の…決闘を挑まれた側の選手、ジャックの登場でース!!』
「「「うぉぉぉぉ!!」」」
ファイの言葉と共に、もう片方の入場口から現れたのはジャックの姿。
その身に纏っているのは白いローブであり、手には別の武器が握られていた。
『ほぉ?ジャックのほうは魔法使いの着る衣服っぽく…いや、なんだあの武器。杖じゃなくて手斧か』
『はイ。マスターのサイズでは剣は大きく、かといってナイフではいまいちだったので…しっくりくる武器を探したら、あの手斧…正式名称としては『トマホーク型ステッキ』になりましタ。柄の部分に魔石を埋め込み、杖にもなっているのでス』
一応、魔法を使うための魔石を埋め込んだ杖にもなっており、遠近両方に対応できるようになっているらしい。
『トマホークか…個人的に言えば、剣で揃えたほうが良かった気がしなくもないが、しっくりくる武器があるならばそれでいいだろう』
『そっちもちょっと、偏ってないですカ?』
とにもかくにも、両者ともに無事に決闘場へ姿を現し、今まさにここで戦いが行われるのであった…
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