224 / 238
選択は人次第
log-205 荒療治と終わりの予感
しおりを挟む
…恋愛雑魚ナメクジ。
そう呼ばれても仕方がないことぐらい、彼女たちは自覚していた。
【まぁ、私たちのほうが攻めに回れば強いんですけれどね!】
【一時の不意打ちによる敗北なんぞ、そこまで大した問題でもないぜ】
【…なるほど。よーーーくわかったのなの。なら、頼むのなの】
「えっと…吊るされているハクロとルトライトに対して、口説けと?」
【イエスなの】
【【「ムードもへったくれも何もないこの状況で!?」】】
告白すれば茹で上がり、襲われれば確実に狩られる。
双方ともに攻めの手が強すぎてどうしようもできない状況に対して、もどかしさを覚えたカトレアの手によって、強制的にジャックたちは一室に押し込められていた。
うかつに襲ったり逃げることもできないように、特製の蔓でぎっちぎちに縛られたハクロとルトライト…正直言って、この状況が特殊過ぎて告白どころではない気がしなくもない。
【だけど、そのぐらいしないとなの万が一の時が怖いのなの】
【半分ぐらい、私情が入っているようにも見えるが…】
ルミの言葉に対して、そっと目をそらすカトレア。
そもそもハクロとルトライトが、耐えきれずに襲おうとした際に、止めようとして気絶させられた恨みが残っていないわけがない。
私情を挟まないように…とはいかず、色々と入りまじってしまうのは仕方がない事だった。
【だからこの際、徹底的にやってもらうのなの。安心して、ミーの蔓はぎっちぎちに締め上げているから、告白に耐え切れずに爆発しても、問題ないのなの】
【爆発する時点でやばいんですけれども!?】
【鬼!悪魔!!鬼畜花妖精!!】
【オーガが鬼を叫んでも、意味ないと思うのですガ…】
カトレアの言葉に対して、思わず叫ぶ縛られた二人。
しかし、いかんせん罵倒を言いなれているわけでもなく、語彙力が足りない。
その程度の言葉で、カトレアに響かせることなんてとてものことが無ければ…
【【---断崖絶壁】】
ミキッ、ギチギチィイイイイイイイイイ!!
【…はっ、うっかりしたのなの。何か今、物凄く不快な言葉が…】
「あの、カトレア…二人とも、気絶したんだけど」
逆鱗に触れる、竜の尾を踏む…いやまぁ、カトレアの場合は植物でもあり妖精でもあるからどちらでもないのだが、触れてはいけない部分があるのだ。
それを盛大に踏み抜いた結果が…あの惨状である。
【ううっ…私、色々な意味でお嫁さんになれなくなるところでした…】
【ひどすぎるぜ…オレもヤバかった…】
ほどかれて解放されたが、しくしくと泣く二人。
ぽむぽむとジャックが頭をそっとなで、少しは癒されただろうか。
「…ひとまずまた、やり直したほうがいいかな?」
【いえ…このままグダグダしていても、意味がないです。…ええ、せっかくジャックが頑張って、私たちに告白しようと覚悟を決めていますので‥それに応えるべく、私も…!!】
ぐっとこぶしを握り締め、そう答えるハクロ。
恋愛雑魚蜘蛛などと呼ばれたくはない…その思いは、しっかりとあるのだから。
【だからこそ、ジャック!!今ここでもう一度私たちへ告白を…!!】
【その心、俺も同じだぜ!!我が君、どうか!!】
恥辱をぶちまけたのもあって、二人とも心が決まったようだ。
「…なら、そうしようか」
勢いに任せての気もするが、それでもしっかりとした覚悟が決まったのならば答えないわけにもいかない。
彼女たちの思いに応えなければ、男が廃る。
そう考え、ジャックの方も動こうとした…その時だった。
ーーーーーーーーーズゥンッツ!!
「うわっつ!?」
【きゃぁっ!?】
【な、なんだ!?』
突然、何かが大きく揺れ動くような感覚が生じた。
地震、いや、違う。
それとはまた別のものだ。
「いったい、何が起きた?」
【物凄い巨漢が、ぶっ倒れたとかではなさそうですね】
今の感覚は幻ではなく、外の方に耳を向ければ、同じような感覚を味わった人らしい声が聞こえている。
単純なものではなく、何かこう、もっと嫌な予感が迫っているようであった…
そう呼ばれても仕方がないことぐらい、彼女たちは自覚していた。
【まぁ、私たちのほうが攻めに回れば強いんですけれどね!】
【一時の不意打ちによる敗北なんぞ、そこまで大した問題でもないぜ】
【…なるほど。よーーーくわかったのなの。なら、頼むのなの】
「えっと…吊るされているハクロとルトライトに対して、口説けと?」
【イエスなの】
【【「ムードもへったくれも何もないこの状況で!?」】】
告白すれば茹で上がり、襲われれば確実に狩られる。
双方ともに攻めの手が強すぎてどうしようもできない状況に対して、もどかしさを覚えたカトレアの手によって、強制的にジャックたちは一室に押し込められていた。
うかつに襲ったり逃げることもできないように、特製の蔓でぎっちぎちに縛られたハクロとルトライト…正直言って、この状況が特殊過ぎて告白どころではない気がしなくもない。
【だけど、そのぐらいしないとなの万が一の時が怖いのなの】
【半分ぐらい、私情が入っているようにも見えるが…】
ルミの言葉に対して、そっと目をそらすカトレア。
そもそもハクロとルトライトが、耐えきれずに襲おうとした際に、止めようとして気絶させられた恨みが残っていないわけがない。
私情を挟まないように…とはいかず、色々と入りまじってしまうのは仕方がない事だった。
【だからこの際、徹底的にやってもらうのなの。安心して、ミーの蔓はぎっちぎちに締め上げているから、告白に耐え切れずに爆発しても、問題ないのなの】
【爆発する時点でやばいんですけれども!?】
【鬼!悪魔!!鬼畜花妖精!!】
【オーガが鬼を叫んでも、意味ないと思うのですガ…】
カトレアの言葉に対して、思わず叫ぶ縛られた二人。
しかし、いかんせん罵倒を言いなれているわけでもなく、語彙力が足りない。
その程度の言葉で、カトレアに響かせることなんてとてものことが無ければ…
【【---断崖絶壁】】
ミキッ、ギチギチィイイイイイイイイイ!!
【…はっ、うっかりしたのなの。何か今、物凄く不快な言葉が…】
「あの、カトレア…二人とも、気絶したんだけど」
逆鱗に触れる、竜の尾を踏む…いやまぁ、カトレアの場合は植物でもあり妖精でもあるからどちらでもないのだが、触れてはいけない部分があるのだ。
それを盛大に踏み抜いた結果が…あの惨状である。
【ううっ…私、色々な意味でお嫁さんになれなくなるところでした…】
【ひどすぎるぜ…オレもヤバかった…】
ほどかれて解放されたが、しくしくと泣く二人。
ぽむぽむとジャックが頭をそっとなで、少しは癒されただろうか。
「…ひとまずまた、やり直したほうがいいかな?」
【いえ…このままグダグダしていても、意味がないです。…ええ、せっかくジャックが頑張って、私たちに告白しようと覚悟を決めていますので‥それに応えるべく、私も…!!】
ぐっとこぶしを握り締め、そう答えるハクロ。
恋愛雑魚蜘蛛などと呼ばれたくはない…その思いは、しっかりとあるのだから。
【だからこそ、ジャック!!今ここでもう一度私たちへ告白を…!!】
【その心、俺も同じだぜ!!我が君、どうか!!】
恥辱をぶちまけたのもあって、二人とも心が決まったようだ。
「…なら、そうしようか」
勢いに任せての気もするが、それでもしっかりとした覚悟が決まったのならば答えないわけにもいかない。
彼女たちの思いに応えなければ、男が廃る。
そう考え、ジャックの方も動こうとした…その時だった。
ーーーーーーーーーズゥンッツ!!
「うわっつ!?」
【きゃぁっ!?】
【な、なんだ!?』
突然、何かが大きく揺れ動くような感覚が生じた。
地震、いや、違う。
それとはまた別のものだ。
「いったい、何が起きた?」
【物凄い巨漢が、ぶっ倒れたとかではなさそうですね】
今の感覚は幻ではなく、外の方に耳を向ければ、同じような感覚を味わった人らしい声が聞こえている。
単純なものではなく、何かこう、もっと嫌な予感が迫っているようであった…
31
あなたにおすすめの小説
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される
秋.水
ファンタジー
記憶を無くした主人公は魔法使い。しかし目立つ事や面倒な事が嫌い。それでも次々増える家族を守るため、必死にトラブルを回避して、目立たないようにあの手この手を使っているうちに、自分がかなりヤバい立場に立たされている事を知ってしまう。しかも異種族ハーレムの主人公なのにDTでEDだったりして大変な生活が続いていく。最後には世界が・・・・。まったり系異種族ハーレムもの?です。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる