ダンジョン配信ですよ、我が主 ~いや、貴女が配信したほうが良いような~

志位斗 茂家波

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チャンネル2 地道に広がる他者との交流

第十六話 じっくりねっとり計画は立てるもので

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「チャンネル登録者、1000人たっせーい!」
【イエーイ、ドンドンパフパフ】
「…棒読みな感じがするけど、それでも実際に達成すると感慨深いものがあるな」

…エリーゼを得てから一カ月後、異土の持っていた配信チャンネル登録者がそこそこの登録者数になっていた。

 流石に動画がバズッた等のことはないため、万人とかはいかずとも、それでもまだまだ配信者に入りたての身であれば、この桁に届いたのはかなりの偉業だろう。

「でも、同時に配信による広告やスパチャによる収入も入ってくるわけで…税金対策での計算やら色々と追加が…」
【大丈夫ですよ、ご主人様。メイドたるもの、主の収入や出費、経費や確定申告の計算等は対応できるようになってますからネ。将来に向けての投資関係で株やFX、積み立てのMOTIも、確実に大丈夫なものを選択し、資産運用も可能デス】
「間違ってはない…のかな、その方向で働くメイド」

 少なくとも、武器を持って敵を屠るような動きをするよりも、まともな方向性だとは思いたい。

 でも、やばそうな投資には手を出してほしくはないので、将来を考えるともう少しだけ余裕が出来てからやってもらいたい。
 何ごともギリギリでやるよりも、余裕をもってそこでもう少しだけ遊べる分が出来れば、それだけでいいからね。




「とにもかくにも、せっかくの登録者数記念だし、何かやったほうがいいかな」
【良いですネ。他の各配信者も、100人達成で100回スライムを投げつけてみたとか、2000人達成で二千円の資金だけで、装備品を限界までそろえてみたとか、6000人突破でエロトラップダンジョンに挑んでみたとか、色々あるようですからネ】

 配信者にとって、登録者数を利用して何かしらの記念動画を取ることがある。

 異土もまた、配信を始める前にやれないかなと考えていたこともあったのだが…いかんせん、エリーゼが出たことによってその考えは流されてしまったのである。

 


 それでも落ち着いてきた今日この頃、ふと思い出して確認してみれば、1000人の登録を確認できたので、当初のその考えを思い出したからこそ、出た言葉であった。

 なお、エリーゼが出た当初はそれなりに大騒ぎになっていた割には、爆発的な人数…万人レベルでの登録もありそうだったが、そこまでなかったのはまだ人気のある配信者が数多くいるからこそ、バズったりとかしていないのもあるからだろうと、思っている部分もあるが…その裏事情に関しては、彼は知る由もない。


 ただ単純に、今は1000人の登録者を素直に喜び、企画を考え始めるのであった…


「うーん、初級ダンジョンから初めて中級へ行ってみた…だと内容は薄いかも?」
【今のご主人様であれば通用しそうですが、まだ甘い部分がありますからネ。初級ダンジョン内で、もうちょっと…そう、例えばいっそ斜め上のインパクト重視で、ゴスロリ女装してバレないで挑めるか、って感じのもありそうデス】
「エリーゼがいる時点で、破綻しそうな企画なんだけど…いやまず、何で女装!?」

…なお、エリーゼにショタとか男の娘などに関する知識が増えた裏には、女子たちとの交流で地道に影響を受けているというのも、また彼が知る話ではない。










―――その一方で、また彼にも彼女にも、把握されていないところで、別の動きもあった。



「…ふむ、欲しいな、このメイド」
「お言葉ですが、それは不可能かと。どうも彼女自身の防衛能力も高く、手を出した組織が潰されたなどの話も有るようです

 とある一室内での、配信者たちに関する様々な映像記録が映し出されている中、一人の影がとある配信映像に興味を示し、口に出したが諫める声も上がった。

 彼女に手を出すのは危険だ。

 そう考える裏社会の組織も多く、静観し、中には軽くつながりを簡単に切れる馬鹿を利用して確認する者もまた、その危険性をよく理解させられている。

 マジックアイテムのメイドだからこそ、他のダンジョンでも同様に出土する可能が無いとは言えないし、今すぐにでも欲しいと思うにはまだまだ不明点が多いので、そこまでには至らない。

 だがしかし、それでも興味を引き付ける美貌や性能は有しており…馬鹿すぎる愚者にでもあらず、かといって手を出さずに済む賢者でもない、きわめて普通の物だからこそ、欲望をそっと押しとどめることはできない。

「…だが、マジックアイテムなことには変わりがないだろう?この配信映像がある国だと、戸籍だとかそういうものもあるからこそ、人一人を狙うには情報的にリスクも桁違いだが…マジックアイテムならば、やりようはあるさ」

 にやりと不敵な笑みを浮かべる相手に対して、どうしようもないとあきらめの息を吐く者もいる。

 ひとまずは、そこまでの大騒動にならないように祈るしかできないようであった…


「おや、だが無理に止めようとはしないんだな?」
「今更ですが無駄だと存じておりますので」
「先日別件で、ケツに矢を受けてもなお蠢く、その不屈の心はわかっておりますから」


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