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帰郷、報告、そして‥‥‥
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SIDEフリージア
ドキドキとしながら、月の明かりの下私はゼロさん、いえもう恋仲ですからゼロと一緒に、実家のクロニクル侯爵領へ飛んで帰って来た。
屋敷の扉の前へ立ち、緊張する胸を押さえた。
何しろ、あの大馬鹿野郎の国外追放から1年が経とうとしており、久し振りの帰宅なのだ。
手紙で知らせたとはいえ、恋人の紹介も兼ねてであるので、物凄い緊張しているのである。
ふと横を見てみれば、ゼロも緊張しているのか、やや真面目な顔である。
「それって俺がいつも真面目じゃないとか言いたいのかな」
「あ、考えていること分かりましたか」
少しじとっと見られたけど、すぐに二人そろって深く深呼吸をして気持ちを落ち着け、そして扉に手をかけた。
「ただいま」
その一言を言い、扉を開けると‥‥‥
「「「「「お帰りなさいませフリージア様!!」」」」」
待っていたかのように、使用人たちが皆笑顔で‥‥‥ん?
あ、領内の人まで一緒ですよ!?
まさかのこの侯爵領中の住民全員勢揃いして、出迎えてくれたのであった。
と言うか、どうやって皆入っていたんだろうか‥‥‥出てきた途端に、あっという間に外までどどどどっと怒涛の勢いで広がっていたし、もしかしてギュウギュウ詰めになって待っていたのでしょうか?
疑問に思いつつも、フリージアが見ると、その中に彼女を最も待っていたであろう人物をフリージアが見つけた。
「‥‥‥お帰り、娘よ」
「ただいま、お父様」
フリージアの父であるアルカン・フォン・クロニクル侯爵の言葉に、フリージアは笑みを浮かべてそう言ったのであった。
―――――――――――――――――――――――――――――
SIDEゼロ
‥‥‥予想以上である。
ゼロはそう思いつつ、表面上は冷静さを保たせた。
おそらく領内中の総出での出迎えに、フリージアがどれだけ慕われていたのかと言うのは理解できたのだが、それにしては人数が多すぎるだろうとツッコミを入れたくなった。
フリージアがにこやかに返答した相手を見れば、彼女の父親であるアルカン・フォン・クロニクル侯爵と見らッれる人物。
娘であるフリージアの帰還に物凄くうれしそうだが、その反面少しだけゼロに対して見定めするような目があることに、ゼロは気が付く。
手紙で知らせているとはいえ、国外追放で出て言った娘が、まさか国外で恋人を作るとは思わなかったのであろう。
しかも人間ではなく、魔人がその相手となったのである。
何処ぞの馬の骨とも知らぬような男に、大事な娘がたぶらかされたとも受け取れそうなものだし、はっきり言って物凄い緊張をゼロはしていた。
応接室とみられる部屋に、フリージアと共に案内され、席に座るように言われたので向き合って着席した。
「さてと、本題だが‥‥‥君が娘の恋人かね」
真剣なまなざしで見るアルカンに、ゼロはきちんと向き合う。
緊張しているとはいえ、ここで引いたらいけない。
「はい、その通りです。私の名前はゼロ。人間ではなく魔人です」
はっきりと答え、包み隠さずにここに至るまでの経緯を話す。
どうやってフリージアと出会ったのか、その出会いの後に何があったのか、そしてどうやって恋仲になったのか。
一字一句、聞き逃さないように耳を傾けるアルカンに、ゼロはきちんとすべてを説明し終えた。
「‥‥‥そうか、娘と共に生活し、そして愛をはぐくんできたのか」
話し終えて、理解してそうアルカンは言った。
自然と互いを好いていたのだが、そうやって人に直球で言われるとどこか恥ずかしいものである。
ちらりと横に座るフリージアを見てみれば、彼女も意識したのか顔が赤くなっていた。
「まぁ、娘が堅苦しい貴族の生活に抜け出したくなったというのはわかる。元々純粋であり、自由を愛するからこそ、縛られるような生活を拒絶したのだろう」
そう言いながらフリージアの方をアルカンは見た。
「フリージアよ、オロウ第1王子との婚約破棄は正式なものになったが、国外追放の件に関しては、国王陛下が取り消しをなさり、既にもう普通にこの国に出入りはできる。だから、せめてこの地に再び戻って一緒に生活してくれないだろうか」
相当馬鹿野郎に恨みがあるのかその感情が隠しきれていないようだが、父親としての言葉がフリージアにかけられた。
わざわざ国外に住まず、この領内で住んでほしいといっているのであろう。
その言葉に、フリージアは少し考え、そして首を横に振った。
「お父様、すでに私たちはある場所に既に家を作っております。この屋敷ほどではありませんが、それでもこれまでゼロと一緒に生活し、絆を深めた場所です。国外追放が解かれたとはいえ、もうその家が私の帰る処なのです。‥‥‥ですが、それでも時々この家へ帰ってきます。ですから、私の事をそこまで気にかけなくとも、彼と一緒なら大丈夫なのですよ」
笑顔でアルカンにそう告げたフリージア。
そうか、と残念そうにつぶやいたアルカンであったが、娘の独り立ちがうれしいのかにこやかな顔になる。
「‥‥‥ゼロといったな。娘との結婚は認めよう。けれども、絶対に不幸にせずに一生愛してくれると誓うか?」
真剣な表情へとすぐに変わり、ゼロにそう告げるアルカン。
それに対する返事は、すでにゼロは決めていた。
「ええ、絶対に彼女を、フリージアを愛することを誓いましょう」
真剣な表情で返答し、そしてその心が伝わったのかうなずくアルカン。
その後、夜遅くなってきたということで、一夜を屋敷で過ごすことになったのであった…‥‥
ドキドキとしながら、月の明かりの下私はゼロさん、いえもう恋仲ですからゼロと一緒に、実家のクロニクル侯爵領へ飛んで帰って来た。
屋敷の扉の前へ立ち、緊張する胸を押さえた。
何しろ、あの大馬鹿野郎の国外追放から1年が経とうとしており、久し振りの帰宅なのだ。
手紙で知らせたとはいえ、恋人の紹介も兼ねてであるので、物凄い緊張しているのである。
ふと横を見てみれば、ゼロも緊張しているのか、やや真面目な顔である。
「それって俺がいつも真面目じゃないとか言いたいのかな」
「あ、考えていること分かりましたか」
少しじとっと見られたけど、すぐに二人そろって深く深呼吸をして気持ちを落ち着け、そして扉に手をかけた。
「ただいま」
その一言を言い、扉を開けると‥‥‥
「「「「「お帰りなさいませフリージア様!!」」」」」
待っていたかのように、使用人たちが皆笑顔で‥‥‥ん?
あ、領内の人まで一緒ですよ!?
まさかのこの侯爵領中の住民全員勢揃いして、出迎えてくれたのであった。
と言うか、どうやって皆入っていたんだろうか‥‥‥出てきた途端に、あっという間に外までどどどどっと怒涛の勢いで広がっていたし、もしかしてギュウギュウ詰めになって待っていたのでしょうか?
疑問に思いつつも、フリージアが見ると、その中に彼女を最も待っていたであろう人物をフリージアが見つけた。
「‥‥‥お帰り、娘よ」
「ただいま、お父様」
フリージアの父であるアルカン・フォン・クロニクル侯爵の言葉に、フリージアは笑みを浮かべてそう言ったのであった。
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SIDEゼロ
‥‥‥予想以上である。
ゼロはそう思いつつ、表面上は冷静さを保たせた。
おそらく領内中の総出での出迎えに、フリージアがどれだけ慕われていたのかと言うのは理解できたのだが、それにしては人数が多すぎるだろうとツッコミを入れたくなった。
フリージアがにこやかに返答した相手を見れば、彼女の父親であるアルカン・フォン・クロニクル侯爵と見らッれる人物。
娘であるフリージアの帰還に物凄くうれしそうだが、その反面少しだけゼロに対して見定めするような目があることに、ゼロは気が付く。
手紙で知らせているとはいえ、国外追放で出て言った娘が、まさか国外で恋人を作るとは思わなかったのであろう。
しかも人間ではなく、魔人がその相手となったのである。
何処ぞの馬の骨とも知らぬような男に、大事な娘がたぶらかされたとも受け取れそうなものだし、はっきり言って物凄い緊張をゼロはしていた。
応接室とみられる部屋に、フリージアと共に案内され、席に座るように言われたので向き合って着席した。
「さてと、本題だが‥‥‥君が娘の恋人かね」
真剣なまなざしで見るアルカンに、ゼロはきちんと向き合う。
緊張しているとはいえ、ここで引いたらいけない。
「はい、その通りです。私の名前はゼロ。人間ではなく魔人です」
はっきりと答え、包み隠さずにここに至るまでの経緯を話す。
どうやってフリージアと出会ったのか、その出会いの後に何があったのか、そしてどうやって恋仲になったのか。
一字一句、聞き逃さないように耳を傾けるアルカンに、ゼロはきちんとすべてを説明し終えた。
「‥‥‥そうか、娘と共に生活し、そして愛をはぐくんできたのか」
話し終えて、理解してそうアルカンは言った。
自然と互いを好いていたのだが、そうやって人に直球で言われるとどこか恥ずかしいものである。
ちらりと横に座るフリージアを見てみれば、彼女も意識したのか顔が赤くなっていた。
「まぁ、娘が堅苦しい貴族の生活に抜け出したくなったというのはわかる。元々純粋であり、自由を愛するからこそ、縛られるような生活を拒絶したのだろう」
そう言いながらフリージアの方をアルカンは見た。
「フリージアよ、オロウ第1王子との婚約破棄は正式なものになったが、国外追放の件に関しては、国王陛下が取り消しをなさり、既にもう普通にこの国に出入りはできる。だから、せめてこの地に再び戻って一緒に生活してくれないだろうか」
相当馬鹿野郎に恨みがあるのかその感情が隠しきれていないようだが、父親としての言葉がフリージアにかけられた。
わざわざ国外に住まず、この領内で住んでほしいといっているのであろう。
その言葉に、フリージアは少し考え、そして首を横に振った。
「お父様、すでに私たちはある場所に既に家を作っております。この屋敷ほどではありませんが、それでもこれまでゼロと一緒に生活し、絆を深めた場所です。国外追放が解かれたとはいえ、もうその家が私の帰る処なのです。‥‥‥ですが、それでも時々この家へ帰ってきます。ですから、私の事をそこまで気にかけなくとも、彼と一緒なら大丈夫なのですよ」
笑顔でアルカンにそう告げたフリージア。
そうか、と残念そうにつぶやいたアルカンであったが、娘の独り立ちがうれしいのかにこやかな顔になる。
「‥‥‥ゼロといったな。娘との結婚は認めよう。けれども、絶対に不幸にせずに一生愛してくれると誓うか?」
真剣な表情へとすぐに変わり、ゼロにそう告げるアルカン。
それに対する返事は、すでにゼロは決めていた。
「ええ、絶対に彼女を、フリージアを愛することを誓いましょう」
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