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学園最後の夏休みで章
258話
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液体人間(?)の逃亡…‥‥それを逃すのは非常に不味い。
今の時期は真夏で、昼間はかなりの高温だ。
液体化しているとはいえ、その液体の大半は水分であると推測できることから、下手をするとその液体人間(?)が文字通り蒸発して消え失せてしまう可能性があった。
……まぁ、まだどのような人格なのかもわからないが、それでも何となく放置はしたくなかった。
「とは言え、水魔法でおびき寄せられるのかしら?」
「多分来ると思いたい。‥‥‥まぁ、俺のだと複合になってまともなものじゃないし、こういう時にエルゼが頼りになるんだよ」
「ルース君が頼りに…‥‥ええ、あたし頑張るわ!!『ウォーターゾーン』!!」
ルースの言葉に、エルゼはやる気を出した。
事情を聴き、おびき寄せる策として、失っているであろう水分を求めるかもしれないことを利用し、水魔法で存分に水を振りまく作戦。
適任として青色の魔導書を所持するエルゼが水魔法を扱い、水を飛ばしまくっていたが、今のルースの言葉でさらにやる気が出たようである。
ぶっしゅわぁぁぁぁぁぁぁ!!
周囲一帯が水のベールに覆われ、日光が降り注いでいるはずなのに、ちょうどいい気温となる。
ついでに、ルースも魔導書を顕現させ、氷と水の複合によって周囲を冷やし‥‥‥あっという間に、周囲はものすごい快適な状態に変わった。
「これを言うのもなんだけどさ、なんだろうかこの快適空間……」
「ああ、これはダメになりそうだな‥‥‥」
「真夏なーのに、すーごい快適空間なーのね」
何にしても、これだけの快適空間ができれば、あの液体人間が気が付き、入ってくる可能性がある。
あとは、その捕縛方法だが、相手は液体。
そう簡単に捕らえられないのだが…‥‥そこに関しては、足止めをして凍らせるなりなんなりの方法がある。
流石に命を脅かさないように、できれば会話による平和的な手段を取りたいが…‥‥相手がどの様な思考状態なのかが分からない。
ゆえに、ある程度の観察は必要そうだと思うと同時に、今はこの超・快適空間をルースたちは味わうことにしたのであった。
……というか、最初からこれを使えばよかったのではと言う声が出たが、それは言ったらだめだと思うので、全員黙秘するのであった。
――――――――
じりじりと照り付ける日差しに、それは身を焼かれていた。
目覚めてみれば、自分の最後に見た光景とは違うことに、思わず混乱し、とっさに閉じ込ている何かを破壊し、逃げ出してしまった。
そして、あちこちを素早く移動していたが、徐々に気温が上昇し、日光によって身を焼かれていたのである。
少しづつ水分が奪われ、体の自由が利かなくなってくる。
水を欲するが、それがどこにあるのかもわからず、そもそも…‥‥それ自身、自分が何者であったのかもわからない。
ただ一つだけわかるとすれば、このままだと確実に自分は死に至る事であろう。
それは嫌である。
なぜだかわからないが、いや、生き物である故か、命を落とすのは避けたい。
自分はまだ生きたい、生への渇望から、それは必死になって生きようと試みる。
サァァァァァ・・・・
【・・・・!】
水の音が聞こえ、それは最後の力を振り絞って、その場所へ向かう。
もはや体は悲鳴を上げ、動かなくなろうとしているが、ここで止まれば自分は命を亡くすだけ。
それは嫌な未来で有り、己は生きたいという渇望で、根性でそれは動き……ついに、その場所へたどり着く。
水の膜のような物を取り抜けると、そこは天国であった。
ああ、ここに自分が求める幸せな世界があったのだと、それは理解する。
先ほどまでの灼熱地獄から一転し、幸せな空間へたどり着き…‥‥安心したから緊張の糸が切れたのか、そのモノはそのまま意識を失うのであった。
今の時期は真夏で、昼間はかなりの高温だ。
液体化しているとはいえ、その液体の大半は水分であると推測できることから、下手をするとその液体人間(?)が文字通り蒸発して消え失せてしまう可能性があった。
……まぁ、まだどのような人格なのかもわからないが、それでも何となく放置はしたくなかった。
「とは言え、水魔法でおびき寄せられるのかしら?」
「多分来ると思いたい。‥‥‥まぁ、俺のだと複合になってまともなものじゃないし、こういう時にエルゼが頼りになるんだよ」
「ルース君が頼りに…‥‥ええ、あたし頑張るわ!!『ウォーターゾーン』!!」
ルースの言葉に、エルゼはやる気を出した。
事情を聴き、おびき寄せる策として、失っているであろう水分を求めるかもしれないことを利用し、水魔法で存分に水を振りまく作戦。
適任として青色の魔導書を所持するエルゼが水魔法を扱い、水を飛ばしまくっていたが、今のルースの言葉でさらにやる気が出たようである。
ぶっしゅわぁぁぁぁぁぁぁ!!
周囲一帯が水のベールに覆われ、日光が降り注いでいるはずなのに、ちょうどいい気温となる。
ついでに、ルースも魔導書を顕現させ、氷と水の複合によって周囲を冷やし‥‥‥あっという間に、周囲はものすごい快適な状態に変わった。
「これを言うのもなんだけどさ、なんだろうかこの快適空間……」
「ああ、これはダメになりそうだな‥‥‥」
「真夏なーのに、すーごい快適空間なーのね」
何にしても、これだけの快適空間ができれば、あの液体人間が気が付き、入ってくる可能性がある。
あとは、その捕縛方法だが、相手は液体。
そう簡単に捕らえられないのだが…‥‥そこに関しては、足止めをして凍らせるなりなんなりの方法がある。
流石に命を脅かさないように、できれば会話による平和的な手段を取りたいが…‥‥相手がどの様な思考状態なのかが分からない。
ゆえに、ある程度の観察は必要そうだと思うと同時に、今はこの超・快適空間をルースたちは味わうことにしたのであった。
……というか、最初からこれを使えばよかったのではと言う声が出たが、それは言ったらだめだと思うので、全員黙秘するのであった。
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じりじりと照り付ける日差しに、それは身を焼かれていた。
目覚めてみれば、自分の最後に見た光景とは違うことに、思わず混乱し、とっさに閉じ込ている何かを破壊し、逃げ出してしまった。
そして、あちこちを素早く移動していたが、徐々に気温が上昇し、日光によって身を焼かれていたのである。
少しづつ水分が奪われ、体の自由が利かなくなってくる。
水を欲するが、それがどこにあるのかもわからず、そもそも…‥‥それ自身、自分が何者であったのかもわからない。
ただ一つだけわかるとすれば、このままだと確実に自分は死に至る事であろう。
それは嫌である。
なぜだかわからないが、いや、生き物である故か、命を落とすのは避けたい。
自分はまだ生きたい、生への渇望から、それは必死になって生きようと試みる。
サァァァァァ・・・・
【・・・・!】
水の音が聞こえ、それは最後の力を振り絞って、その場所へ向かう。
もはや体は悲鳴を上げ、動かなくなろうとしているが、ここで止まれば自分は命を亡くすだけ。
それは嫌な未来で有り、己は生きたいという渇望で、根性でそれは動き……ついに、その場所へたどり着く。
水の膜のような物を取り抜けると、そこは天国であった。
ああ、ここに自分が求める幸せな世界があったのだと、それは理解する。
先ほどまでの灼熱地獄から一転し、幸せな空間へたどり着き…‥‥安心したから緊張の糸が切れたのか、そのモノはそのまま意識を失うのであった。
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