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第1章 たぬきさんとパンケーキ
きれいな瞳
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「お疲れ様です!!」
六時になる五分前、急いでバイト先に駆け込む。店内には恵理さんとツバキさんが出ていて、お客さんは二組だ。
「お疲れ~」
「ギリギリになってすみません! 急いで着替えてきます!」
「まだ混んでないし、急がなくていいよ」
恵理さんの言葉に、俺はお辞儀する。隣にいたツバキさんもお辞儀を返してくれた。
「お疲れ様です!」
「おぅタカヒロ、お疲れ~」
大瀬さんの向こうで、店長がこちらを見た。俺は頭を下げる。
「遅くなりました! すみません!!」
店長は手をひらひら振る。早く行けという合図だ。特に怒ってはいないらしい。急いで制服に着替える。
ヤイさんと別れた後、しばらく呆然としてしまった。今になって、後悔してる。気になったからと言って、しつこく聞きすぎた。
今まで自分は他人のあれこれに興味がない方だと思っていた。なのに何故、こんなに気になるのか。
それは彼と会う度、疑問が増えてるからだ。
彼はなんで、妖怪向けの観光業なんてしてるんだろうか。彼は一体どこに住んで、普段はどうしてるのか。
どうして俺に、声をかけたのか。
俺は制服である黒シャツに着替え腰下のエプロンを着け、ホールに入った。
一組がレジにいて、恵理さんが対応している。ツバキさんが片付けをしていたので、端に積まれた食器を手に取る。
「持ってきます」
「あ、有難うございます」
食器を片付け、洗浄が終わったフォークたちを箱にセットしていく。ツバキさんがそこに戻ってきたので、練習がてら手伝ってもらう事にする。
「どう? 慣れたかな」
「いえ、まだ全然……メニューも覚えられなくて」
「馴染みない名前も多いしね、略もややこしいから」
「はい。頑張って覚えたいと思います」
そう言って意気込む彼女をじっと見る。今日も髪は一つ結びにしている。眉あたりで揃えられた前髪の下で、丸い瞳がきょろきょろ動いている。その奥の色が少し、金色に見える時がある。
光の加減だろうか。
どこかで見た事が、ある気が
「くぉらっ!」
どすの低い声に、慌てて視線を向ける。恵理さんがこちらを睨んでいた。
「なに女の子じろじろ見てるの、このジジィ!」
ツバキさんは顔を真っ赤にしていた。そこで自分の失態に気づく。
「え、いや、なんか珍しい瞳の色してるなって思って……」
「ああ。確かに」
恵理さんと俺の言葉に、ツバキさんは目を見開いた。
「へ、変ですか?」
「いやそういう意味じゃなく!」
「綺麗な色よね。肌も白いし、お人形さんみたい」
「恵理さんタラシみたい」
「あんたが言い出した事でしょうが」
そうして気づけば言い合いになっていると、ツバキさんは楽しそうに笑った。
その笑顔が誰かに似てる気がしたけど、誰だかは思い出せなかった。
六時になる五分前、急いでバイト先に駆け込む。店内には恵理さんとツバキさんが出ていて、お客さんは二組だ。
「お疲れ~」
「ギリギリになってすみません! 急いで着替えてきます!」
「まだ混んでないし、急がなくていいよ」
恵理さんの言葉に、俺はお辞儀する。隣にいたツバキさんもお辞儀を返してくれた。
「お疲れ様です!」
「おぅタカヒロ、お疲れ~」
大瀬さんの向こうで、店長がこちらを見た。俺は頭を下げる。
「遅くなりました! すみません!!」
店長は手をひらひら振る。早く行けという合図だ。特に怒ってはいないらしい。急いで制服に着替える。
ヤイさんと別れた後、しばらく呆然としてしまった。今になって、後悔してる。気になったからと言って、しつこく聞きすぎた。
今まで自分は他人のあれこれに興味がない方だと思っていた。なのに何故、こんなに気になるのか。
それは彼と会う度、疑問が増えてるからだ。
彼はなんで、妖怪向けの観光業なんてしてるんだろうか。彼は一体どこに住んで、普段はどうしてるのか。
どうして俺に、声をかけたのか。
俺は制服である黒シャツに着替え腰下のエプロンを着け、ホールに入った。
一組がレジにいて、恵理さんが対応している。ツバキさんが片付けをしていたので、端に積まれた食器を手に取る。
「持ってきます」
「あ、有難うございます」
食器を片付け、洗浄が終わったフォークたちを箱にセットしていく。ツバキさんがそこに戻ってきたので、練習がてら手伝ってもらう事にする。
「どう? 慣れたかな」
「いえ、まだ全然……メニューも覚えられなくて」
「馴染みない名前も多いしね、略もややこしいから」
「はい。頑張って覚えたいと思います」
そう言って意気込む彼女をじっと見る。今日も髪は一つ結びにしている。眉あたりで揃えられた前髪の下で、丸い瞳がきょろきょろ動いている。その奥の色が少し、金色に見える時がある。
光の加減だろうか。
どこかで見た事が、ある気が
「くぉらっ!」
どすの低い声に、慌てて視線を向ける。恵理さんがこちらを睨んでいた。
「なに女の子じろじろ見てるの、このジジィ!」
ツバキさんは顔を真っ赤にしていた。そこで自分の失態に気づく。
「え、いや、なんか珍しい瞳の色してるなって思って……」
「ああ。確かに」
恵理さんと俺の言葉に、ツバキさんは目を見開いた。
「へ、変ですか?」
「いやそういう意味じゃなく!」
「綺麗な色よね。肌も白いし、お人形さんみたい」
「恵理さんタラシみたい」
「あんたが言い出した事でしょうが」
そうして気づけば言い合いになっていると、ツバキさんは楽しそうに笑った。
その笑顔が誰かに似てる気がしたけど、誰だかは思い出せなかった。
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