196 / 213
最終章
7-3
しおりを挟む
「……???あれっ……?」
目の前の俺を見てあからさまに混乱した様子で周りをキョロキョロ見渡す。
(クソッ、あの年増が消えたことがバレたか……)
そう思いながらも、俺は目の前の男に更に顔を近づけた。
「おいあんた、俺のこと覚えてるか……?」
突然現れた俺に対する驚きよりも、さっきまで重なってた男がいつの間にか消えたことの方に疑問を感じているこいつに、俺は問いかける。
するとそいつは見渡していた顔を俺の方に向け、さっきまでの情欲と興奮によって潤んだ目がしっかりと俺の目を摑んだ。
「………?えーと……」
「思い出せねえかぁ?……今から10年前、〇〇駅っていえばわかるかな?」
「………えっ……」
「あの時はいい思いさせてもらったぜ~。けど……あれからアンタのこと、一切見かけなくなっちまったんだよ。ずーーっと探してた。やっと見つけられて嬉しいぜぇ」
俺の言葉に少しずつ記憶を取り戻しているのだろう。
目の前の男は……あのときのあのガキは、大きな目を更に見開き、驚きに口を震わせている。
「あっ……あの時の………」
「そうだよ兄ちゃん。立派になったなあ」
「…………なんで今も……あれから…だいぶ経ったのに……」
「そりゃあ兄ちゃん、あんたが立派なオトナになったからだよ~あの時、忘れられない思い出を俺にくれたからさ!」
そう言って笑う俺を、目の前の男は恐怖と不快感を滲ませた顔で見ている。
俺は、19歳の時にたまたま朝の駅で見かけ、仲間と一緒に乱暴したガキ…
今目の前にいる男とのあの経験が、忘れられなかったのだ。
目の前の俺を見てあからさまに混乱した様子で周りをキョロキョロ見渡す。
(クソッ、あの年増が消えたことがバレたか……)
そう思いながらも、俺は目の前の男に更に顔を近づけた。
「おいあんた、俺のこと覚えてるか……?」
突然現れた俺に対する驚きよりも、さっきまで重なってた男がいつの間にか消えたことの方に疑問を感じているこいつに、俺は問いかける。
するとそいつは見渡していた顔を俺の方に向け、さっきまでの情欲と興奮によって潤んだ目がしっかりと俺の目を摑んだ。
「………?えーと……」
「思い出せねえかぁ?……今から10年前、〇〇駅っていえばわかるかな?」
「………えっ……」
「あの時はいい思いさせてもらったぜ~。けど……あれからアンタのこと、一切見かけなくなっちまったんだよ。ずーーっと探してた。やっと見つけられて嬉しいぜぇ」
俺の言葉に少しずつ記憶を取り戻しているのだろう。
目の前の男は……あのときのあのガキは、大きな目を更に見開き、驚きに口を震わせている。
「あっ……あの時の………」
「そうだよ兄ちゃん。立派になったなあ」
「…………なんで今も……あれから…だいぶ経ったのに……」
「そりゃあ兄ちゃん、あんたが立派なオトナになったからだよ~あの時、忘れられない思い出を俺にくれたからさ!」
そう言って笑う俺を、目の前の男は恐怖と不快感を滲ませた顔で見ている。
俺は、19歳の時にたまたま朝の駅で見かけ、仲間と一緒に乱暴したガキ…
今目の前にいる男とのあの経験が、忘れられなかったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる