エターナニル魔法学園特殊クラス

シロ

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12ー3、ウサギ、大切にする

エターナニル魔法学園特殊クラス

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  ~キーンコーンカーンコーン~
『施錠時間に10分前になりました。校舎に残っている生徒は速やかに帰寮するように』
施錠時間の1時間後が就寝時間、その5分前に寮長による点呼があったり、なかったり。不定期だからこそ抜き打ちであった時が怖い。罰が不明なのもまた怖い。
「それじゃあ、帰るわ」
「また明日も頑張ろうなぁ」
「お疲れ様でした」
「・・・また」
「復習忘レルナヨ」
挨拶をしあうと、それぞれの寮に戻っていった。
「なぁ、イスカはん?」
一つのミュージックプレイヤーから延びる一つのイヤホンを片耳に聞きながらイスカとレイカは復習に精を出す。解き終えた時にふとレイカは感じた疑問を口にした。
「ロイズはんに話しはりました?ループのこと」
「え、昨日今日だから・・・まだよ。今週末話す予定だったけど、どうかしたの?」
「それ、やっぱり止めにせぇへん?」
「・・・・何で?」
「直接的な原因とは思いとうないんやけど」
騎士学校で起こったことを簡潔に説明した。
「はー、世界学校選手権の妨害にしては手が込んでるわね」
「殺人罪どす。ばれたら出場停止どころの問題ではあらへんなぁ」
終身刑・・・・・・無差別だから下手すると死刑だ。
「単純に殺したい奴がいたんじゃない?」
「リング先生殺した犯人はん?」
「そう考えるのが普通よね。何か納得いかないけど」
あのリング先生が、ってのが引っかかる2人だった。魔法学園にて武で彼に敵う者はいない。イスカも勝負を挑んでは負け越しが続いている。元々武人だったのを理事長が引き抜いたとの噂だが、真相は明らかではない。エターナニルは住民の寿命が長く、戦争を生き残った歴史的な偉人がかなり残っていたりする。エルフなんか1000歳が普通に生きているし、寿命が最も短いインセクターでも500歳越えがいる。言うて、イスカだって戦時中生まれだ。
「武人って恨みかっててもおかしくないから暗殺者嗾けられても不思議じゃないのよね」
「イスカはんもあるんどすか?」
「戦時中生まれとはいっても子供の間に終戦したから戦闘経験とかないのよね。冒険者ギルドにいた時の恨みとか言われたらちょっと否定はできないけれど」
「犯罪ギルドとかやあらへんのやろう」
「あのね、レイカ。生きていると・・・・働いていると何かしら恨みをもらったりするものなのよ」
「せなの?」
「あんたはそのままでいなさい」
いい笑顔で頭を撫でられレイカは小首を傾げる。


                                続く
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