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4-21、ウサギ、何となく知る
エターナニル魔法学園特殊クラス
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「こ、これが神殿」
「予想外すぎ」
ミミが二人を連れてきたのは森が開けたところにある何の変哲のない一軒家だった。こじんまりした可愛らしい家で、神秘性は欠片もない。むしろ、庶民的である。
「神官の生活場としても利用しているからだからこその構造!」
「生活場がメイン過ぎるだろ」
エターナニルで神殿といえば、広大な敷地と仰々しくも神々しい建造物、古代に凝り固まった綺麗に着飾った集団が神に祈りを捧げる場所としての認識が高い。魔法使いからしては精霊やもっと高位の者との接触の場であり、霊術師にとっては浄化と導きの場である。
そういった意味も籠めて、あの建物は民家にしか見えない。
「違いますよ。あれは神官・・・みたいな人の家です」
「見たいな人?正式な神官ではないのですか?」
「国にも世界にも認められた神官らしいのですけど、事情があって正式に続けることも降りることもできなくなってしまったそうです」
「複雑なんだね」
「ええ、色々とあるのです。この世界も人も全て」
ミミ自身にも何かがあったのだろうか?
しかし、呑気なだと思った人々もミミもそれらしい影は全然見られない。それが自分にとってこれからならたとえ微々たるものでもできるだけ力になってあげたい。
何時かは教えてもらえないだろうが、注意していればわかる筈だ。
ミミがノックすると返事はすぐに来た。どうやら、ここの神官は女性らしい。
「いらっしゃい。お待ちしていました」
女神を彷彿とさせる微笑で出迎えてくれたのは柔らかなエプロンドレスを纏った儚げな印象の女性だった。薄茶色の細い髪が微かな風に揺れる。
ハッキリ言って、神秘的など微塵の欠片もない。帰ってきたなと安心感を与える空間はある意味神殿的とも言えなくもない。
「さぁ、どうぞ。ポトフも食べ頃ですし、ミミちゃんも食べていかれませんか?」
「うわ~、ありがとうございます」
家の中は・・・・・・外形通りの空間が広がっていた。落ち着ける家庭のワンシーンでも見ているかのような気分になる。綺麗に整えられた玄関、広く落ち着くリビング、仕切りの向こうはおそらく台所だろう。食欲をそそるいい匂いが奥から漂ってくる。
この家には神殿らしい部分はどこにもない。
「それで、どうしたいですか?」
注ぎ分けたポトフをイスカの前に置きながら、彼女は尋ねた。
「それはこっちが尋ねたいくらいです」
「いいえ、もうやることの答えはあるわ」
「イスカは気にならないのか?先輩が俺達をここに置いて行った訳を」
「そんなこと、この人に聞いても仕方がないじゃない」
「だって、知っているかもしれないじゃないか」
「知っていたとしても、それはこの人が解釈したことでしょ。第一、ロン先輩が動いている行動の9割を当てていたとしても、理由が違えば捉えても意味なんてないもの」
人の言葉は受け取った人によってどうとでも変わる。実家にいた時ザリも嫌と言うほど実感した事だった。おそらく、イスカも似たような思いをして、自分なりの答えをだしたのだろう。
「なら、今重要なのはここで何までしてもらえるかとなります。どれだけのことなら可能ですか?」
「望む場所に送りましょう。元々私はそのためにここにいるのですから」
「魔法使いなの?!」
「ええ、異時空間転移を専門としています」
「だったら、エターナニル魔法学園にも」
「問題有りません」
「色付けして1年前でも」
「はい、大丈夫です」
先輩がここに来た意味がわかりました。よく煮えたセロリを口に運びながら、ザリは混乱しかけた自分の思考を整理する。
「ただ、過去への時間干渉でしたら理由を聞かなければなりません。行って見るだけならなにもいらないんですけれど、それだけではないのでしょう」
灰色の瞳がジッと二人を見据える。強い視線ではないのに、目が離せなくなるのは彼女が本当は全て知っていてあえて自分達に質問しているのだと思えてならないからだろうか。
「うん、実はね・・・・・・」
だから、イスカは正直に自分達がしたいことを話した。彼女は静かに聴いていたが、イスカの言葉が途切れた時、
「許可できません」
即却下された。
「どの部分がですか?」
「過去の人を連れてくるってのはやっぱり不味かった?」
「いえ、そこは問題有りません」
一番難解だと考えていた部分はアッサリと通されて二人は拍子が抜けた。
「2、3日でしたらこちらで都合付けられますから」
いなければならない時間もきっちりカバーできる凄い技術があるらしい。
「じゃあ、何が問題なのよ?」
「連れて帰る方法です。私が関与できるのはあなた方をその時代の望む場所に飛ばすまで、このままではたとえその人が行くと言ってくれても連れて戻る手段がないのでしょう」
「つまり、片道切符しかない、ということですね」
「ええ、わかり易くいいますと」
「往復切符にする方法はないんですか?」
「私だけではありません」
「理由を聞いてもいいですか?」
「神子同士の約束事とでも言えばいいでしょうか?授業で世界の神子について教わりましたか?」
「「まだです」」
「では、そこから説明しましょうか」
世界は時の流れによって複数に分かれています。理の異なる5時界が基礎にあり、それぞれの中で過去や未来の選択肢によって枝分かれした多次元体を形成しているために、
「ごめん、よくわからない」
「君も同じですか?」
灰色の瞳に見つめられてザリは悔しさ半分で顔を背けつつも小さく頷いた。
「5つ異なる摂理で形成された世界があると考えてもらってかまいません。あなた方が生まれた世界が魔法の時界、エターナニルです。ここは、スタートウと呼ばれています」
オコちゃんともそんな紹介をしたかな、とイスカはボンヤリと思い出した。
「それぞれの基礎の時界には最低一人時流壁に干渉できる能力を持った人が生まれます。砕いて言えば、彼らが神子と呼ばれています。彼らはその力で世界を渡ったり、時を越えたりできます」
「それは他の魔導士でもできるのではないのですか?」
「ええ、魔法でも構成さえしっかりしていれば可能ですよ。ただし、その場合でも必要なエネルギーは莫大ですし、現在の魔法学も科学もそこまで到達できていません。できたとしても、制約で雁字搦めとなってそう簡単に動けないでしょう。単純に生命力だけで繋げようとしたとすれば・・・軽めに見積もっても戦争並みの死人が出ます」
ただでさえ、時流壁は不安定で時々次元の歪みが生じるため、多人数の干渉は管理している側からすると迷惑この上ないことである。魔族は自然発生した歪みを利用して世界を渡っていたし、飲み込まれる人もいることはいるらしい。数が少ないのは、時の亀裂や歪みは一定以上開けた場所であり閉じた空間、人気のない場所で生じ易いかららしい。
「本来、神子の力は時流壁を安定させ、出現した歪みを正す役目のために与えられたものです。時流間転移はそのついでに身に着ける所謂職業能力なのです。転移の仕組みとしては、時の流れに従って移動してみたり、逆らってみたりと状況によって異なりますが、どちらにしても人工的に歪みを造っていることには変わりません。違うのは整える力が付いてくることくらいで」
「そっか、いつも来ているのは敵だから勘違いさせちゃうんだ」
「下手すれば力のぶつかり合いが起こるわけですね」
「それを解消する手段として、護りの神子は自分の世界からの送迎しか行わないことにしています。自分が属する世界に招き入れるか、外に送り出すか。もちろん、出発前には連絡しますよ。例外もありますが、今回はどう見ても当て嵌まりませんので」
二人も行事参加者の勧誘が例外扱いされるとは思いすらしていなかった。
「あの、余り関係ないことですが、一つ質問してもいいですか?」
「はい、どうぞ」
「過去って変えられるものなのですか?」
「基本は変えられません。もし、それが大きな変化を生んでしまうと世界が歪んでしまい、未来、つまりその人のいた時代さえ変化してしまいます。けれど、実は時にもある程度の共用範囲があるんです。一日ならタイムトリップで居ない人を居るにするくらいは平気です。その逆も。変えることは新たな世界をその時界に作り出すことに他なりません」
「変革があった時点で未来が新たに枝分かれしてしまうと考えればいいのですか?あった世界となかった世界に」
「よくわかんないけど、滅茶苦茶ややこしいことになるってことはわかったわ」
「世の中にはそういった影響が出ない出さない人達もいますけど、彼らは彼らなりのリスクを追います。摂理は優しくも厳しくもない。周りにある存在なだけですから」
続く
「予想外すぎ」
ミミが二人を連れてきたのは森が開けたところにある何の変哲のない一軒家だった。こじんまりした可愛らしい家で、神秘性は欠片もない。むしろ、庶民的である。
「神官の生活場としても利用しているからだからこその構造!」
「生活場がメイン過ぎるだろ」
エターナニルで神殿といえば、広大な敷地と仰々しくも神々しい建造物、古代に凝り固まった綺麗に着飾った集団が神に祈りを捧げる場所としての認識が高い。魔法使いからしては精霊やもっと高位の者との接触の場であり、霊術師にとっては浄化と導きの場である。
そういった意味も籠めて、あの建物は民家にしか見えない。
「違いますよ。あれは神官・・・みたいな人の家です」
「見たいな人?正式な神官ではないのですか?」
「国にも世界にも認められた神官らしいのですけど、事情があって正式に続けることも降りることもできなくなってしまったそうです」
「複雑なんだね」
「ええ、色々とあるのです。この世界も人も全て」
ミミ自身にも何かがあったのだろうか?
しかし、呑気なだと思った人々もミミもそれらしい影は全然見られない。それが自分にとってこれからならたとえ微々たるものでもできるだけ力になってあげたい。
何時かは教えてもらえないだろうが、注意していればわかる筈だ。
ミミがノックすると返事はすぐに来た。どうやら、ここの神官は女性らしい。
「いらっしゃい。お待ちしていました」
女神を彷彿とさせる微笑で出迎えてくれたのは柔らかなエプロンドレスを纏った儚げな印象の女性だった。薄茶色の細い髪が微かな風に揺れる。
ハッキリ言って、神秘的など微塵の欠片もない。帰ってきたなと安心感を与える空間はある意味神殿的とも言えなくもない。
「さぁ、どうぞ。ポトフも食べ頃ですし、ミミちゃんも食べていかれませんか?」
「うわ~、ありがとうございます」
家の中は・・・・・・外形通りの空間が広がっていた。落ち着ける家庭のワンシーンでも見ているかのような気分になる。綺麗に整えられた玄関、広く落ち着くリビング、仕切りの向こうはおそらく台所だろう。食欲をそそるいい匂いが奥から漂ってくる。
この家には神殿らしい部分はどこにもない。
「それで、どうしたいですか?」
注ぎ分けたポトフをイスカの前に置きながら、彼女は尋ねた。
「それはこっちが尋ねたいくらいです」
「いいえ、もうやることの答えはあるわ」
「イスカは気にならないのか?先輩が俺達をここに置いて行った訳を」
「そんなこと、この人に聞いても仕方がないじゃない」
「だって、知っているかもしれないじゃないか」
「知っていたとしても、それはこの人が解釈したことでしょ。第一、ロン先輩が動いている行動の9割を当てていたとしても、理由が違えば捉えても意味なんてないもの」
人の言葉は受け取った人によってどうとでも変わる。実家にいた時ザリも嫌と言うほど実感した事だった。おそらく、イスカも似たような思いをして、自分なりの答えをだしたのだろう。
「なら、今重要なのはここで何までしてもらえるかとなります。どれだけのことなら可能ですか?」
「望む場所に送りましょう。元々私はそのためにここにいるのですから」
「魔法使いなの?!」
「ええ、異時空間転移を専門としています」
「だったら、エターナニル魔法学園にも」
「問題有りません」
「色付けして1年前でも」
「はい、大丈夫です」
先輩がここに来た意味がわかりました。よく煮えたセロリを口に運びながら、ザリは混乱しかけた自分の思考を整理する。
「ただ、過去への時間干渉でしたら理由を聞かなければなりません。行って見るだけならなにもいらないんですけれど、それだけではないのでしょう」
灰色の瞳がジッと二人を見据える。強い視線ではないのに、目が離せなくなるのは彼女が本当は全て知っていてあえて自分達に質問しているのだと思えてならないからだろうか。
「うん、実はね・・・・・・」
だから、イスカは正直に自分達がしたいことを話した。彼女は静かに聴いていたが、イスカの言葉が途切れた時、
「許可できません」
即却下された。
「どの部分がですか?」
「過去の人を連れてくるってのはやっぱり不味かった?」
「いえ、そこは問題有りません」
一番難解だと考えていた部分はアッサリと通されて二人は拍子が抜けた。
「2、3日でしたらこちらで都合付けられますから」
いなければならない時間もきっちりカバーできる凄い技術があるらしい。
「じゃあ、何が問題なのよ?」
「連れて帰る方法です。私が関与できるのはあなた方をその時代の望む場所に飛ばすまで、このままではたとえその人が行くと言ってくれても連れて戻る手段がないのでしょう」
「つまり、片道切符しかない、ということですね」
「ええ、わかり易くいいますと」
「往復切符にする方法はないんですか?」
「私だけではありません」
「理由を聞いてもいいですか?」
「神子同士の約束事とでも言えばいいでしょうか?授業で世界の神子について教わりましたか?」
「「まだです」」
「では、そこから説明しましょうか」
世界は時の流れによって複数に分かれています。理の異なる5時界が基礎にあり、それぞれの中で過去や未来の選択肢によって枝分かれした多次元体を形成しているために、
「ごめん、よくわからない」
「君も同じですか?」
灰色の瞳に見つめられてザリは悔しさ半分で顔を背けつつも小さく頷いた。
「5つ異なる摂理で形成された世界があると考えてもらってかまいません。あなた方が生まれた世界が魔法の時界、エターナニルです。ここは、スタートウと呼ばれています」
オコちゃんともそんな紹介をしたかな、とイスカはボンヤリと思い出した。
「それぞれの基礎の時界には最低一人時流壁に干渉できる能力を持った人が生まれます。砕いて言えば、彼らが神子と呼ばれています。彼らはその力で世界を渡ったり、時を越えたりできます」
「それは他の魔導士でもできるのではないのですか?」
「ええ、魔法でも構成さえしっかりしていれば可能ですよ。ただし、その場合でも必要なエネルギーは莫大ですし、現在の魔法学も科学もそこまで到達できていません。できたとしても、制約で雁字搦めとなってそう簡単に動けないでしょう。単純に生命力だけで繋げようとしたとすれば・・・軽めに見積もっても戦争並みの死人が出ます」
ただでさえ、時流壁は不安定で時々次元の歪みが生じるため、多人数の干渉は管理している側からすると迷惑この上ないことである。魔族は自然発生した歪みを利用して世界を渡っていたし、飲み込まれる人もいることはいるらしい。数が少ないのは、時の亀裂や歪みは一定以上開けた場所であり閉じた空間、人気のない場所で生じ易いかららしい。
「本来、神子の力は時流壁を安定させ、出現した歪みを正す役目のために与えられたものです。時流間転移はそのついでに身に着ける所謂職業能力なのです。転移の仕組みとしては、時の流れに従って移動してみたり、逆らってみたりと状況によって異なりますが、どちらにしても人工的に歪みを造っていることには変わりません。違うのは整える力が付いてくることくらいで」
「そっか、いつも来ているのは敵だから勘違いさせちゃうんだ」
「下手すれば力のぶつかり合いが起こるわけですね」
「それを解消する手段として、護りの神子は自分の世界からの送迎しか行わないことにしています。自分が属する世界に招き入れるか、外に送り出すか。もちろん、出発前には連絡しますよ。例外もありますが、今回はどう見ても当て嵌まりませんので」
二人も行事参加者の勧誘が例外扱いされるとは思いすらしていなかった。
「あの、余り関係ないことですが、一つ質問してもいいですか?」
「はい、どうぞ」
「過去って変えられるものなのですか?」
「基本は変えられません。もし、それが大きな変化を生んでしまうと世界が歪んでしまい、未来、つまりその人のいた時代さえ変化してしまいます。けれど、実は時にもある程度の共用範囲があるんです。一日ならタイムトリップで居ない人を居るにするくらいは平気です。その逆も。変えることは新たな世界をその時界に作り出すことに他なりません」
「変革があった時点で未来が新たに枝分かれしてしまうと考えればいいのですか?あった世界となかった世界に」
「よくわかんないけど、滅茶苦茶ややこしいことになるってことはわかったわ」
「世の中にはそういった影響が出ない出さない人達もいますけど、彼らは彼らなりのリスクを追います。摂理は優しくも厳しくもない。周りにある存在なだけですから」
続く
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