エターナニル魔法学園特殊クラス

シロ

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8-10、カメ、言い当てる

エターナニル魔法学園特殊クラス

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「ちょっと、呼んでくれるんじゃなかったの!?」
朝一でイスカはロイズの研究室に抗議しに行った。しかし、留守だった。それで同じ言葉でリトアの部屋に乗り込んだ。
「ん?リトアならもう出かけたぞ」
トッポを齧りながらシングが言う。
「どこに?」
「う~んと、ついさっきだからまだ売店にいるんじゃないか?」
「シング先輩ありがと」
まだ眠いレイカをお姫様抱っこしてイスカは走る。売店は学食の隣にあった。ちょっとした商店街で、日用雑貨から衣類、簡単なマジックアイテムまで色々な店舗が軒を連ねている。
「ちょっとジアル!あたし連絡してって言った、わよ・・・ね・・・・・」
試着室から出てきた人を見てイスカは言葉を失った。秋草色の短髪に深い茶色の瞳。そこまでならどこにでもいる普通の人族だ。スラリと伸びた隙のない手足。誰もが羨ましがる細い腰、括れ。細身であるが故に胸もないが、それを置いて余るほどのスタイルの良さである。均整された美とはまさにこのことだ。イスカの腕の中でレイカもポカーンとしている。
「ちょ、凄い美人!」
「ダロ、俺モココマデ化ケルトハ思ワナカッタゼ」
「・・・・・・リトア先輩?」
「ほら、すぐにばれるよ」
「オ、れいか。正解ダ」
「え・・・あー、納得。いつものユル系の黒服じゃないだけね」
リトア先輩がいつもつけている腰のポーチに体格を誤認させる。緩い服を着替えただけでよくもまぁ化けたものだ。よくよく見ると髪を整えているだけで、化粧もしていないこともわかるが、特に問題ではない。
「う、うん。ロイズが選んでくれたんだけど、どうかな」
「似合いはりますぇ」
「そうよ。せっかく良い体してるんだから普段からもうちょっと露出あってもいいんじゃない?」
「ろ、露出はちょっと・・・・・・・」
「大人シソウナ奴ヲ演ジテモラウカラナ。ソノ辺ヲ考慮シテノコノちょいすダ」
短Gパンに二―ハイとリトアの綺麗な足と線をさり気無くアピールするのも忘れていない。上着は淡い緑色のもの。腰のポーチが見えないように、尚且つ必要な時に邪魔しない作りになっている。それだけではない。セクシーから清楚に早変わりした。上着一枚でこれだけ印象が変わるのも凄い。
「いっそのこと森ガールでもよかったんじゃない?」
「ソウ言ッタンダガ、りとあガナ・・・・・・」
「さすがにスカートはちょっと勘弁、かな」
戦闘があった時にちょっと、と困り顔で着替える前の服を畳む。前の戦闘から考えてみると、リトアが蹴りを得意としているのはわかる。それにあの綺麗なおみ足だ。目のやり場が困るとイスカは思った。
「結局リトア先輩が身代わりやることになったの?」
「被害者役ダナ」
昨日の晩、正確に言うなら今日の丑三つ時にかかってきた電話にロイズが対応してそうなるように仕向けたらしい。ガアシボイスで。今日の午後2時にインセクターの首都○×駅前の喫茶店で待ち合わせだそうだ。
「長身過ぎない?」
リトアは横はないが、縦はそこそこある。その背丈をレイカは秘かに羨ましいと思った。成人まで成長しても150を超えられないのだ。
「容疑者ヨリ先ニ着ケバイイダケダ。問題ナイ」
たしかに座っていればそれ程気にはならない、かもしれない。
「あ、眼鏡かけた方がいいわよ」
「せやな、フレーム有りで」
「そうだね。素顔のまま行くのは問題があったかな」
そういう意味ではないと2人は思った。黒縁のメガネはよく似合っていた。


                               続く
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