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8ー30、カメ、見通す
エターナニル魔法学園特殊クラス
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「あ、はいっ」
ロイズに呼ばれてレイカはドアの前に立った。目を凝らして見ると、先程よりもはっきりと視認できた。3匹の鼠の魂を絡めた錠前で封鎖されている。一般人でもできる方法としては猫を3m以内で殺すことだが、お勧めはできない。理由は説明しなくてもわかるだろう。数珠を手首にかけるとレイカはお経を唱え始めた。何故かは解明されていないが、無信仰の幽霊は各自の除霊方法で対処することができる。なので、エターナニルで一切信仰されていない仏教のお経でも除霊が可能である。要は如何気合を入れるかに重点が置かれているらしい。
「ずいぶんテンションの低い歌ね」
「辛気臭いな」
2人の言い分もご最もだ。最近、テンポのいい般若心経がUPされたが、残念なことにレイカには無理だった。音程がないのである。
「・・・・南無阿弥陀仏」
気合を込めてパンと手を叩くと絡み合って停滞していた魂が解け、上へと登って逝った。後ろから「勿体無ー」と聞こえたような気がする。気のせいであってほしかった。そして、レイカはちょっと考えた。
「解除デキタナラ下ガッテロ」
「何だ。お前が行くのか?」
「不満ナラオ前ガ行クカ」
「冗談♪」
「いすかハ殿ダ。れいか、ソイツカラ目ヲ離スナヨ」
ドアの向こうからではないのだろうか。首を傾げるレイカをよそにロイズはドアを破った。ドアノブを捻って開ければいいのにワザワザ破壊したのには何か理由があるのかもしれない。溢れ出す異臭。嗅ぎ分けるまでもない。腐った死体の臭いだ。
「フム、思ッタヨリ綺麗ダナ」
「本当、てっきり死体の山ができてると思ったのに」
臭いからして相当の死体を想像していたのだが、ロイズの後ろからイスカが顔を出して見渡す。部屋の中は他の部屋と大差変わらなかった。ただ、部屋の壁のいたる所から異臭がしていることを除いては。そして、予定していた死体だが、パッと見たところなかった。
「おい自称狼。どこが臭いが強い?」
「入れねーよ!」
馬鹿野郎とジアルは叫ぶ。鼻をつまんでいたので滑舌が悪くなっていた。人間の鼻レベルでもかなりきついのである。犬類と同等の嗅覚を持っているジアルにとっては地獄だろう。その場から逃げ出さないだけ凄いことだとイスカは思った。イスカも人並み外れた聴覚の持ち主なので気持ちは少しわかる。
「アー、ナンテ言ウンダッケナ。がんばれ」
「棒読みで頑張れるか!?」
「頑張れたら凄いと思いますぇ。リトア先輩も・・・」
「よしやるぞ!」
打って変わって部屋の中に飛び込んだジアルの姿に、レイカは続きの言葉を飲み込んだ。この反応を見るに、彼はリトアの失われた記憶に関係しているのかもしれない。年齢がわからないくらい酷いので、戻る確率は刹那レベルだろうが。その辺りに同情しながらレイカは部屋の中に踏み込んだ。
「荷物あったわよ」
クローゼットから荷袋×3を手に入れた、再入手した、取り戻した。
「俺のもあるな」
「中身、着替えと寝袋なんだけどね」
「戦闘具手放す奴は自殺志願者だろ」
顔を顰めながらジアルは必死に部屋に留まった。
「天井からだ」
「分断する訳にいかない。いくぞ」
「この鬼!」
ジアルを引き摺ってロイズが向かったのはバスルームだった。
「成程、あるわね」
天井に上がれる箇所がタイルに紛れてあった。
「ロイズから入るの?」
「マァナ」
「珍しく積極的ね」
「都合悪イカ」
「・・・別に」
いつものロイズは自ら進んで先頭を行く人ではない。どちらかといえば、後ろからニヤリニヤリと笑っているタイプだ。こういったことは大抵ロンにやらせている、まで思い出し、イスカは納得した。今この場にロンはいないじゃないか。
「なぁ、レイカ」
「何?」
「この事件も経験して忘れたのかしら?」
「せや、その可能性があった・・・う~ん、あったんなら、他の事件同様思い出しててもええんとちゃいます?」
「何をブツブツ言っている。登ってこい」
イスカとレイカの考慮はロイズの声で中断された。頷き合ってすぐに行くと返事をするとレイカは梯子に手をかける。途端にゾクッとした寒気がレイカを襲う。全身の毛穴が収縮し、毛が逆立つ。頭の中に何かが通り過ぎたような気がしたが、本能がそれを思い出すことを拒否した。
「どうしたの?」
「何でもあらへんよ」
気を取り直してレイカは手に力を入れた。慣れない縄梯子に苦戦しながら上がる。天井裏は真っ暗だった。入り口から入ってくる光だけだ。あとから上ってきたイスカも暗闇に目を凝らす。
「お前ら、暗視持ってないのか?」
「ないわ」
「ないどす」
イスカは聴力特化型の獣人だし、レイカは何の身体特化能力を持たない人間である。ただ、レイカ自身は人よりもちょっと霊力が高いという特徴を持っているが。
「ロイズはんライトつけてくれへんの?」
「オ前ハ大丈夫ソウダガ、いすかガナ」
「死体なら大丈夫よ、動かなければ」
「・・・ツケルゾ」
一寸考えてロイズはライトをつけた。一方向のみだが、天井裏の現状をハッキリと照らし出す。埃と、血と、蛆と、肉片。撒き散らされたそれらの中に魔法陣はあった。壁に塗りたくられた血で描かれたそれは光っている訳でもないのにその存在感をありありと見せつけていた。
「何ダカワカルカ?」
「魔法陣でしょ」
「ロイズはんが言いたいことはせやないと思うぇ」
「魔法陣に種類があんのかよ」
「アルニ決マッテルダロ!」
ここでリトア先輩がいれば、懇切丁寧にその種類と用途について説明してくれただろう。ジッと赤い光線が魔法陣の上を通る。ロイズがスキャンしたのだ。
「・・・フム」
「わかったんなら教えなさいよ」
「れいか、ワカル範囲デ教エテヤレ」
「はいな」
扇を指し棒代わりに魔法陣の説明を始める。
「うちも魔法陣の書き方とかはあんまわからへんの。せやから、種類について説明すんね」
そう言って振り返るとイスカとジアルがキチンと座っていた。小さく咳払いするとレイカは説明を続ける。
「一般に魔法陣は魔法基点の印として使われるもんと封印範囲特定に使われるもんにわかれます」
この時点で生徒二人の頭の上にはクエスチョンマークが舞っていた。他校生のジアルはともかく、イスカは今度のテスト範囲内の文章をそのまま引用しているのだが、大丈夫なのだろうか。
「見分ける方法は簡単。円中央に紋様があるのが基点印、何もないのが防御印どす」
ここで目の前の魔法陣を見て見よう。円周上にはミミズののたくった文字が大量に書かれている。そして中央には円を三つ組み合わせた印がある。間違いなく魔法基点型の魔法陣だ。
「えっとな。このように基点型の魔法陣の中心には魔法の種類に関係ある紋が描かれているんよ」
「はーい、種類によって紋様の形が違うということは同じ属性だと共通点があるんですか?」
「えっと、あるらしいんやけど、ゴメンなぁ。まだ知らへんよ」
リトアに教えてもらった時をレイカは必死に思い出そうとした。テスト勉強を見てもらえる相談相手の存在は本当にありがたいことだ。第一中間テストの時は頼る相手が誰もいなかったのでレイカは自力で頑張るしかなかった。文字のチェックだけイスカに確認してもらって。今はそれも含めてリトアに頼っている。すぐに寝るイスカにも根気よく教えてくれるので第二中間テストは二人とも点数アップしていた。特にレイカは最下位から最上位まで上り詰めた。本人は認めないだろうが、彼女も十分に強者である。残るは期末試験のみ。せっかく手に入れた奨学金の入手資格を手放したくないレイカにとって大きな山となる。魔法学園はギルド制度があるからか成績上位3名しか奨学金制度を適用してくれない。そのため、最終試験結果争いは熾烈を極める。リトア先輩も自給自足でやっているらしいからこの辺は尋ねておきたいところだ。
続く
ロイズに呼ばれてレイカはドアの前に立った。目を凝らして見ると、先程よりもはっきりと視認できた。3匹の鼠の魂を絡めた錠前で封鎖されている。一般人でもできる方法としては猫を3m以内で殺すことだが、お勧めはできない。理由は説明しなくてもわかるだろう。数珠を手首にかけるとレイカはお経を唱え始めた。何故かは解明されていないが、無信仰の幽霊は各自の除霊方法で対処することができる。なので、エターナニルで一切信仰されていない仏教のお経でも除霊が可能である。要は如何気合を入れるかに重点が置かれているらしい。
「ずいぶんテンションの低い歌ね」
「辛気臭いな」
2人の言い分もご最もだ。最近、テンポのいい般若心経がUPされたが、残念なことにレイカには無理だった。音程がないのである。
「・・・・南無阿弥陀仏」
気合を込めてパンと手を叩くと絡み合って停滞していた魂が解け、上へと登って逝った。後ろから「勿体無ー」と聞こえたような気がする。気のせいであってほしかった。そして、レイカはちょっと考えた。
「解除デキタナラ下ガッテロ」
「何だ。お前が行くのか?」
「不満ナラオ前ガ行クカ」
「冗談♪」
「いすかハ殿ダ。れいか、ソイツカラ目ヲ離スナヨ」
ドアの向こうからではないのだろうか。首を傾げるレイカをよそにロイズはドアを破った。ドアノブを捻って開ければいいのにワザワザ破壊したのには何か理由があるのかもしれない。溢れ出す異臭。嗅ぎ分けるまでもない。腐った死体の臭いだ。
「フム、思ッタヨリ綺麗ダナ」
「本当、てっきり死体の山ができてると思ったのに」
臭いからして相当の死体を想像していたのだが、ロイズの後ろからイスカが顔を出して見渡す。部屋の中は他の部屋と大差変わらなかった。ただ、部屋の壁のいたる所から異臭がしていることを除いては。そして、予定していた死体だが、パッと見たところなかった。
「おい自称狼。どこが臭いが強い?」
「入れねーよ!」
馬鹿野郎とジアルは叫ぶ。鼻をつまんでいたので滑舌が悪くなっていた。人間の鼻レベルでもかなりきついのである。犬類と同等の嗅覚を持っているジアルにとっては地獄だろう。その場から逃げ出さないだけ凄いことだとイスカは思った。イスカも人並み外れた聴覚の持ち主なので気持ちは少しわかる。
「アー、ナンテ言ウンダッケナ。がんばれ」
「棒読みで頑張れるか!?」
「頑張れたら凄いと思いますぇ。リトア先輩も・・・」
「よしやるぞ!」
打って変わって部屋の中に飛び込んだジアルの姿に、レイカは続きの言葉を飲み込んだ。この反応を見るに、彼はリトアの失われた記憶に関係しているのかもしれない。年齢がわからないくらい酷いので、戻る確率は刹那レベルだろうが。その辺りに同情しながらレイカは部屋の中に踏み込んだ。
「荷物あったわよ」
クローゼットから荷袋×3を手に入れた、再入手した、取り戻した。
「俺のもあるな」
「中身、着替えと寝袋なんだけどね」
「戦闘具手放す奴は自殺志願者だろ」
顔を顰めながらジアルは必死に部屋に留まった。
「天井からだ」
「分断する訳にいかない。いくぞ」
「この鬼!」
ジアルを引き摺ってロイズが向かったのはバスルームだった。
「成程、あるわね」
天井に上がれる箇所がタイルに紛れてあった。
「ロイズから入るの?」
「マァナ」
「珍しく積極的ね」
「都合悪イカ」
「・・・別に」
いつものロイズは自ら進んで先頭を行く人ではない。どちらかといえば、後ろからニヤリニヤリと笑っているタイプだ。こういったことは大抵ロンにやらせている、まで思い出し、イスカは納得した。今この場にロンはいないじゃないか。
「なぁ、レイカ」
「何?」
「この事件も経験して忘れたのかしら?」
「せや、その可能性があった・・・う~ん、あったんなら、他の事件同様思い出しててもええんとちゃいます?」
「何をブツブツ言っている。登ってこい」
イスカとレイカの考慮はロイズの声で中断された。頷き合ってすぐに行くと返事をするとレイカは梯子に手をかける。途端にゾクッとした寒気がレイカを襲う。全身の毛穴が収縮し、毛が逆立つ。頭の中に何かが通り過ぎたような気がしたが、本能がそれを思い出すことを拒否した。
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イスカは聴力特化型の獣人だし、レイカは何の身体特化能力を持たない人間である。ただ、レイカ自身は人よりもちょっと霊力が高いという特徴を持っているが。
「ロイズはんライトつけてくれへんの?」
「オ前ハ大丈夫ソウダガ、いすかガナ」
「死体なら大丈夫よ、動かなければ」
「・・・ツケルゾ」
一寸考えてロイズはライトをつけた。一方向のみだが、天井裏の現状をハッキリと照らし出す。埃と、血と、蛆と、肉片。撒き散らされたそれらの中に魔法陣はあった。壁に塗りたくられた血で描かれたそれは光っている訳でもないのにその存在感をありありと見せつけていた。
「何ダカワカルカ?」
「魔法陣でしょ」
「ロイズはんが言いたいことはせやないと思うぇ」
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「アルニ決マッテルダロ!」
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「・・・フム」
「わかったんなら教えなさいよ」
「れいか、ワカル範囲デ教エテヤレ」
「はいな」
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「一般に魔法陣は魔法基点の印として使われるもんと封印範囲特定に使われるもんにわかれます」
この時点で生徒二人の頭の上にはクエスチョンマークが舞っていた。他校生のジアルはともかく、イスカは今度のテスト範囲内の文章をそのまま引用しているのだが、大丈夫なのだろうか。
「見分ける方法は簡単。円中央に紋様があるのが基点印、何もないのが防御印どす」
ここで目の前の魔法陣を見て見よう。円周上にはミミズののたくった文字が大量に書かれている。そして中央には円を三つ組み合わせた印がある。間違いなく魔法基点型の魔法陣だ。
「えっとな。このように基点型の魔法陣の中心には魔法の種類に関係ある紋が描かれているんよ」
「はーい、種類によって紋様の形が違うということは同じ属性だと共通点があるんですか?」
「えっと、あるらしいんやけど、ゴメンなぁ。まだ知らへんよ」
リトアに教えてもらった時をレイカは必死に思い出そうとした。テスト勉強を見てもらえる相談相手の存在は本当にありがたいことだ。第一中間テストの時は頼る相手が誰もいなかったのでレイカは自力で頑張るしかなかった。文字のチェックだけイスカに確認してもらって。今はそれも含めてリトアに頼っている。すぐに寝るイスカにも根気よく教えてくれるので第二中間テストは二人とも点数アップしていた。特にレイカは最下位から最上位まで上り詰めた。本人は認めないだろうが、彼女も十分に強者である。残るは期末試験のみ。せっかく手に入れた奨学金の入手資格を手放したくないレイカにとって大きな山となる。魔法学園はギルド制度があるからか成績上位3名しか奨学金制度を適用してくれない。そのため、最終試験結果争いは熾烈を極める。リトア先輩も自給自足でやっているらしいからこの辺は尋ねておきたいところだ。
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