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9ー10、カメ、状況を知る
エターナニル魔法学園特殊クラス
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「・・・という訳で、遅うなったんどす」
霧白森に寄ったことを話す。さすがに全部は話せなかったので従姉の知り合いに顔見せに行ったことにした。あながち間違ってはいないはずだ。貰った写真も見せたが、イスカは知らないと首を振った。
「こっちは・・・・新入生の人数が減ってるわね。通常クラスが4から3になったもの」
「いない人とかわからはる?」
「えっとね・・・あれ?写真とかない?思い出せないわ」
「記憶消えたんじゃあらへんか」
健忘症は時間移動の弊害としてよくあらわれる症状だとユーキが説明していたことをレイカは思い出す。時間転移した神子が行き着いた先で目的を忘れた何て事もあったそうだ。
「確認の仕様がないわね。それで、霧白森での情報は?」
「人探しが先どす。まずは信用してもらわんと」
「それもそうよね。あたしん所にも神様の話あるけれど、封印中だし」
「国は大丈夫なんどすか?」
「出る前に片しておいたわ。元々無茶だった訳だし。あ、あの魔族が王と連絡取りたいから仲介してほしいそうよ」
「安くないけれど、ええよ」
「じゃあ、そうメールしておくわね」
封印されているのでその場まで出向かないといけないが、解かずに会話することができる。魔族にイスカの故郷を好きにさせる訳にはいかない。
「OK、学園ギルドの指定依頼にしてくれるって」
これを終えればイスカの国は安泰だ。ウサギ族以外からはとても豊かな土地には見えない。
「それにしてもリムル先生には驚いたわね」
「せや、イスカはんが入学した時もそうやったん?」
「ずっと彼らしいの。疑問に思ってる人は誰一人としていないわ」
「リルクは英雄の名前にあるって言っとったなぁ」
「え、いたっけ」
割と有名な人だと伝えるとイスカはウンウンと畝って頭を抱えた。
「えっと、エルフ族、女性、英雄、でヒットするやろか?」
スタートウ製携帯を取り出すとインターネットに繋ぐ。KではなくEを選択する。Sもあった。共通語で検索して引っかかるかなと思ったが、問題なく検索結果は出た。
「本名、リムアルク・エッテシンガー。言歌の巫女。4178年に魔物の進撃からこの世界を包む結界を守ったエルフの英雄」
結果を要約してレイカは言葉を紡ぐ。
「言歌の巫女って確か家に来たことあるわ。一昨年くらいだったかしら」
イスカの家は代々あの封印の地を守ってきた王族である。そして、人と火の妖精との仲を取り持つ種族でもある。
「エターナニルでの神子と巫女の違いってなんどすか?」
カーレントでは巫女は寺院や神社に勤める女性のことを指す。神子は一般的に使われないが、高魔力を持つ者という意味だったと思う。
「大妖精に仕えるのが巫女で、神に仕えるのが神子だったような・・・・・・多いのが巫女なのは確かよ」
この辺は調べないといけないようだ。
「言歌の巫女は大妖精と人との間を取り持つのが役割だったと思うわ。彼女が来た時には祭りが行われ、神殿でとっても綺麗な詩を歌ってくれるの」
「エネルギー供給の対価が歌って割りに合わへんとちゃいます?」
「感謝の気持ちが大切なのよ」
自然信仰の神に近い感じがした。謝恩祭みたいなものなのだろう。
「4属性の精霊がいて、それぞれの種族が管理してるのよ。えっと、あたし達獣人が火でしょ。魚人が水で、鋼人が土。インセクターが風だったはず。ああ、勉強不足が痛いわね」
「今更悔いても仕方あらへんなぁ」
そう言えば、魔法の基本属性も4つである。その上にさらに4属性あるのだが、それらは祭られてないのだろうか。もしくは、祭っていた種族がいなくなってしまったか。
「リルク先生か。もしかしたら、本人だったりして」
「せやったら何で今はちゃうん?」
「前は祭り頼まれて仕方なく身内に代理頼んだ、てのはどうよ」
悪くない推理だとレイカは思った。言歌の巫女は1人しかいないようだ。いくら検索しても1つの名前しか出てこない。試しにスタートウネットで調べてみたら、直系継承となっていた。今の巫女もリムアルクだった。エルフって凄い。
「リムル先生に直接尋ねるしかあらへんか」
「あ、それはダメよ。ずっとリング先生がいるもん」
「いたら拙いんどすか?」
イスカの表情が暗くなる。再度周囲に人がいないのを確認するとレイカの耳元でこう囁いた。
「あんたを殺したの、リング先生なの」
その言葉をレイカはすぐには理解できなかった。脳が反応を停止したのか、精神が知るのを拒絶したのかわからない。ただ、レイカがイスカの言葉を反芻するのに丸々1分かかった事実だけが残った。
続く
霧白森に寄ったことを話す。さすがに全部は話せなかったので従姉の知り合いに顔見せに行ったことにした。あながち間違ってはいないはずだ。貰った写真も見せたが、イスカは知らないと首を振った。
「こっちは・・・・新入生の人数が減ってるわね。通常クラスが4から3になったもの」
「いない人とかわからはる?」
「えっとね・・・あれ?写真とかない?思い出せないわ」
「記憶消えたんじゃあらへんか」
健忘症は時間移動の弊害としてよくあらわれる症状だとユーキが説明していたことをレイカは思い出す。時間転移した神子が行き着いた先で目的を忘れた何て事もあったそうだ。
「確認の仕様がないわね。それで、霧白森での情報は?」
「人探しが先どす。まずは信用してもらわんと」
「それもそうよね。あたしん所にも神様の話あるけれど、封印中だし」
「国は大丈夫なんどすか?」
「出る前に片しておいたわ。元々無茶だった訳だし。あ、あの魔族が王と連絡取りたいから仲介してほしいそうよ」
「安くないけれど、ええよ」
「じゃあ、そうメールしておくわね」
封印されているのでその場まで出向かないといけないが、解かずに会話することができる。魔族にイスカの故郷を好きにさせる訳にはいかない。
「OK、学園ギルドの指定依頼にしてくれるって」
これを終えればイスカの国は安泰だ。ウサギ族以外からはとても豊かな土地には見えない。
「それにしてもリムル先生には驚いたわね」
「せや、イスカはんが入学した時もそうやったん?」
「ずっと彼らしいの。疑問に思ってる人は誰一人としていないわ」
「リルクは英雄の名前にあるって言っとったなぁ」
「え、いたっけ」
割と有名な人だと伝えるとイスカはウンウンと畝って頭を抱えた。
「えっと、エルフ族、女性、英雄、でヒットするやろか?」
スタートウ製携帯を取り出すとインターネットに繋ぐ。KではなくEを選択する。Sもあった。共通語で検索して引っかかるかなと思ったが、問題なく検索結果は出た。
「本名、リムアルク・エッテシンガー。言歌の巫女。4178年に魔物の進撃からこの世界を包む結界を守ったエルフの英雄」
結果を要約してレイカは言葉を紡ぐ。
「言歌の巫女って確か家に来たことあるわ。一昨年くらいだったかしら」
イスカの家は代々あの封印の地を守ってきた王族である。そして、人と火の妖精との仲を取り持つ種族でもある。
「エターナニルでの神子と巫女の違いってなんどすか?」
カーレントでは巫女は寺院や神社に勤める女性のことを指す。神子は一般的に使われないが、高魔力を持つ者という意味だったと思う。
「大妖精に仕えるのが巫女で、神に仕えるのが神子だったような・・・・・・多いのが巫女なのは確かよ」
この辺は調べないといけないようだ。
「言歌の巫女は大妖精と人との間を取り持つのが役割だったと思うわ。彼女が来た時には祭りが行われ、神殿でとっても綺麗な詩を歌ってくれるの」
「エネルギー供給の対価が歌って割りに合わへんとちゃいます?」
「感謝の気持ちが大切なのよ」
自然信仰の神に近い感じがした。謝恩祭みたいなものなのだろう。
「4属性の精霊がいて、それぞれの種族が管理してるのよ。えっと、あたし達獣人が火でしょ。魚人が水で、鋼人が土。インセクターが風だったはず。ああ、勉強不足が痛いわね」
「今更悔いても仕方あらへんなぁ」
そう言えば、魔法の基本属性も4つである。その上にさらに4属性あるのだが、それらは祭られてないのだろうか。もしくは、祭っていた種族がいなくなってしまったか。
「リルク先生か。もしかしたら、本人だったりして」
「せやったら何で今はちゃうん?」
「前は祭り頼まれて仕方なく身内に代理頼んだ、てのはどうよ」
悪くない推理だとレイカは思った。言歌の巫女は1人しかいないようだ。いくら検索しても1つの名前しか出てこない。試しにスタートウネットで調べてみたら、直系継承となっていた。今の巫女もリムアルクだった。エルフって凄い。
「リムル先生に直接尋ねるしかあらへんか」
「あ、それはダメよ。ずっとリング先生がいるもん」
「いたら拙いんどすか?」
イスカの表情が暗くなる。再度周囲に人がいないのを確認するとレイカの耳元でこう囁いた。
「あんたを殺したの、リング先生なの」
その言葉をレイカはすぐには理解できなかった。脳が反応を停止したのか、精神が知るのを拒絶したのかわからない。ただ、レイカがイスカの言葉を反芻するのに丸々1分かかった事実だけが残った。
続く
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